子どものお箸は何歳頃から使い始め、どのように練習したらよいのか悩んだことはありませんか?
また、箸で食事ができるようになったものの、持ち方が気になることもあるのではないでしょうか。
手先が不器用だった我が子は、5歳児(年長)の時に療育(作業療法)に通い、就学に向けて箸の訓練などを受けていました。この時の指導内容や、我が子と共に自宅で練習をした経験をもとに、
- 箸の練習開始時期
- 持ちやすい箸の選び方
- 持ち方や矯正方法
などについて、できる限り詳しくお伝えしたいと思います。
療育に通うほど手先や指先の発達がゆっくりな我が子が、1年程で正しい持ち方を覚えました。何歳であっても、正しい持ち方を覚えたいと思った時に、試していただけたら嬉しいです。
お箸は何歳から持たせれば良いの?
早いお子様だと、2歳くらいからトレーニング箸を使っていることもあります。日本人としてきちんとお箸の作法を教えたい!という気持ちは、きっとどんな親御さんにもありますよね。
勿論、早い時期に練習を開始して習得できればそれに越したことはないのですが、それ程焦らなくても問題ないような気が私はしています。
例えば息子が通っていた幼稚園では、年少(3歳児)からお弁当でお箸を持たせている子はいなかったと思います。
年中(4歳時)頃から、徐々にトレーニング箸を持つ子が増え始め、年長(5歳時)になるとスプーンやフォークだけで食べる子は殆どいなくなりました。
また、年少(3歳児)から療育に通っていた息子が、作業療法の先生と箸のトレーニングを始めたのは、年長(5歳時)になってからのことです。
小学校で給食が出る場合には、入学までにお箸が使えるようになっている必要もあります。
これらのことをふまえると、年長(5歳時)には、何らかの方法で箸を持ち始めた方がよいと思います。
持ちやすい箸の選び方
箸によって、使い心地や上達の速度が違うというのが、実際に息子を見てきて強く感じた点です。お箸がなかなか上達しないと悩んでいる方は、使いやすい箸に変えてみるのも一つの手段です。
慣らし時期
最初から2本のお箸を持って練習するのはなかなか難しいものです。そんな時は、写真のようなエジソン箸を使うケースが多いと思います。
息子もトーマスのエジソン箸を年中から使い始めています。
【メリット】
このような商品は、箸に慣れ親しむためにはとても良い商品だと思います。お子様も「自分でつかめた!」と喜びを感じることができるからです。
【デメリット】
2本の箸が連結しているタイプでは、本当の意味での箸の練習にはなっていない気がします。
エジソン箸は、
- 下の箸を落とさずに正しい位置で支える練習ができない。
- 二本の箸先が交差しないようにする(箸先を合わせる)練習ができない。
という特徴があります。
息子の場合には、エジソン箸が使えても普通のお箸を持てるようにはなりませんでした。
本格的な練習時期
息子が箸の持ち方を覚える上で非常に役に立った箸をご紹介します。
それは、『ののじ はじめてのちゃんと箸』という商品です。近くの書店で購入しましたが、ネットショップでも販売されていました。
商品(5才~)の詳細(Amazon)>>
特徴は3段階のトレーニングができることと、良い意味でエジソン箸よりもつかみにくいので、とても練習になります。
2才からの商品もあります。
商品(2才~)の詳細(Amazon)>>
【ステップ1】
上端と中央の2か所に脱着可能な連結器具がついています。
中央の器具がバネのような役割をしているので、バネの反発を利用して開閉しやすいのが特徴です。
また、柔らかい素材なので箸の先端が交差することもあり、箸先を合わせる訓練にもなりますよ。
勿論、通常のお箸よりは交差しにくいので安心してくださいね。
通常の箸よりは、断然使いやすい。
されど、程よく箸の使いにくさも体験できるという絶妙さ。
優れものだと思います!
