小学4年生の算数で習う『割り算・筆算』のやり方を詳しく解説します。
『先取り学習をしたいお子様』や『算数が苦手なお子様』を対象にして、丸暗記だけではなく、「なぜだろう?」と子供が自分の頭で計算の意味を考えられるように工夫しました。
全3回に分けて更新します。
今回の第③弾は、『3桁÷2桁(余りなし)の割り算・筆算のやり方』についてお伝えしていきます。
また、学習定着の為にお薦めの『ドリル』や『通信教材』を記載しました。(全て実際に試した教材です。)
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割り算・筆算の予備知識①~割り算の意味を考えてみよう!
まず、51÷3=17を例に、
筆算の書き方の解答から見てみましょう!
詳しいやり方は、あとから説明しますので、今は見るだけで大丈夫です!
51を⇒わられる数、
3を⇒わる数、
17を⇒商、
最後の数字を⇒あまり(0の場合には、あまり無しの意味)
と言います。
(※この記事では、あまり有りの筆算は扱いません。)
51÷3とは、
51を3ずつに分けた時、何等分(まで)分けられるか?
↓ 言い換えると・・・
51の中に3が何こ入るか?
と考えることができます。
51の中には、3が17こぴったり入ります。
(足し算で確かめてみてくださいね。)
だから、51を『かけ算』で表すこともできます。
51=3×17
また、次のように分けることもできるのです!
51=3×10+3×7
ここで、もう一度、筆算を見てみましょう!
51=3×17
=3×10+3×7
=3×(十の位の商1)×10 + 3×(一の位の商7)×1
だから、筆算の意味はこうなります。
割り算・筆算の予備知識②~筆算は一体何をしてるの?
51÷3とは、51の中に3が何こ入るかであると前の章で説明しました。
でも、ぱっと見ただけでは何こ入るかなんてわからないな・・・。
そう、そんな時活躍するのが、筆算なのです!!
筆算は、位ごとに3が何こ入るのか見ていくことで、計算しやすくしてくれる便利な計算法です。
だから、慣れるまでちょっと時間がかかるかもしれないけれど、筆算と仲良くなっておきましょう!!
ところで、『位ごと』とは何か?
51÷3を例に説明します。
割られる数51の中に3がいくつ入るか考えるのは計算が大変なので、『3を10こで一かたまり』と考えて、30が何こ入るか考えられたら、少し計算が楽になりますよね?
でも、なぜ10こで一かたまりと考えるのかな?
それは、割られる数51が2桁の数字だからです。
筆算では位ごとに考えるので、まず割られる数の一番左の位から見ていきますよ。
どういう意味かと言うと・・・
51は50と1に分けられますよね。
十の位
50の中に30がいくつ入るか?を見ていきます。
30が1こで30
30が2こで60
50は30より大きく60より小さいので、1こまでしか入らないとすぐ計算できますね。
10こで1かたまりで考えたら、計算が楽だね。
一の位
さっき十の位の計算で50の中に30が1こ入るとわかりましたね。
でも、残り20の中にはまだ3が入りそうだな・・・。
そうなんです。10こで一かたまり、つまり『30』だともう入らない。
↓でも
『3』なら入るかもしれない。
だから、残りの20についても3が何こ入るか見ないといけないですよね。
そんな時は、十の位の残りと一の位の数『1』をまとめてから、3が何こ入るか見てみればいいのです。
分かりやすいように図にしてみますね。
つまり、一の位では上の図の『21』について、3が何こ入るか見ていくんですよ。
3×7=21 だから、3が7こ入るね。
九九だから、計算が楽にできたよ!
このようにして、割られる数51の中に割る数3が何こ入るかを位ごとに見ていくのが、割り算・筆算の考え方です。
次の章からは、いよいよ筆算の実際のやり方について説明します!
【具体的なやり方step①】割り算・筆算~百の位
416÷16を例に説明します。
416÷16は筆算だと、このように書き始めますよ!
まず、割られる数の一番左の位から考えていきましょう!
百の位だから、割られる数416のうち400の部分だけを考えていきます。
ちょっとだけ、回り道をして考えてみよう!
『割られる数400』の中に『割る数16が100こ一かたまり』で何こ入るか?
↓ つまり・・・
400の中に1600が何こ入るか?
↓
400の中に1600が何こ入るか?の答えと、
4の中に16が何こ入るかの答えは同じだよね?
考え方は、第①弾(割り算・筆算・2桁÷1桁)の時と同じですね。
だから、筆算のやり方を覚える時は、いきなり次のように考えてしまいますよ!
4の中に16は入りませんね。
だから、百の位の商は0になりますが、一番左の位の0は書かないので百の位の商はないと考えます。
つまり「百の位は何も書かなくてOK!」ということなのです。
ここまでを、筆算に表すと次のようになります。
【具体的なやり方step②】割り算・筆算~十の位
次は、十の位を見ていきます。
step①で百の位の400については、まだ計算していませんでしたね。
だから、step②では、百の位の400と十の位の10を一緒に見ていく必要があります。
ちょっとだけ、回り道をして考えてみよう!
