【発達がゆっくりな子】見過ごさないで!子供の『個性』~画一的な教育で埋もれないために

【発達がゆっくりな子】見過ごさないで!子供の『個性』~画一的な教育で埋もれないために 子供の心

 
画一(かくいつ)とは、個々の個性を考慮に入れないで、すべてを一様にそろえること。(引用:デジタル大辞泉)

「子供が学ぶ学校は個性を尊重してくれる場であってほしい」というのが親である私の切なる願いです。

しかし、発達が緩やかで療育経験もある現在小学2年生の息子の個人面談で、このような出来事がありました。

先生:「〇〇くんは、絵を描くのが苦手です。もう少しどうにかなりませんか?」

空間的な認知機能が弱い息子は、絵に限らず文字や人の動きなどを捉えることがとても苦手です。運動会の絵を描くように言われ、人間の形を描けずに1時間何もできなかったそうです。

そこで先生は、かなり手を貸して息子が普段書くよりもずっと人間らしい絵を完成させたそうなのです。そして、息子の絵の周りにあえて絵の上手な子供の作品を飾り、息子の絵がどのくらい写実性が無いのか理解させようとしたそうです。

このような出来事は、実はこれまでにも度々ありました。
 

親から見たら、少しずつゆっくり成長している我が子。
ところが学校に行けば、一様に平均点以上を求められてしまいます。
そして、もっと家庭でどうにかしてほしいと言われてしまうのです。

 
そんな時、

  • 親としてできることは何か。
  • 個性とは何か。
  • 親と子供の居場所を確保するにはどうしたらよいか。

など、発達がゆっくりな子供を育てる親としての目線で、感じたことをまとめました。
 

画一的な教育~見過ごさないで!子供の成長過程

画一的な教育では、一様に平均点以上を取る子供が褒められる場合が多いです。
 

【発達がゆっくりな子】見過ごさないで!子供の成長過程~画一的な教育で埋もれないために

 
こんな感じでしょうか。

ところが、冒頭でご紹介した我が子の個人面談のエピソードのように、何かが平均より非常に欠けていると、問題視されてしまうことがあります。

息子は、確かに人間を描くことができません。棒人間ですら小学生になってようやく習得したのです。
しかしながら、色彩感覚は豊かで自由に絵を描くことは好きなのです。

そんな息子を、グラフにしてみるとこんな感じです。
 

【発達がゆっくりな子】見過ごさないで!子供の成長過程~画一的な教育で埋もれないために

 
写実的な絵を描くことが評価対象ならば緑の線。
もしも自由に頭の中にイメージした絵を描くことが評価対象ならば、もしかしたらピンクの線になるかもしれません。
 

その子らしさに、目を向ける。

どんな子供にもあるキラリと光る一面に、どうかスポットライトを当てる瞬間を作ってほしいです。

 
他にも・・・
 

字が下手すぎる

枠の中に書くのがそもそも難しい子供もいるのです。
しかし、評価は『雑、やる気がない・・・』
少しずつ上達している過程を見てほしいですよね。
 

体操や踊りの振り付けを体で再現できない

左右もわからなくなることがある程、目で見たものを体で再現することが苦手な息子です。
昨年の運動会では、殆ど踊れませんでした。

今年は下手ながら最後まで楽しそうに踊っており、親としては安堵したのですが、学校からの評価はやはり、『ちゃんと踊っていない』というものでした。

我が子の成長過程を見過ごさず、褒めてあげられる親でありたいと思いました。
 

環境変化に弱く、気持ちの切り替えが難しい。

我が子の課題でもありますが、スモールステップで少しずつ改善はされています。

しかしながら、その過程は親子にしかわかりませんよね。
先生からは、『わがまま気質』と一言で片づけられてしまいました。

どう説明すれば理解してもらえるのかわからず、閉口してしまった私です。
 

発達が緩やかな子供の場合、教育の場では低評価を受けがちであることは事実だと思います。

ではそんな時、私達親にできることは何でしょうか。

次章からは、そんな論点で書いてみたいと思います。

 

親にしかできないことは何だろう?の気持ちを!

親にしかできないことを探す

私は、

『親の自分にしかできないことは何だろう?』

と考え続けることをとても大切にしています。

例えば、

  • 子供の成長を見逃さない。
  • その子ならではのユニークな着眼点を見つけて褒めてあげる。

などです。

画一的な教育からはみ出してしまう息子。
そんな息子を育てる親としての私のモチベーション維持法、そして小さな小さなプライドでもあります。

情報の取捨選択

一人として同じ子供はいないのに、

  • ~すべき
  • 〇〇な子供の親にありがちなNG行動

などというような言葉が溢れています。

このような言葉達は、一度あやしいと疑うようにしています。
この記事ですら私個人の見解でしかないので、一度疑ってみてほしいです。

結局、星の数ほどある選択肢から何を選ぶのかは、親自身だと思うようにしています。

情報の『取捨選択』は、とても大事だと感じます。
 

個性を伸ばすために

もし学校が画一的な教育をする場であるならば、時代のニーズに叶ったものなのか考えてみる必要があると思います。

将来進む進路によっても異なるかもしれません。
子供の性質によっても異なると思います。

私が考える、我が子の将来に最も必要なものは、『個性』です。
特に発達に偏りがある我が子の場合には、短所を埋めるよりも長所を伸ばす方が向いていると感じます。
 

個性を伸ばすためにしていることの例

  1. 好きなことに没頭できる環境を作る。
  2. 僕にはこれがあると自信や安心感を与えるような声かけを心がける。
  3. 平均点を求めすぎず、良いところに目を向けるようにする。
  4. 世界に目を向ける。
     

