料理愛好家の平野レミさんが、世の中のお母さん達に対して語った言葉に目がとまりました。
『ちゃんとやらなきゃをやめる』
その理由は、そんなことを考える人は既にちゃんとやっている人だからというものです。例えば有名タレントのタモリさんも『自分は頑張らない』とおっしゃっていたことを思い出しました。
これは決して投げやりに生きるという意味ではなく、目の前のことを気負わず自然体で楽しむという意味ではないかと感じました。一見適当に見えますが、この考え方は子育て中の親にとって凄く参考になるものだと思います。
この記事は、料理のレシピや料理をする素晴らしさについてではなく、平野レミさんの考え方や生き方から学ぶ子育てや親自身の生き方をテーマとして書いていこうと思います。
教えてレミさん!
10年以上前、TVに出ているレミさんが「私はシェフじゃなくてシュフ!!」と言いながら底抜けの明るさで料理をしている姿を見ました。圧倒されると同時に、型にはまらない料理や言動の数々にとても好感を持ちました。レシピ本やレミパンも愛用しています。
番組中にどんなハプニングが起きても、賛否両論の意見を浴びても、とびきりの明るさとパワーでレミさんはレミさんらしく輝き、料理を伝道しています。
私は、これはとても凄いことだなと思いました。
ですから「レミさんから子育て中の親が学べるものは何か?」について、独自の視点でまとめてみようと思います。
目標はつくらない
「目標はつくらない」の言葉の真意は、目の前のことを一日一日精一杯やれば良いという意味だそうです。レミさんにとってはそれが料理であり、家族の笑顔やレシピを喜んでくれる誰かの為であったのだと思いました。
例えば試験がある場合などは、しっかりとした目標を立てて期間限定で死ぬ気で頑張らなければならないこともあると思います。
しかし、子育てをするとか生活をするというのは長丁場ですので、かっちり目標を立てすぎると辛くなってしまうことがある思います。
『今日できることを一生懸命やる。』
もしそう思うことができたら、肩の荷が少し軽くなった気がしませんか?
そして、これは子供にとっても大切なことではないかと思います。我が子は発達がゆっくりなので、周囲の子供達と比べると、何事もできるようになるまでに時間がかかります。
それでも周囲の子から1~2年遅れをとりながらも、一歩ずつ前進し今に至っています。
始めから皆と同じであることを目標にしていたら、親子共に心が折れてしまったと思います。周囲が気にも留めない程小さな一歩を、「ほらこれもできたよ」「次はこれもできたよ」と小さく積み重ねることで自信をつけてきました。
目の前のことに一生懸命になればよい。子供にも教えてあげたいレミさんの考え方ではないでしょうか。
自分も大事にする
レミさんはシェフじゃなくてシュフですので、主婦の気持ちをよーくわかっている気がします。
例えば「たまには手抜きしても大丈夫」とか、「食べたいものを食べればよい」とおっしゃっていたことがありました。
これはあの、「ちゃんとやらなきゃをやめる」という言葉に繋がってきますよね。きっと、肩の力を抜いて楽しまないと疲れてしまうし、疲れてしまう人生なんてもったいないしつまらないということだと思うのです。あのレミさんの太陽みたいな笑顔やパワーから、人生を楽しく過ごしたいというメッセージを感じます。
甘いものも食べたければ食べて、その分ご飯を減らしたり運動すればよいともおっしゃっていました。子育て中であっても、自分の人生を楽しみましょう。
固定観念にとらわれない
盛り付けや、食材の取り合わせや使い方など、レミさんの料理はとても独創的です。私も正直なところ最初は驚きました。
レミさんにとって料理は、子供の頃のおままごとの延長なのだそうです。多くの親は子供に対して想像力が豊かになってほしいと願いますよね。固定観念にとらわれず自由に育ってほしいと。だから本当はどんな料理だってどんどんチャレンジして、やってみればいいんですよね、レミさんみたいに。
それなのに大人になると、「この食材とこの食材は普通組み合わせないよね」とか、「この食材をこういう切り方はしないよね」「この料理はこういう盛り付けはおかしいよね」と、やる前から決めつけてしまうことが増えてしまいます。なぜでしょう。
レミさんはおっしゃっています。
『食べ物×食べ物の組み合わせなんだから何を組み合わせてもよい』
『結局、食べておいしい、幸せと感じればそれでよい』と。
皆さんはどう感じるでしょうか?
自然体でいる
レミさんが長い間料理愛好家として親しまれているのは、裏表のない自然体の姿で料理を心から楽しんでいるからではないでしょうか。
例え少々の批判を受けたとしても、これが私なんだから私らしく一生懸命やるしかないという姿勢が、数々の美味しい料理を生んで、おまけにたくさんの笑顔を周囲にもたらしている気がします。
我が子は、周りの大人や同世代のお友達から「変わってる子」と言われることがあります。親の私が見ても確かに変わっている気がしますが、それがありのままの我が子なのです。
無いものを嘆くよりも、その子にしかない個性を輝かせてあげたいと思います。
親も同様に、誰かと比較せずに、ちゃんとやらなきゃでもなく、自然体で自分らしく過ごせたらなと改めて思いました。
何が幸せなのかは自分が決める
レミさんは食を通して笑顔や幸せを家族に届けてきました。それがきっと長年に渡る活躍に繋がっているのだと思います。
その家庭の味は誰が何と言おうと、家族が美味しくて幸せならば、それで満点ですよね。舌の絆をレミさん流のユーモアで『ベロシップ』と表現されていました。
中には料理が苦手で全くしない方もいるかもしれません。でも、何が幸せかは自分や家族が決めることですから、料理が苦手な方であれば別の形で絆を深めたらよいと思います。
仕事が忙しくなかなか子供との時間を作れない方もいるかもしれません。
例えば働く親の背中を子供に見せることも、一つの愛の形だと思います。
母子家庭で育った私は、母が忙しい中でも、週末だけは必ず好物を作ってくれたことを思い出します。それが当時の母なりの精一杯の愛情表現だったと今ならよくわかります。
一方我が子はと言えば、いくつかのレミさんのレシピを家庭の味だと思って育っているかもしれません(笑)。レシピ本の力も借りながら、週末だけは家族のリクエストに応えて料理をしています。
いつか巣立って遠くへ行ってしまうであろう息子と、今しかない貴重な日々を楽しみたいと思っています。皆様も、誰と比較することもなく、各ご家庭のやり方で家族への愛情の伝え方を探してみてください。