ビーチコーミングで拾った貝殻を使い、子どもと手作りキャンドルを作りました。割れた貝殻の穴を別の貝を張り付けて隠したり、飾りをつけて生き物の形にしてみたり、貝殻で遊んでから作ります!
貝殻が無い方のための調達方法も記載しています。
実際に作ってみて、そして失敗してわかったこと。それは、安全に上手に作るにはコツがいるということです。
この記事では、安全且つ簡単で、後片付けもラクな作り方を、詳しくお伝えしたいと思います。
失敗例
まず、私の失敗例を4つをご紹介します。
全ての項目について、解決策を記載しますので安心してくださいね。
失敗その1:土台
土台はしっかり!貝殻は水平にすべし!
まず、これがとても重要なんです。
図1を見てください。ベースとなる貝殻を安定させるために、他の小さな貝殻(赤丸部)を下に接着しました。貝殻が安定するだけではなく、ベースの貝殻を水平にしてください!
私は、ベースの貝殻をきちんと水平にしていなかったので、青矢印のようにロウソクのろうを注いだ時にろうが流れ出してしまいました。
(ちなみに図1のように別の貝殻を使って土台を作るのは難しいのでお薦めしません。)
ベースの貝殻を水平にするためには、乾くと固まる粘土を使うと便利です。
土台のことは作り方の章で詳しく説明します。
失敗その2:芯を立てる時
芯は事前に準備、そして安定させるべし!
ろうを注ぐ前に芯を準備しておくと、あたふたせずに済みます。
芯の固定には、ヘアピンや割りばしを使いますが、貝殻の形状によっては不安定で動いてしまうことがあります。
私は、もうロウソクのろうを溶かし始めていたので、かなりあたふたしました・・・・・・。
そうならないためには、
- 土台作りの時点で、貝殻をしっかり水平にする。
- ロウソクの芯を事前に用意しておく。
- 貝殻に合ったサイズのヘアピンや割りばしを使う。(私は少しヘアピンが短すぎ苦労しました。)
- ろうを溶かし始める前に、芯をセッティングしておく。
- 貝殻選びの時点で、ヘアピンや割りばしが乗せやすい貝殻を選んでおく。
ことが大切だと感じました。
2のロウソクの芯は、ロウソクを一度溶かして芯だけを取り出し冷ましておく必要があります。数秒で冷めますので、この方法が基本です。
もし面倒であれば市販の芯を使うという方法もあります。インターネットで検索してみてください。
芯のセッティングについては、作り方の章で説明します。
失敗その3:ろうを溶かす時
ろうを溶かす時は必ず湯せんで!
ただし紙コップの使用は避けるべし!!
まず、ろうを溶かす時は直火やレンジは避けて、必ず湯せんで行います。
ただし、紙コップは絶対使わないでください!
私は紙コップで湯せんしたところ、コップに穴が開いて大惨事に・・・・・・。鍋も再起不能になりました。
お湯を入れた鍋に、ひと回り小さいボウルや小鍋をいれて、その中で溶かすのが一般的だと思いますが、ろうの後片付けが面倒ですよね。
どうやれば楽にできるか、検証してみましたので、詳細は作り方の章を見てください。
失敗その4:ろうを注ぐ時
ろうは、固まりやすい!手早く注ぐべし!