4は、世界中という意味もありますが、歴史などの過去の出来事や人物に目を向けるという意味も含んでいます。
学校と家と習い事という狭い世界を一旦離れて、外の世界に目を向けると新しい考えに出会うことがあります。息子はよく「へ~、なるほど!」と言っています。
社会の勉強にもなりますし、一石二鳥でおすすめです。

 

親と子供の居場所の確保~具体的にできることは何か

私自身の苦い経験から感じることは、親にも子供にも居場所が必要だということです。

孤立が一番辛いですから。

まずは、学校・スクールカウンセラーなどと相談してみる場合が多いと思いますが、必ずしも折り合いが付くとは限りませんよね。
実際に私の友人も、今まさに学級内のトラブルで学校との話し合いが平行線をたどっています。

そんな時は一体どのようにしたら良いのか、いくつかの具体的な選択肢をご紹介したいと思います。
  

家庭や習い事~学校以外のコミュニティ

家庭や大好きな習い事の場で、子供の大切な居場所が見つかることもあると思います。
小さな成長に気づき、自己肯定感を育めるよう、できるだけ子供も親も笑顔になれる選択をしてみてくださいね。
 

行政の支援施設

例えば、インターネット検索で「不登校/〇〇市/相談」などと検索すると、市など行政の支援施設を調べることができます。

  • (学校)教育支援センター
  • (学校)教育相談センター

などの名称の機関が多く、「子供」や「総合」などの言葉が付く場合もあります。

お住まいの地区で相談を受けられる支援施設を探して、まずは相談からしてみるとよいと思います。
 

民間の支援施設

フリースクールなど、民間の支援施設もあります。
お住まいの地区に存在するか検索してみてください。
 

通信教育~不登校や学習面で不安がある時

学習の遅れが原因で不登校や、学校に通うことに苦痛を感じている場合には、通信教育を上手く利用することができます。

例えば、

  • 学年制ではない
  • コーチによる学習設計や保護者のヒヤリング

など手厚いサポートがある通信教育も存在しています。
サポート付きならば、親子の孤立を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。

本当に子供に合った教材であるか、資料請求などをしてじっくり検討してみてください。
 

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オンラインコミュニティ~メリットとデメリットを考えながら

SNSなど、オンラインコミュニティに居場所を見つける方も多いです。

しかしながら、思わぬところで誹謗中傷を受けたり、あなたとお子様の人生に寄り添ってくれる人を探すのは至難の業だと考えておく方がよいかもしれません。

初めからきちんとリスクも考えて、必要な場合には活用してみてください。
 

その他の選択肢~身を守るために

 
息子が大のお気に入り、ベストセラーの『失敗図鑑』にも、ヒントがありました。

悩みの原因は千差万別です。
学習面・対人面・将来の不安・・・

画一的な学校教育では、発達に偏りがある子供への対応に限界もあります。

どうしても辛い時は、どうか一度退避する勇気を持ってくださいね。
猛獣ににらまれたら逃げるしかないのと同じことです。

失敗図鑑には次のような記載があります。

大事なのは、にげた後、何をするかです。

引用:大野正人『失敗図鑑』より

 
まずは、自分の身を守ってほしいなと思います。
今必要なのものはきっと、十分な心の充電期間です。

興味のある方は、『失敗図鑑』の二宮金次郎の箇所を読んでみてください。
お腹をかかえて笑って、感動して、そして勇気が湧いてくる本です。
本の詳細(Amazon)>>
 

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おわりに

そつなく何でも平均点以上をとる子供だったら良かったのに・・・。そう考えたことも無いわけではありません。

しかし我が子は、そういう子供ではありませんでした。

今は、小さな小さな子供の成長を喜べることや、同じ悩みを抱える子供や親の気持ちを少しだけでも理解できることに意義を感じています。

『頑張って。』という言葉が、人の心を逆に傷つけてしまうことや、頭でわかっていてもなかなか抜け出せない暗いトンネルがあることは、私自身の実体験からよくわかります。

辛い時には、居場所や誰かの手助け、そして仲間が必要です。
けれども、なかなか見つからないものですよね。

そんな時でも、少なくとも同じ思いをしている人達が世界中にたくさんいるのではないかと、私は思っています。

それでも本当に本当に辛い時には、身を守るために一度退避して、次に進むための充電をしてみてください。かの有名な二宮金次郎さんも一度は逃げたんですから。

最後に、東京オリンピックで銀メダルを獲得した、日本女子バスケットボールの「馬瓜エブリン」選手の言葉をご紹介します。

人種問題で幼少期に苦悩した彼女が、テレビで語っていた素敵なメッセージ(要約)です。
 

足は、本当に辛い時に逃げるためについています。
そして元気になったら、また戻ってくるためについているんです。

 

皆さんにとっての居場所が、どこかに見つかりますように。

 

子供の心
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