将来の夢に迷う子供と親に届けたい~恐竜学者『小林快次博士』の歩んだ道

恐竜学者小林博士に学ぶ夢の見つけ方 有名人に学ぶ生き方のヒント

 
日本初の恐竜全身骨格(むかわ竜)の発掘や半世紀も謎とされてきた巨大な腕を持つ恐竜(デイノケイルス)の全身骨格を発掘した小林快次博士の『ぼくは恐竜探検家!』という本を子供と一緒に読みました。

古生物や海の生物が好きな我が子に読み聞かせようと何気なく手にした本でしたが、親子で読み進めるうちに、今や恐竜研究の第一人者になった小林博士であっても、将来の夢に迷い挫折を経験しながら歩んできたことを知り感銘を受けました。

将来の夢が見つからない、目標の見つけ方がわからないと悩んでいる小・中・高校生やその親御さんに対しても、多くのヒント希望をくれる本だと感じます。

そこで、

・将来の夢の見つけかた
・目標を定めそこに向かう原動力とは何か?
・そのために今何をすべきなのか?

など、本の内容を一部紹介しながら考えてみたいと思います。
 

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根っことなるエネルギー

著書の中で小林博士は、『好奇心にまさるエネルギーはない』と言っています。

ではその好奇心はどのように芽生えるのでしょうか。
 

環境要素

小林博士の場合には、化石などが多く産出する福井県の出身であったことが、その後の人生に大きな影響を与えていると思います。

例えば、親が音楽好きだから音楽の道に進んだとか、兄弟が先に始めたスポーツをいつの間にか自分も始めて気付いたらスポーツ選手になったというような例は数多くあると思います。

どこにきっかけが転がっているかわからないので、親としては子供に多くの経験をさせてげることで、夢のきっかけ探しをサポートすることができるのではないでしょうか。

そしてそれは、必ずしもどこかに出かけたり習い事をするという様な特別なことでなくとも、色々な方面にアンテナを張り子どもに情報を与えることでも対応できると感じます。例えば興味のありそうなTV番組を録画してあげるといった具合です。
 

熱中体験

アンモナイトの化石発掘

 
何かに熱中体験をするということは、その対象を大好きになるといことです。好きだから、知ることや突き詰めるための努力が苦にならず、楽しみとなります

しかし熱中体験がそのまま将来の夢に直結するとは限らず、実際小林博士も初めから恐竜に熱中していたわけではなく、化石発掘にひたすら熱中する少年時代でした。

例えば子供も、最初は電車に夢中になって、次は正義のヒーローに夢中になって、今はアニメのキャラクターに夢中になって・・・・・・というようなことはよくあるのではないでしょうか。そして一時期非常に熱中したとしても結局夢に直結しなかったという場合が大半だと思います。

けれども、それが人生の無駄なのか?と言えば、決してそうではないと思います。なぜならば一度何かに熱中できた人は、本当の夢を見つけた時、新たな目標に向かっても昔と同じように全力で走れるはずだからです。楽しい、もっと知りたい、好きだという強い好奇心や高揚感を経験していればいる程、その経験がいつかきっと夢を掴む原動力になると思います。
 

まだ熱中体験をしていない人

必ずしも全ての人が熱中体験をしたことがあるわけではないと、自分や周囲の知人を見て感じます。ですから、熱中する対象をまだ見つけられないという悩みを悲観する必要はないと思います。

ではそのような人はどうしていけばよいのか。それは心を大きく動かされるような経験を日常生活の中で少しずつ積み上げることだと思います。例えば、ニュースで世界の困窮した人々を見て心を痛めたり、散歩に行って海岸に打ち上げられたゴミの多さに気がついたり、アニメやマンガや本のストーリーに感動して自分も登場人物のようになりたいと感じたり、美しいもの美味しいものに感動する身近にある感情まで。日々の暮らしの中で、喜怒哀楽を多く経験することが大切だと感じます。

豊かな感受性が備わっていれば、長い人生の中できっと何か心に突き刺さるものと出会えるのではないでしょうか。もしそれが、進路選択までに間に合わなかったとしても焦り過ぎる必要はないと思います。

実際に小林博士も、はっきりとした目標を持たずに大学に進学し、自分の意志ではなく他人に促されるように留学をしており、一度は苦い思いと共に帰国しています。そこから自分を見つめ直して本当の夢を見つけ出し、自分の意志で再留学という道を切り開き、今までひたすら走り続けてきたそうです。