『割られる数410』の中に『割る数16が10こ一かたまり』で何こ入るか?
↓ つまり・・・
410の中に160が何こ入るか?
↓
410の中に160が何こ入るか?の答えと、
41の中に16が何こ入るかの答えは同じだよね?
だから、筆算のやり方を覚える時は、いきなり次のように考えてしまいますよ!
41の中に16を2こ入れると・・・
41-32=9 だから、残りは9こになります。
つまり41の中には16が2こだけ入るということになります。
↓だから・・・
この『2』が十の位の商になります。
これを筆算で表すとこのようになりますよ。
点線でかこまれた十の位の計算で使う数字は、×10された数字という意味なんだね!
十の位の筆算のやり方を続けます。
のこり『9』の中にもう割る数『16』は入りませんね。
入らなくなってしまったら、『割られる数の右となりの位の数字の出番』です!
どういう意味かと言うと・・・
実は、今こんなことをしています!
余裕があったら、計算の意味も考えてみてくださいね!
残りの『96』の中にも、『16』が何こ入るか調べておかないといけないね。
step③へ
【具体的なやり方step③】割り算・筆算~一の位
次は、一の位を見ていきます。
残り『96』の中に、わる数『16』が何こ入るか考えます。
↓
16×6=96だから、
96-96=0で、『16』が6こぴったり入ります!
↓だから、
一の位の商は、『6』になりますよ。
筆算で書くと、こうなります。
一の位の残りが『0』なので、『あまりなし』となります。だから、
416÷16=26 となりますね。
結局、416の中には、16が、26こ ぴったり入ったんだね。
実際試してみた【お薦めの教材】
実際に我が家で試した教材を3つ、ご紹介いたします。
【ドリルを兼ねた参考書】~これ以上わかりやすい教材はなかなか無い気がします
一番にご紹介したいのが、西村則康著「つまずきをなくす算数計算[わり算・小数・分数]小4」(実務教育出版)です。
お世辞抜きに、「これ程わかりやすい教材はないのではないか?」と思うくらいわかりやすいです。大判(A4サイズ)で厚さが1cm程あるので、とても見やすく読み書きが苦手な子供にもお薦めです。
私はわかりやすさにとても感動したのですが、残念なことにこの本を置いてない書店や、棚の上の方の手の届きにくいところに並べられている書店もありました。
一度手に取れば、この本が大判である意味がわかると思いますよ。
算数が苦手な子供でも一人で取り組める、ミスをしない方法を身に着けることをとことん追求している本だと思います。
筆算が上下に長いものになると、数字を上下でそろえるのが不安定になり、右や左にずれたりして計算の正答率が急に下がるお子さんも多くなります。筆算を書き慣れてくる年齢だからこそ、改めてきちんと書く、ということを徹底したい学年なのです。
引用:西村則康著「つまずきをなくす算数計算[わり算・小数・分数]小4改定版」(実務教育出版)
我が子は手先が不器用なので、位をそろえて書くことがそもそもとても難しいのです。
大きな文字、且つマス目がついた計算欄になっている点が、非常に使いやすかったです。
筆算の数字をそろえてきれいに書く練習にもなると思います。
【通信教材その①】~丸暗記ではなく考えるくせをつけたい子供にお薦め
この記事では、筆算のやり方を説明する時に「計算の意味」も考えられるように工夫しました。
このように、丸暗記に頼らずに計算の意味をしっかり考えたいと思っているお子様にお薦めなのが、オンライン教材『玉井式・数の極』です。
例えば、
- 割り算とかけ算の関係性を考える
例)52÷3=17…1 ⇒ 52=3×17+1
- 計算を工夫して暗算を早くする方法
など、
数の扱いが自然と得意になる教材だと感じました。
今後中学受験を視野に入れているお子様にもお薦めです。
990円のテキスト代のみで、1か月体験をすることが可能です。
テキストは本科生が使っているものと全く同じもので、無学年式なので自分にあった学年相当のものを選択できます。1冊におよそ1学年分の単元が含まれています。
しかも、体験後はそのままテキスト(解答付)が手元に残るので、ドリルとしても活用できますよ。
体験の手順や感想は、以下の記事を参考になさってください。
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ただし、現時点で算数に苦手意識のあるお子様には向いていないかもしれません。
【通信教材その②】~丁寧な解説で子供に寄り添ってくれる教材~算数が苦手な子供にもお薦め
「勉強がわかるようになる楽しさ」を最優先したい方にお薦めなのが、オンライン教材『すらら』です。
音声とキャラクターによる丁寧でゆっくりな説明が特徴なので、算数に苦手意識のあるお子様でも安心して取り組めると思います。
無学年式で且つ説明が丁寧なので、先取り学習としても活用できます。
メールアドレスの入力だけですぐに無料体験が開始でき、体験中もメルマガが来るだけなので、気楽な気持ちで誰でも体験できます。
無料体験の手順や感想は、以下の記事を参考になさってください。
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ただし、説明が丁寧で繰り返しゆっくりと教えてくれるので、それを有難いと感じるか、もっとサクサク進みたいと感じるか好みが分かれるかもしれないと感じました。