【ステップ2】
第二段階は、中央の連結を外して上端のみにします。
下の箸が落ちない点では、通常の箸より使いやすいです。しかし上部の連結は柔らかいので、下の箸をしっかり固定していないと箸が上下して先端が合わなくなってしまいます。
そして、STEP1よりも箸の先端が交差しやすいので、つかみにくくなります。
より、通常のお箸の使い心地に近づきます。
【STEP3】
最終段階は通常のお箸として使用することができます。先端には滑り止めの溝も3本付いています。
ある程度慣れてきたら
箸の使い方にある程度慣れてきたら、補助器具の付いていないお箸を使い始めましょう。
普通のお箸をすぐに使えるようになるお子様は、どんな箸を使ってもよいでしょう。しかしながら我が子のように習得に時間がかかる子の場合には、軽くて短めのお箸がよいと思います。
できれば先端に滑り止めが付いていると更に使いやすいです。
我が家では、『せいわ 六角知能箸』という箸を幼稚園経由で2サイズ購入して、小学生になった今も19cmの六角知能箸を使っています。(大人用も併せて購入しました。)
※ネットショップから購入することもできます。
息子は手先や指先が器用ではなく、低握力でもあるので、これがとにかく使いやすい!!
おすすめのお箸です。特に幼児用は、驚くほどに軽いです!!
まずお子様の手の大きさによって、最適な箸の長さが異なります。
六角知能箸は長さのバリエーションが豊富なんです。これが、とてもありがたい点です。
息子の場合には、16㎝を最初に使い始め、できるようになったら小学1年生頃からいきなり19cmを使用しました。2本目は小学5・6年生用ですが、特に問題なく使用できました。
【特徴まとめ】
- 六角形
3本指でつかむので、断面が3の倍数であると持ちやすいのです。更に丸に近い方が持ちやすいので、鉛筆のように六角形が採用されています。 - 軽さ
実際持つとよくわかるのですが、とにかく軽いです。そして細すぎず太すぎない丁度よい太さだと思います。
- 重心の位置
箸の中心に重心があるため、持ちやすいです。
- 材質のこだわり
国産の天然竹を使用しています。また、箸先から3cm~5cm程の位置に、さりげなく滑り止め塗装がしてあり、とても使いやすいです。
是非、お子様に合ったお箸を探してみてください。
特に手先や指先が器用でない子にとっては、道具の力が役に立つことが多いです。(不器用な息子を育てて実感したことです。)
正しい持ち方や矯正方法など
箸の正しい持ち方や矯正方法などを説明していきます。
手先や指先が器用でない我が子は、複数の動作を同時に習得することが難しいのです。そこで、箸の持ち方や動作をできる限り分解して教えることにしました。良かったら参考にしてみてください。
前章で紹介しました『ののじ はじめてのちゃんと箸』を使うと、とても練習しやすいと思います。
持ち方
1.上の箸
まず箸1本の中心より少し上の部分を、軽く鉛筆を握る要領で指三本で持ちます。
持てたら、手首を動かさずに3本指だけで箸を上下に動かします。
動きができるようになるまで、練習を繰り返します。
※手首が動いてしまう場合には、親御さんが抑えてあげてもOKです。
できるようになったら、箸を正確に振り下ろせているか確認します。
方法は、まず親がもう一本の箸を持ちます。先端には目印を付けておきましょう。
子どもはその目印に向かって箸を振り下ろします。手首を動かさずに3本指だけを使っているか確認してあげてください。
最初はできないかもしれませんが、焦らず、励ましながら、少しずつ練習していきましょう。
2.下の箸
箸1本を、図のように親指の付け根(★印)と薬指第一関節より少し爪側(▲印)の2点で支えて持つ練習をします。
我が家では、3本の指で持てたか確認するために、「ちゃんと持てたらピースして!」と言いながら練習しました。
3.箸を2本持つ
方法Aと方法Bの二通りをご紹介しますので、お子様に合った方を試してみてください。
【方法A】先に上の箸を持たせ、後から下の箸を差し込む方法