私の兄弟も自分の夢のために企業で10年以上働いて資金を貯め、不惑を過ぎてから退職し、猛勉強をしながら夢を追っています。

何歳になっても遅くないとまでは言い切れません。しかしながら、一番大切なのは本当にやりたい熱中できる何かを、時間がかかっても探し続けることだと思います。強い意志があれば、大人になってからでも、働き出してからでも間に合う可能性が十分にあると思います。
 

目標の設定

明確な目標を持ってそれを達成した人で、努力を怠った人はまずいないと思います。何かを達成するには、必死で努力しなければならない時期がいつか必ず来るでしょう。

その時、もし、目標とする夢が本当になりたいものではなかったり、自分の意志とは無関係に親などの他者が設定したものであると、努力を継続することが苦痛になってしまう可能性があります。

小林博士の場合にも、自分の意志ではなく周囲に勧められるがまま進学や留学を決めた時には、自分の進むべき道に迷い苦悩しています。

そして博士自身の意志で明確な目標設定ができた時、不思議と迷いが消えてあとは前に進むのみという心境になったのだそうです。

何度も立ちはだかる壁を乗り越えていくためには、自らの強い意志で設定した目標を持つことがとても大切だと感じました。
 

スランプ

学習曲線(努力曲線)
学習曲線(努力曲線)

 
これは学習曲線(努力曲線)と呼ばれており、努力量と成果の関係を概念として表した図で、努力しても成果が上がらず停滞状態が続く時期があることがわかります。この停滞期間をプラトーと言います。

小林博士も著書の中で、このように述べています。

・成長期と伸び悩みの時期の繰り返しだ
・努力を続けていると、そのうちまた大きく伸びる時期が絶対にやってくる

 
この事実を知っているか否かで、伸び悩み時期の不安も大きく変わってくると感じました。

また高い壁が立ちはだかった時に、それを乗り越えていくために、自分自身や自分の考えを信じる力が必要です。

根気強く努力し続け壁を乗り越えるためにも、目指す目標はワクワクするものであることも大切です。そうすればきっと、小林博士のように努力が苦労ではなく喜びに変わるのではないでしょうか。
 

人との繋がり

国立科学博物館デイノケイルス
国立科学博物館デイノケイルス

 
小林博士には『ファルコンズアイ』というニックネームがあるそうです。これはハヤブサの目のように化石を見逃さないという意味が込められています。

命がけの危険な発掘現場で、古生物学史上重要な発見を数多くしてきたことは、仮説を立てる高い能力や体力づくりを怠らずひたすらに歩いて探す根気強さも多いに関係していることでしょう。

しかし、著書を読んでそれだけではないと感じました。
小林博士がある番組で「あなたにとってプロフェッショナルとは?」と問われた時、こう答えたそうです。
 

『自分の未熟さを認識できる人、謙虚に他人の意見に耳を傾けることのできる人』
 

チームで行う発掘作業では人との繋がりが重要になってきます。実際に「一緒に研究をしないか」と声をかけられることも多いとのことで、小林博士の人となりを表す回答だと感じました。

中学の担任教師から理科クラブへ勧誘された時、高校生時代に博物館の先生から恐竜発掘プロジェクトに誘われた時、高校教師から県外大学への進学を勧められた時、博物館の先生にアメリカ留学を勧めてもらった時、その時点では小林博士にそれ程強く何かを求める気持ちは無かったようです。

それにも関わらず、人との出会いで人生が大きく動いて今に繋がっていきます。これは、単なる偶然や運ではなく、まっすぐ目標に向かっていく強さを内に秘めた人物だと相手が感じ取ったからではないかと思いました。

今の自分の行動や生きる姿勢が、将来の夢にどこかで繋がっていくのではないかと感じます。
 

まずは出来ることから

小林博士の学者への道のりを知り、夢の実現には情熱や自分を信じる力が大切だと感じました。ただ、現状すぐに何をすればよいのかわからない人もたくさんいるのではないでしょうか。我が子もその一人です。

そのような場合には、まず読書から始めてみるのがおすすめです。。

経験しなければわからない事がある一方で、本の世界では絶対に自分が経験しえないようなことを疑似体験できる素晴らしさがあると感じます。

読書も自分の財産になり、経験値となると思います。我が子の場合も、焦らずにできるところから将来の夢に繋がるヒントを探してみようと思っています。