真ん中に不思議な黒い壁がある、アイデア釣り掘『貯金箱』のつくり方をご紹介します!
この貯金箱は、偏光板という面白い材料を使って、光の性質を利用して作る科学工作です。
偏光板や光の性質についての詳しい説明は、下記の関連記事も参考にしてください。
箱の外側や内側を装飾したり、釣り竿の先にぶら下げるものを変えたり、何か底にあるものを釣れる仕組みにしてみたり・・・。
子どものアイデア次第で、素敵な自由研究にもなると思います!
(我が子は深海好きなので、ダイオウイカにしました。)
作り方は、偏光板という材料さえあれば、簡単に作れるように工夫しました。
(偏光板はインターネットなどで、かんたんに入手するとができます。)
材料
◆偏光板
正方形(一辺5cmくらい)の偏光板:8枚
今回は、もともと正方形にカットしてある一辺8cmの偏光板を使用しました。
◆厚紙(装飾用に色画用紙)
底面とふたに使用するものです。底は8cm角、ふたはひと回り大きいサイズ(10cm程度)。
◆釣り竿&糸
竿はモールや針金など。糸はビーズのテグスや釣り糸など。
◆魚
プラスチックのフィルムか板。
今回はラッピングやダイレクトメール封入に使用されるOPPフィルムを再利用。
平面で良ければ、プラ板などでもOK。
音を鳴らしたい方は鈴をつけても楽しいです。
◆道具類
セロテープ、はさみ、カッター、定規、筆記用具。
※セロテープの幅はあまり太くない方がきれいに仕上がります。今回は1.5cm幅を使用しました。
◆装飾用
お好みのものでOK!
今回は、ホログラムテープと貝殻を使用。
作り方
最大のポイントは、偏光板の向きです。
偏光板は一定方向の光のみを通すものなので、板の向きによって縦方向と横方向が存在します。
重ねてみればすぐにわかりますよ!
偏光板の表裏は特に気にしなくて大丈夫です。
保護フィルムがある場合には剥がしてから作業しましょう。
1.上下を貼り合わせる。
偏光板2枚を上下で方向を変えて貼り合わせます。
図1のように2枚を重ねて黒くなれば、方向が異なっていることが確認できます。
(同じ方向の時は黒くなりません。)
貼り合わせる時は図2のように、2か所セロテープでとめてください。
上下で隙間が開かないようにぴったりと貼ります。また、セロテープは縦に折り込み、裏と表を同時に貼ると仕上がりがきれいです。(接着幅を小さくするという意味です。)
残りの3組も同様に貼り合わせましょう。
2.方向を確認する。
1で作った上下4組を図3のように並べてみましょう。
上の4枚、下4枚は同じ方向に並べます。確認する方法は、図4のように重ねてみることです。
上の重なり(①~③)と下の重なり(④~⑥)は、黒くなっていません。
これが正しい方向です。
間違っていると図5のように重なりが黒くなります。
例えば図5の場合、一番右の1組は上下が逆転しているので、くるっと回転させて方向をそろえます。
3.箱の4面を組み立てる。
図6のように、4組の偏光板をセロテープで隙間なくぴったりと貼ります。
特に横ラインをそろえるために、板の交点がずれないように注意してください。
セロテープを貼った面は箱の内側にします。
最後は図7のように外側からセロテープでとめます。
ここでも横のラインがずれないように、板の交点はぴったりと合わせましょう。
3.底面を取り付ける。
偏光板と同じサイズにカットした厚紙を底面として貼ります。セロテープは外側から貼りましょう。
今回は工作用紙にのりで色画用紙を貼りました。
もし底面に貝殻を貼り付けたり、何らかの装飾をしたい場合には、セロテープで固定する前に行いましょう!
4.上面のふたを作る。
上面のふたは、差し込み部の分だけ偏光板より大きくします。
ふたの中央付近に、コインを入れる穴(30mm×4mm程度)をカッターで開けておきましょう。
ふたが埋没しないよう両サイドは少し広げておくと安心です。(図8参照。)
今回はプラ板をボンドとセロテープで貼りましたが、元からつまみを作って厚紙を切り抜いてもOKです。
5.上面のふたを取り付ける。
最初は、ふたの内側からセロテープでとめます。
閉まり具合を確認した後、ふたを閉めた状態で外側からも固定しましょう。
6.釣り具を作る。
今回はやわらかいOPPフィルムを使用しました。
ここになるべくいろんな方向になるように、セロテープを貼っていきます。これを箱に入れると、ステンドグラスのようにキラキラと美しい色になりますよ!
セロテープはたくさん貼る方がきれいですが、指紋が付きすぎると光が通りにくくなるので、箱に入れてキラキラ具合を確かめながらやってみてくださいね!
あとは好きな形にカットしたりつなげたり・・・。
例えば、今回のダイオウイカならこんな感じ。
2つのパーツをセロテープでつなげただけです。
あとは、ビーズのテグスなどを使用して、セロテープで竿につなげればOKです。
今回はダイオウイカの先端に鈴もぶら下げました。コインが当たると「チャリン!」と鳴ります。
釣り具は、竿の方からコイン投入口を通して外に出せばセット完了です。
(※邪魔な場合には、取り外しも可能です。)
7.箱の外側を装飾をする。
今回はセロテープを隠すように、ホログラムテープを貼りました。
お好みで装飾してくださいね!
完成品
完成品はこちらです!
お金を入れると「チャリン!」と鳴ります。
ダイオウイカを上下して、不思議な黒い壁を通過させてみたり。
もう一つ釣り竿を作ったり。
何度見ても、黒い壁を通過する時は不思議な感覚です・・・。自由研究にもおすすめです!
不思議な壁だけではなく、ステンドグラスのようにキラキラに輝く『光の科学』も、是非観察してみてください!