まず、上の箸を子どもに持たせます。
次に親が下の箸を差し込んであげましょう。
上の箸の持ち方が崩れていないか、下の箸がきちんと固定できているかを確認しましょう。
我が子の場合には、上に気を取られると下が落ちる、下に気を取られると上の箸が持てなくなるといった感じが暫くの期間続きました。いずれ覚えますが、やりにくそうであれば【方法B】を試してみてくださいね。
【方法B】先に下の箸を持たせ、後から上の箸を持たせる方法
※『ののじ はじめてのちゃんと箸』の上端を連結して使用するとやりやすいです。
まず、下の箸を子どもに持たせます。上の箸は次の図のように親が支えてあげます。
下の箸をしっかり固定できているか確認しながら、上の箸を徐々に下げていきます。まずは親指位置まで。
それができたら、更に下げて人差し指と中指を加えた3本指で親指を持たせます。
上の箸の持ち方が崩れていないか、下の箸がきちんと固定できているかを確認しましょう。
つかむ
下の箸は動かさず、上の箸のみを動かす練習をします。
そして、箸先がきちんと合うか確認してください。
箸の先が交差すると、うまく物をつかむことができませんので、交差しないように注意してください。
できるようになったら、滑りにくいもの(例えば小さな消しゴムなど)から、つかむ練習をしてみましょう!
どうしても上手くつかめない場合には、箸の中央にも連結器具を付けて補助してあげてください。息子はイライラしてくるとお箸自体が嫌になってしまうことがありました。無理は禁物です!!
うちの子は、数か月間は中央にも連結器具をつけて食事をしていました。それに慣れたら上端のみ連結に変更。
上端だけでも、有るのと無いのとではつかみやすさが違います。上端のみで楽に食事ができるようになってくれば、ほぼ箸は使えるようになっていると思いますよ。
切る
食べ物をつかめるようになっても、箸で食べ物を細かく切るという動作ができないこともあると思います。そんな時は、こんな練習もおすすめです。
紙にお好みの絵を書いたり、シールを貼って次の図のように、
中央 → 外側 → 中央
と箸を動かす練習をします。
我が家では、レトルトハンバーグなどやわらかい食品で、食べ物を切る練習もしました。
意外と奥が深い、箸と学習の関係
上の箸は、手首を動かさずに親指・人差し指・中指の3本で動かしています。
この持ち方や動作は、実は文字を書く動作と共通しています。
箸を練習することは、スムーズに字を書く動作と繋がっているそうです。
就学前の1年間、息子は療育(作業療法)で、箸や鉛筆動かす訓練を毎回のように行いました。
我が子は手先や指先の動きがぎこちないので、小学2年生になった今でも、字を書くのにとても時間がかかります。スムーズに字が書けないと、学習の意欲や集中力も低下してしまうそうです。
お箸を躾の一つとして身につけたい場合には、大人になってからでも矯正することができると思います。しかしながら、もしも手先や指先の不器用さから学習面へ影響してしまう場合には、その遅れを取り戻すのには、とても時間がかかるかもしれません。
全てにおいて平均点以上をとることを子どもに求めるのは難しいと思いますが、箸の場合には、少しずつ練習していくことで習得することができると思います。
今できることを一歩ずつやっていきましょう!
遊び感覚でたのしく!
小学2年生になって、ユニークな先生が担任になりました。
あの手この手で子どもを楽しませて、楽しみながら学ばせてくれます!そんな息子のクラスの一コマをご紹介します。
★箸つかみ大会
時間を計りながら、消しゴム1点、鉛筆2点、のり3点、定規5点の採点で、お箸で文房具をつかんで点数を競います。
箸の練習になるかどうかはさて置き、どの子も笑顔で楽しそうです!!
褒められたいから頑張る!
できなくても恥ずかしがらずに楽しめばOK!
そんな風に思える環境を、子どもに用意してあげたいなと感じました。
家で同じことをやってみたら、結構盛り上がりました♪
それぞれのご家庭のアイディアで、楽しくお箸の練習をしてみてくださいね。