この記事では、メラミンスポンジ・ナイロンたわし・塩素系漂白剤を使わずに、なるべく自然に近いナチュラルなもので『茶渋』や『焦げ』を落とす方法をお伝えします。
私は、これまで洗剤を使用しなくてよいメラミンスポンジを頻繁に使っていましたが、ある時「メラミンスポンジはマイクロプラスチックとなり排水に流れ出てしまう」ことを知り、使用を控えるようになりました。
漂白剤は、塩素系ではなく酸素系を使用すれば、環境負荷がとても低いことも知りました。
「ナチュラルクリーニング → エコだけど手間がかかる」
と思いがちですが、コツをつかめばエコと日常の家事を両立できることがわかってきたので、その方法を詳しくお伝えしていきたいと思います。
ナチュラルな洗浄剤について
【酸素系漂白剤が地球にやさしいと言われる理由】
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)は、水に溶かすと過酸化水素と炭酸のナトリウムになります。
過酸化水素は、漂白・除菌・消臭などの役割をし、反応後は水と酸素に分解されます。
炭酸ナトリウムは、アルカリ性で過酸化水素の反応を速めて補助する役割があります。
塩由来の無機物で、例えば中華麺に混ぜる食品添加物などにも利用される物質なので、環境負荷が殆んどないと言われています。
【重曹が地球にやさしいと言われる理由】
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、加熱すると炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素になります。
炭酸ナトリウムは、アルカリ性の塩由来の無機物です。
例えば中華麺に混ぜる食品添加物などにも利用される物質なので、環境負荷が殆んどないと言われています。
茶渋の落とし方
軽い茶渋の場合
軽い茶渋の場合には、『食塩』もしくは『重曹』で磨く方法があります。
スポンジだと力が入りにくいので、ハギレなどいらない布があると便利です。
急須の底についた茶渋を食塩で磨いてみます。
急須を一度濡らしてから水を切る。
↓
食塩をふりかける。
↓
布でこすって磨く。
↓
水洗いをする。
【重曹&食塩磨きのコツ】
- 乾いた状態でこすらない。
- 粒子が半分湿っているくらいが使いやすい。
(びしょびしょになると研磨の効果が下がってしまうため。) - 量が少なすぎると落ちにくい。
同じ要領で、左半分を重曹で磨いてみます。
【まとめ】
- 今回は、食塩の方が茶渋がよく落ちた。
⇒おそらく使用した重曹の粒子が食塩よりも細かかったためだと思われる。
- 重曹の粒子の大きさは商品によっても異なるため、いくつか試して使いやすいものを選ぶとよい。(パウダー状のものもあれば、食塩の粒子サイズ程度のものもある。)
- ツルツルした面の茶渋はある程度落ちるが、例えば急須の蓋との接触部分など、ざらついている面では、あまり茶渋は落ちなかった。
- 例えばプラスチック製品など、傷つきやすい材質のものには使えない。
※重曹は、百均、スーパーなど、ドラックストアなどで購入可能。
※食用は値段が高いので掃除用の重曹を使用。
頑固な茶渋の場合
- 頑固な茶渋
- ざらついた面の茶渋
- 傷つきやすい材質についた茶渋
などに対しては、酸素系漂白剤を使ってみましょう。
今回は、およそ30分間漂白し、しつこい茶渋がすっきりと落ちました。
※量や漂白時間は、説明書に従ってください。
鍋の焦げ・こびりつきの落とし方
たわしが使える材質について
今回は、『パームたわし』と『銅たわし』が使える材質についてお伝えします。
鍋についた焦げやこびりつきを落とす時に、たわしを使うと便利です。
ただし、傷つきやすい材質の鍋には使えませんので、ご注意ください。
【パームたわしが使える材質】
ステンレス・鉄・ガラス・銅・アルミ・ガラス・土鍋
【銅たわしが使える材質】
ステンレス・鉄
【銅たわしのメリット】
- 銅イオンの働きで、雑菌の繁殖を防ぐ。
- 煮沸消毒も可能。
銅は、比較的柔らかい金属ですが、強くこすりすぎると傷がつくことがあります。銅たわしを使用する時は力を入れすぎないようにしましょう。
安価で清潔に使えるので、ここ数年、銅たわしを愛用しています。金属製なので割と長持ちしますよ。(銅のパイルがくたびれてきたら取り換え時です。)
私はホームセンターで購入しましたが、見当たらない場合は、インターンネットでも様々な種類が販売されているので検索してみてください。
軽い焦げ・こびりつきに!~重曹による研磨
たわしが使えない時や、たわしを使っても細かい部分が取り切れなかった時に、重曹をクレンザー代わりにして研磨する方法も有効です。