ろうは、冷めるとすぐに固まります。例えば私は、2色のろうを注いでグラデーションを作ろうとして失敗しました。
図2を見てください。水色のろうを注いだ後、紫を注ぎましたが、もうすでに水色が固まり始めていたため、二層のまだら模様になってしまいました。
はじめて作る時は1色から始めるのが無難です。
準備するもの
【必須材料】
- ベースとなる貝殻
※大きめで深さのあるものが作りやすい。
※スーパーで購入し、食べた後の貝殻でもOK。但し洗浄が必要。
- 土台を作る紙粘土や樹脂粘土等(今回は100均ダイソーの樹脂粘土を1個使用)
- 太すぎないろうそく(今回は100均ダイソーの3号ろうそくを数本使用)
※使用した3号ろうそくのサイズは直径1cm、長さ15cm。
- クレヨン(ろう着色用)
- ろうそく芯(今回は溶かしたろうそくから芯を取り出して使用)
- ヘアピンや割りばし(ろうそく芯を固定するのに使用):適量
- アルミ製の使い捨て皿(今回は100均ダイソー13.5cm×高さ4cmの皿を使用):色数と同じ枚数
※なければ小さめのボウルや小鍋で。アルミ皿があると、後片づけが楽になる。
【道具】
- はさみ
- ボンド ※速乾性のものだとなお良い。
- グルーガン(ホットボンド)※無くても作れます。
- カッター(ろうそくやクレヨンを削るため)
- 氷(火傷をした時のため)
- 軍手などの手袋
- アルミホイルなど ※ろうが垂れないように下に敷くものです。
【装飾例】
- 油性マジックやポスカなど
- ろうの上の装飾
※スパンコールや小粒の貝など小さくて燃えにくいもの。 - モール
- 樹脂粘土
- 動く目玉(100均のもの)
幼児から楽しめる貝殻工作
貝殻工作は、ボンドや瞬間接着剤よりもグルーガン(ホットボンド)という温めて溶かす接着剤を使用すると、作品の幅がとても広がります。
100円ショップにも売っており取り扱いも簡単です。しかし火傷に注意が必要です。心配な方は、作品の幅が狭まりますがボンドのみでできる工作にするか、安全対策を講じた上で親がグルーガンを扱うようにしてみてください。グルーガンの注意点などもお伝えしていきます。
グルーガンは、慣れればクリスマスリース作り・手芸・家の中の補修など、様々な用途に使えてとても便利な道具です。
貝殻工作例
グルーガンを使わない貝殻工作と、使った工作の3種類ご紹介します。
◆その1 グルーガンを使わない~塗るだけ!
特に幼児など小さなお子様の場合には、油性マジックやポスカで塗るだけというのが一番簡単です。側面にスパンコールなど燃えにくい小さなものをボンドで付けてもかわいいと思いますよ!
◆その2 グルーガンを使わない~蝶々
ビーチコーミングで拾った二枚貝を使って、蝶を工作してみました。
【貝殻がない時】
例えば、スーパーでハマグリを買って食べた後、歯ブラシなどで貝殻を綺麗に洗浄して使っても作れると思います。
2枚の貝は水平になるまで開いておきましょう。
貝殻を裏返して、図3のように乾くと固まる粘土(紙粘土や樹脂粘土など)を貼りつけ、2枚の貝殻が水平になるように土台を作ります。
今回はボンドを付けずに作りましたが、貝殻と粘土の接着が悪い時は点々と数か所ボンドを付けて押し当ててみてください。
2枚の貝殻が外れていても土台の上に乗せれば2枚並んで見えます。2枚の位置を調整してください。2枚の貝殻の隙間が空いてるときは、余った粘土を隙間に詰めておきましょう。
図4を見てください。
①
土台の粘土にモールを差し込み触角にしました。取れやすい時は差し込んだ後にボンドを少し付けて補強しましょう。
火が付くと困るので触覚はなるべく外側に伸ばしておくと安心です。尚、モールではなく針金を使えば、火もつかずにより安全です。(図4は少々短めでした。もう少し外へ!)
②
粘土で頭を作り土台か貝殻の上に接着します。ボンドを使ってもOKです。
③
ろうを注いだら、固まる前に飾りを乗せます。安全のために、燃えにくいものを芯に近すぎない位置に配置しましょう。
※貝殻キャンドルの作り方の章でろうの注ぎ方を説明します。
④
最後に中央に胴体となる小さな貝を、多めのボンドで付けました。ろうが固まってからでも大丈夫です。燃えにくいものなら、貝殻以外のものでも何でもOKです。
※貝殻キャンドルの作り方の章でろうの注ぎ方を説明します。
◆その3 グルーガンを使う~ヤドカリ?
