心は目に見えません。
物事に対する解釈も一通りではありません。
大人と言えども、『心』について説明することはとても難しいことです。
しかしながら、誰でも必ずぶつかる人生の困難を一つ一つ乗り越えて、できるだけ楽しく生きていくために、その目に見えない『心』と上手く付き合っていく必要があります。
『心』と向き合い、『心を強くする』には一体どうすればよいのか。
この難しい疑問に対して、一通りの答えを提示するのではなく、子供自身が考えて自分なりに解釈するよう導いてあげたい。
そのように考えている方におすすめの、文筆家『大野正人』さんの本を何冊かご紹介します。
子供にも非常にわかりやすい上、親の私が読んでも”なるほど”と感心させられた本達です。
- 心がモヤモヤしていたり、不安を抱えている人。
- 自分に自信がない人。
- 対人関係やコミュニケーションに難しさを感じている人。
- 子供との関係や躾の仕方を模索している人。
- 心を強くして、できるだけ楽しく生きたいと思っている人。
などに、お薦めの本です。
偉人の人生から面白おかしく『心』を学ぶ本
◆失敗図鑑 大野正人著(文響社)
24人の偉人達の失敗談から『心』の在り方を学べる本のご紹介です。
伝記のようで、伝記とは似て非なるものです。
というのも、コメディのように面白おかしい本なのです!
文章だけではなく、楽しくカラフルな絵が楽しませてくれますよ。
読んでみるとと大人にも響く深い本でした。
本の装丁がとても凝っていて、気分も上がります!
ポイント1:論理的でわかりやすい説明
なぜ偉人は失敗してしまったのか、そうならないためにはどうすれば良かったのか。
子供にもわかりやすく、かつ論理的に説明されています。
ポイント2:答えは一つではないことも
例えば、ただ”人の意見は聞きましょう”と促すのではなく、自分の意見を本当に大切にしているのならば、それを捨ててまで迎合しなくてもよいかもしれないと思わせてくれたりもします。
ポイント3:大野正人さんの意見もスパイスに!
夢が見つからない人に対して、
でも、それでいいのです。じつは、本当の夢というものは、そんなにかんたんに見るかるものではありません。
大野正人著 失敗図鑑(文響社)
悩める人々に対して、
べつに、いいんじゃね?
大野正人著 失敗図鑑(文響社)
ま、いっか。それも自分
大野正人著 失敗図鑑(文響社)
と言ってくれたりするのです。
お堅いだけの本だと子供に伝わりにくいですよね。
その点、笑いの要素が随所に散りばめられた本書は、秀逸な作品だと思いました。
普段子育てに追われている親御さんにとっても、学びにつながる言葉がたくさん詰まっていると思いました!
『心』とは何かを子供自らが考えるきっかけとなる本
◆こころのふしぎ なぜ?どうして? 原案・執筆 大野正人(高橋書店)
目に見えない『心』というものは、いったいどんなものなのか?
子供にも非常にわかりやすく説明されており、大人が読んでもとても勉強になると感じました。
道徳教科書のようで、実は漫画やキャラクターなどを上手く取り入れた子供が楽しく読める読み物になっています!
(小学2年の息子は、笑いながら読んでいます。)
題名にある”なぜ?どうして?”という言葉の通り、疑問を持つことや気持ちとどう向き合うか自分で考えることの大切さを教えてくれる本だと思います。
(息子は、クラスメイトにこの本がおもしろいと薦められて購入したそうです。)
我が子のように、発達がゆっくりで他人の気持ちを理解するのに時間がかかってしまう子供であっても、一つ一つ丁寧にそして論理的に説明されているので、理解しやすい本だと感じました。
続編もあります。
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ポイント1:気持ちの種類について知る
心の中に色々な気持ちが存在するということを、子供に楽しく理解してもらう工夫が面白いのです!
それぞれの気持ちにキャラクターが存在しています。
例えば悔しい気持ちならこんな感じ!
息子は、このキャラクター達が一番気に入ったみたいです。
上手くいかないくてイライラしている息子に対して、「今”クヤシンスはかせ”出ちゃったね。」と言ってみたり、でも諦めないで頑張っていた時、「ほら、別のキャラクターが出てきてるよ。」などと言ってイライラの原因を探ったりしています。
イライラの先にまた別の気持ちが現れることの確認にもなり、親子で楽しめました。
ポイント2:とらえ方は人それぞれだと知る
答えは一つではない。
相手の立場やに立ってみることや物事の背景をじっくり考えてみることなどを、何度も教えてくれます。
大人になって感じるのは、実はこれが大人でもなかなかに難しく、コミュニケーションの要とも言える問題だということです。子供のうちから是非学んでおきたいですよね。
ポイント3:伝え方など具体的な方法論
コミュニケーションは、キャッチボールが出来て初めて成立するものだと思います。
特に子供の場合には、気持ちを理解するだけでは足りなく、具体的にどう行動すればよいのかがわからないと困ってしまうケースがあるのではないでしょうか。
例えば、いじめ問題や、誰かを助けたいけれどやり方がわからない時などに、具体的にどのように対処すればよいのかというヒントもたくさん掲載されています。
ポイント4:命や平和について考えるきっかけに
例えば、なぜ人を殺したり、自ら命を絶つことがいけないのかという難しい問いに対しても、大人が読んでも納得するような考え方を示していると感じました。
本書の最後の章は、”どうしたら、世界はへいわになるの?”というテーマです。
この本をじっくり読んで、親子で考えてみるのも良さそうですね。
ポイント5:世界は心でできている
一人ひとりの心があつまって、このせかいができているのです。
こころのふしぎ なぜ?どうして?(原案・執筆:大野正人) (高橋書店)
全く意識せずに生きていましたが、上記の言葉を目にして、”その通りだな”と思いました。
- 相手の気持ちを想像すること
- 自分の行動(言動)の先に何が起こるか想像すること
など、心の『強さ』や『やさしさ』や『思慮深さ』が大切なのかもしれないですね。
子供に教えたい大切なことがたくさん詰まった一冊です。
おわりに~『心』について思うこと
辛いこともたくさん。失敗もたくさん。
でもおいしいもの、嬉しいこと、楽しいことも同じくらいたくさんあるのが人生なのかもしれません。
どんな子供にも、キラキラ輝く未来がきっと待っているはずです。
だから、子供達が人生を楽しく生き抜くために、『心の強さ』や『心のやさしさ』を育みながら成長していくことを願ってやみません。
時間は命です。
私は、母をがんでなくしました。
コロナ禍で一度も面会できず、病気発覚から5か月であっという間に消えてしまいました。
例え赤ちゃんであっても、一秒一秒、命のろうそくを燃やして生きています。
だから、子供達にも、この奇跡のような人生をできるだけ楽しく生きてもらいたいなと思っています。