私は、細かいハギレをとっておいて、鍋を磨く時に使っています。
どうしても無い場合には、水気を固く絞ったスポンジやティッシュなどの紙を使用してみてください。
例えば、鍋のこびりつきの場合、
しばらく鍋に水をはっておく。
↓
水を切って、鍋に重曹を振りかける。
↓
布などでこする。
↓
洗い流す。
【重曹磨きのコツ】
- 乾いた状態でこすらない。
- 重曹の粒子が半分湿っているくらいが使いやすい。
(びしょびしょになると研磨の効果が下がってしまうため。) - 重曹の量が少なすぎると落ちにくい。
※重曹は、百均、スーパーなど、ドラックストアなどで購入可能。
※食用は値段が高いので掃除用の重曹を使用。
焦げの場合も要領は同じです。
磨く前に、できるだけ鍋をきれいにしてから行ってください。
頑固な焦げの場合~焦げにも種類があります
研磨だけでは落ちない頑固な焦げは、化学の力を借りる方法がお薦めです。
ただし、鍋の材質によっては使えない場合もありますので、焦げの程度と鍋の材質を考えて方法を選択してみてください。
ちなみに、全ての落とし方(②~⑤)が使える鍋は、ステンレス製とガラス製です。
①焦げの種類 ~ 簡単な実験もしてみました
焦げには、酸性で落ちるものと、アルカリ性で落ちるものがあります。
【アルカリ性で落ちる焦げの例】
肉・魚・卵・穀物・油汚れなど
【酸性で落ちる焦げの例】
野菜・大豆など
今回は醤油で焦げを作り、落ち方を実験をしてみました。
最初にたわしなどで、出来る限り焦げを落としておきました。
それでも落ちなかった一番ひどい焦げ(下図の赤丸)を対象として実験します。
まずは、アルカリ性のものとして酸素系漂白剤を使ってみると・・・
多少は落ちたものの、ひどい焦げは残ったままでした。
次は、酸性のものとしてお酢を使ってみると・・・
暫くお酢でラッピングした後に、強めにこすって落とすことができました。
醤油は大豆製品なので、酸性の物質で落とせたということだと思います。
【まとめ】
- 焦げの種類を見極めて、酸性とアルカリ性のどちらの物質で落とすか決める。
- どちらかを試してみて取れない時は、もう一方を試してみる。
②アルカリ性で落とす
ステンレス製や耐熱ガラス製の鍋の場合、まず試してみるとよいのが、『酸素系漂白剤』です。
たわしなどが使える場合には、事前に取れるだけ焦げを取っておきまよう。
鍋にお湯をはり、酸素系漂白剤を入れて30分程度放置します。
(漂白剤の量や放置時間などの詳細は説明書をご確認ください。)
その後、鍋を水洗いし、木べらや割りばしなどで残った焦げをこそげ落としましょう。
③もっと弱いアルカリ性で落とす
油など酸性の物質は、アルカリ性で中和させて落とすことができます。
重曹自体に酸化力はありませんが、焦げた鍋に少し水をはり重曹を入れて加熱することで、アルカリ性となり、焦げを落としやすくすることができます。
また、化学反応の過程で発砲する(二酸化炭素が発生する)ので、焦げを浮かせる効果も期待できます。
②酸素系漂白剤程の効果はありませんが、ステンレス・ガラス製の鍋の他、ホーロー・土鍋・鉄製の鍋にも使用することが可能です。
焦げが浸るくらいの水(およそ500ml)に対して大さじ2程度の重曹を入れ、沸騰させます。発砲が弱まってきたら、火を止め数時間~一晩おいて木べらや割りばしなどでこそげ落としましょう。
※テフロンなど樹脂加工をした鍋は、重曹粒子で傷つけないように注意すれば使用可能ですが、長い目で見ると劣化の原因になりますので、できるだけ控えてください。
④酸性で落とす
野菜がメインの焦げは、『お酢』を使って落としてみましょう。
下図の赤丸の部分の焦げを落としてみます。
お酢を直接鍋に垂らして、乾燥しないようにティッシュとラップで覆います。
このまま、しばらく放置します。
(今回は、このまま30分程おきました。)
その後、焦げをこすり落としてください。
落としにくい場合には、次のことをお試しください。
①木べらや割りばしを使う。
②放置時間を長くする。
【参考】
お酢よりも少しだけ酸性の強いものを使うと更に落としやすくなります。例えば、シンクお掃除に使うこんな商品を使ってみたところ・・・
さらに綺麗になりました。
あまりに酸性が強いと、金属鍋を傷めることにもつながりかねないので、説明書きをよく読んだ上、慎重にお試しくださいね。
⑤もっと弱い酸性で落とす
鍋が傷むのが心配な場合には、お酢を薄めて使う方法もあります。
(薄めた分、時間はかかります。)
焦げが浸るくらいの水(およそ500ml)に対して大さじ2程度のお酢を入れて、沸騰させます。
あとは、数時間~一晩置いて、木べらや割りばしなどで落としてください。
油分が多い汚れの場合には、お酢と同量の中性洗剤も入れて試してみてください。