ビーチコーミングで拾った大き目の巻貝を使ってヤドカリを作りました。
【貝殻がない時】
同じ貝殻が100均のダイソーにも売っていました。まずは100均から探してみてください。
もしサザエなどの食べた貝を使う場合には、洗浄をしっかり行う必要があります。巻貝は洗浄しにくく臭いが残りやすいので、綺麗に中身を取り除き洗った後、更に塩素系の漂白剤に漬け込んだ方がよいと思います。
巻貝の下に乾くと固まる粘土(紙粘土や樹脂粘土など)を貼り、貝殻が水平になるように土台を作りましょう。接着が悪い時は、点々と粘土に少量のボンドを付けて押し付けてください。
図5を見てください。
①
穴の開いた箇所を別の貝殻でふさぎました。薄くて軽い貝殻なので、ボンドで接着可能ですが、時間がかかります。
②
スパンコールを付けました。ボンドで十分接着可能です。
③
多めのボンドで一応接着可能でした。ただし不安定な場所への接着で、ボンドが乾くまでに時間もかかりますので、グルーガンで接着する方が確実です。
グルーガンの接着剤は熱に弱いので、ろうそくの芯の近くには接着しないでください。
④
動く目玉は、ボンドで接着可能です。
⑤
側面への接着は、ボンドでは難しいです。特に丸みを帯びた形の貝殻(今回はタカラガイ)は接着が難しいので、グルーガンを使って接着しましょう。
⑥
ポスカで着色しました。
グルーガンを使う場合の注意点
私は、100均ダイソーのグルーガンを使っています。確か200円商品だったと思います。
溶かして使うグルースティックは別売りで、透明や乳白色などなるべく透明に近い色を選ぶと、どんな色の作品にも合うと思います。透明に近い色は見つからない場合も多いので、探してみてくださいね。
はじめて使うなら、100均のもので十分ですが、やはりお値段なりで使いにくい点も多いです。デメリットをまとめておきますので、購入検討の際に参考にしてみてください。
【ダイソーのグルーガンのデメリット】
- コードが短いので、延長コードが必要。
- スイッチがないので、オンオフはコンセントの抜き差しで行う必要がある。
- 十分に温まるまでに数分の時間がかかる。(温まらないと接着強度がでない。)
- 十分に温まるとノズル先端から溶けた接着剤が漏れてくる。
- すぐに接着剤がなくなり、作成途中でスティックの補充が必要な場合が多い。
- 接着強度が弱い。80℃~90℃で溶ける低温タイプの為、比較的安全だが、その分接着強度が落ちる。
因みに私が一番困っているのは接着強度が弱い点です。
グルーガンは、簡単でとても便利ですが、火傷には注意が必要です!!
私はまだダイソーのグルーガンで火傷をしたことはありませんが、溶けた接着剤が手に付いて熱い!!となったことはあります。
溶けた接着剤よりもノズル先端部は更に熱くなりますので、火傷には十分に注意してください。
◆グルーガンを安全に使うために
- 念のため氷水を用意しておく。
もし手についてしまったら、まず氷水に浸しましょう。冷めてからそっと取れば接着剤がはがれる可能性が高いです。
ただし無理やり取ると皮膚を傷めますので優しく試してみて、無理な場合や火傷をした場合は、なるべく早く皮膚科に行ってくださいね。
- 手袋でガードする。
軍手などの手袋を使用すると安全です。なるべくジャストサイズを選びましょう。
- 太ももなども注意する。
短いズボンを履いていると、足に溶けた接着剤が垂れる可能性もあります。手だけではなく足も注意しましょう。長ズボンを履くか、きちんと机の上で作業すると安全です。
- 事前に練習をしておく。
事前に使い方を練習しておきましょう。数分あればできますよ!
- 大人が扱う。
子どもだけで扱わせると危険です。子どもは「ここにこの貝殻をこうやってつけて!」と指示だけ出して、大人が付けてあげると安心です。
◆今後も貝殻工作を楽しみたい方
貝殻は形状や表面の状態が様々で、重量もそれなりにあります。今後も貝殻工作を楽しみたい方は、グルーガンがあると作品の幅がグッと広がります。
お近くの100均で購入できなかった方は、口コミ評価の高い商品から選んでみてください。性能と価格の両面をとると1000円台くらいがよいかなと私は思います。
安全!後片づけがラク!貝殻キャンドルの作り方
貝殻キャンドルで面倒なのは、ろうの扱いだけ。溶かすこと、そして後始末の2点を簡単にすれば、とてもラクに作業ができると思います。
安全に、簡単に、そして片付けまでラクにという視点で、作り方の説明をしていきます。
1.芯を準備する。
まず、ろうそくを細かくします。今回使った3号ろうそくの場合には手で2本に折る程度で大丈夫です。なるべく刃物を使わなくてもよい様に、細めのろうそくを使いましょう。
