【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方~原理も詳しく!

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方~原理も詳しく! 工作・科学工作

 

水を入れたペットボトルの中に、お弁当などに使うお魚の形の醤油入れを浮かべ、浮かんだり沈んだりさせる『浮沈子ふちんし』という科学工作をご紹介します。

油性ペンやシールで装飾すれば、水族館の水槽のようなオリジナル作品を作ることもできます!
 

『浮沈子』という単純で面白い科学工作の中に、「浮力とは何か?」「圧力変化は水の中をどのように伝わるか?」などの物理学の原理がかくれています。

ついつい何度も浮き沈みさせてしまう楽しい遊びを通して、科学に興味を持つきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。
 

この記事では、『浮沈子』の作り方や浮き沈みする原理を詳しくお伝えします。
 

『浮沈子』の材料・準備するもの

【材料】

  • 魚形の醤油入れ
    ※百均で購入可能。
  • ナットM6サイズ
    ※百均で購入可能。
  • ペットボトル
    ※炭酸など、側面に凹凸の少ない円形のペットボトルが使いやすい。
    ※すぐにつぶれてしまう強度の低いペットボトルは不向き。

 

【その他準備するもの】

  • コップ(浮力調節用)
  • 油性マジック(装飾用)
    ※必要に応じて。
  • 底に沈める飾り(装飾用)
    ※必要に応じて、水槽用の化粧砂など水に沈むものをお好みで。
  • シールなどの装飾品(装飾用)
    必要に応じて。紙製ははがれやすいので、ある程度耐水性のあるものを。
  • ラメ(水着色用)
    必要に応じて。ネイル用など百均でも購入可能。但し、手や周囲がかなり汚れるので、小さい子供には不向き。
  • 絵具(水着色用)
    必要に応じて。入れすぎると見にくいのでほんの少量でOK。白が入った例えばピンクなどの色はにごりやすいので、原色がお薦め。無着色でも十分に楽しめます。

 

スポンサーリンク

 

『浮沈子』の作り方

1.醤油入れに色をつける。

油性マジックで魚の醤油入れに色をつけると、より魚らしく見えます。醤油入れのふたは取り、代わりにナットをはめておきましょう。
 

2.ペットボトルを装飾する。

お好みでペットボトルの側面を装飾しましょう。
 

油性マジックで絵を描いたり、シールを貼ったりすることができますが、装飾しすぎると中身が観察しにくくなりますので、程々にとどめておきましょう。

 

3.中に水や装飾品を入れる。

ペットボトルの8分目くらいまで水を入れましょう。
※あまり多すぎると上手く浮き沈みしませんでした。

お好みで、絵具をほんの少し入れて水を着色することもできます。ラメを入れてもOKです。
 

また、ペットボトルの中に飾り砂や貝殻など、水に沈む飾りを入れることも可能です。
※軽いビーズなどは浮いてしまいます。
 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方

 

我が子は、水を少し黄色にして、貝殻や大き目のビーズを沈めたそうです。

 

4.醤油入れに水を入れる。

コップにいっぱい水を入れておきます。

醤油入れを押しつぶして、コップの水を吸い取ります。まずは、醤油入れの半分程度を目安に入れてみてください。
 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方

 

中に入れる水の量は、下図のように醤油入れを、水を入れたコップに浮かべて確認します。
 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方~浮力の調整

 

何度も試したところ、醤油入れの魚の尾ひれの先が、ちょうど水面に来るぐらいが理想でした。

 
水の量の調整が終わったら、醤油入れをペットボトルの中に入れましょう。
 

【参考】

水面から尾ひれが出過ぎると沈みにくいです。
 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方

 
もしも、どうしてもペットボトルから醤油入れを出したい時には、お箸を使いましょう。
※ちょっと難しいので、大人の手助けが必要かもしれません。
 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方

 

スポンサーリンク

 

『浮沈子』の遊び方

遊び方は、とても簡単!

指でペットボトルの側面をつぶすと、魚の醤油入れが沈んでいきます。力を緩めれば、浮かびます。
 

力加減を調節すれば、中間点で止めておくこともできますよ!

単純なのに不思議で何度も繰り返してしまうおもしろ科学工作です。

 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の遊び方

 

『浮沈子』の原理

『浮沈子』の原理を知るためには、

  • アルキメデスの原理
  • パスカルの原理

という2つの物理学の原理について学ぶ必要があります。
 

アルキメデスの原理

流体(液体や気体)の中に物体を浸すと、押しのけられた流体の重量と等しい大きさの上向きの力を受けます。これを浮力と言います。
 

パスカルの原理

密閉された流体に圧力を加えると、その圧力変化は流体の全ての方向へ減少することなく伝わります。
 
 

ここで、『浮沈子』に話を戻します。

 

浮沈子の側面をつぶすと、ペットボトル内の水に一様に圧力が伝わります。空気は縮みやすいのに対して、水はほとんど縮まないため、魚の醤油入れの中の空気だけが縮むというわけです。

これは、パスカルの原理ですね。
 

そして、次はアルキメデスの原理を考えます。

醤油入れの中の空気が縮む

押しのけられた水の体積が減る

つまり、押しのけられた水の重量が減る

醤油入れが受ける浮力が減る

醤油入れが沈む


これが、『浮沈子』の原理です。

目をこらして見ると、ちゃんと魚の醤油入れの中の空気の体積が変わる様子が観察できますよ!

 

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の作り方~原理も詳しく!

【科学工作】浮き沈みするお魚『浮沈子』の原理

 

科学に興味を持つきっかけにもなると思いますので、是非工作して遊んでみてください!

 

【科学まんが】科学の楽しさを教えてくれる『科学まんが』~小学生息子のお薦めシリーズ
私には、理科が大好きな小学生の息子がいます。 息子に国語や算数を教えたことはありますが、理科を教えたことは殆どありません。自分も科学が好きなので、楽しささえ伝えればきっと自分から興味を持つだろうと思ったからだと思います。 これまでに家での簡...