もし太いろうそくの場合には、包丁や大きめのカッターで1cmくらいの長さにしておきましょう。ろうそくを包丁やカッターで切る場合には、牛乳パックを下に敷くと後片付けがラクです。固いので大人が行ってください。
細かくしたろうは、アルミ皿に入れてください。
フライパンに1cmほど、水又はお湯を入れて、アルミ皿を浮かべ、火にかけてください。
アルミホイルを用意しておき、ろうが溶けてきたら割りばしで芯を取り出し、なるべく真っすぐな状態でホイルに乗せて冷まします。1分もたたないうちにすぐ冷めると思います。
火を止めて、溶けたろうはそのままにしておきまましょう。
※我が家の28cmのフライパンには13.5cmのアルミ皿は2つ入りました。アルミ皿を変形させれば3つ入るかもしれません。ご参考までに。
2.芯を貝殻にセットする。
1で取り出した芯を、はさみで適当な長さに切って、ヘアピンや割っていない割りばしに挟んで、図6のように貝殻にセットします。
ろうは固まりやすいので、ろうを溶かす場所のそばに貝殻を置いておきましょう。可能なら台所がよいと思います。皿の上にアルミホイルを敷いて貝殻を乗せておくと、ロウがこぼれた時の後片付けもラクですよ。
ヘアピンなどの適当なものが家に無い場合は、セロテープを使う方法も考えてみました。図7を参照してください。ボンドが乾いたら、セロテープは中央をハサミで切って外しておきます。
3.ろうを着色して再加熱する。
1で加熱したアルミ皿に少量のクレヨンを削って入れます。量の目安は図8をご覧ください。
完全にろうがとけたら、軍手などをはめてアルミ皿を取り出してください。注ぎやすいように少し折り目を付けておきましょう。※私は素手でつかみましたができるだけ手袋をはめてくださいね。
4.貝殻に注ぐ。
とにかく手早く貝殻に注ぎましょう。
最後はアルミ皿を丸めて捨てれば、後片付けも楽ですよ。
完成品はこちら。
貝殻に二色のろうを流し込んで、スパンコール・小さな貝殻・垂れたろうのくずを飾りとして乗せただけでも、かわいいキャンドルができますよ!
万が一のこと~火傷や火の始末
子どもと楽しむため、安全のことを事前に考えておきましょう。
子どもは予想外のことを起こしますし、心配性すぎるくらいがちょうどよいかもしれません。
◆火傷について
以前、友人の子どもが我が家の石油ストーブに誤って触れ、ひどい火傷を負ってしまったことがありました。
その時、自身が皮膚科医でもある友人がとった行動は、とにかく氷で冷やし続けるということでした。どれくらいかというと、10分、30分ではありません。一晩中です。~時間という単位です。翌日朝一で薬を買いに行きました。(皆さんはなるべく早く皮膚科を受診してください。)
専門医曰く、火傷してすぐにきちんと冷やすかどうかで、火傷の程度が変わってくるのだそうです。
ろうは融解温度が100℃未満ですが、グルーガンのノズルは180℃近くまで上がる商品もあります。天ぷら油くらいの温度ですから、触れたらとても危ないですよね。
万が一火傷をしてしまった場合について、まとめておきます。
【火傷を負ってしまったら】
- ただちに氷水で冷やす。無ければ流水で冷やす。そして可能な限り長く冷やし続ける。
- 水につけられない部位は、氷嚢や布で包んだ保冷剤などを使う。
- 熱い接着剤がついた場合は、取れなければ無理にとらず、とにかくすぐ冷やす。
- 速やかに皮膚科を受診する。
- 夜間や休日ですぐに受診できない場合にも、受診まで冷やし続ける。
◆火の始末について
ろうを溶かす時、キャンドルに点灯する時、火の扱いには十分注意しましょう。
【火の取り扱いで注意すること】
- コンロのそばやキャンドルのそばに燃えやすいものを置かない。
- ろうを溶かす時、直火やレンジで溶かすことはせず、必ず湯せんで行う。
- キャンドルを点灯する時は、扇風機や窓からの風に注意する。
- キャンドルの火の始末をきちんと行う。
キャンドルは、大きめの皿の上などで点灯すると安心だと思います。ただし、水につけると土台の粘土が溶け出すかもしれないので、水に浮かべたりはしない方がよいでしょう。
まとめ
できるだけ詳しくお伝えしようと思って書いたため、とても長い文章になってしまいました。
でも安心してください。危ない所、難しい所は大人がやってあげると割り切れば、それ程難しくはないと思います。
失敗していても、自分で作ったキャンドルはやっぱり市販品とは違う温かみがあると感じました。「息子も毎日使ってもいいよ!」と言ったほどです。
皆さんも是非、楽しんでみてください!