【小学生・高学年・読書感想文】『海の生き物』好きにお薦めの本!~将来を考えるきっかけに

【小学生・高学年・読書感想文】『海の生き物』好きにお薦めの本!~将来を考えるきっかけに ◆学習(小学~)

子供達が『将来を考えるきっかけになる本』を数冊ご紹介します。

今回ご紹介する本たちは、生き物好きでなくても楽しめますが、『海の生き物』が好きな子供ならば、より共感できる本だと思います。
 

大人になってからでも読書はできます。
でも、できることならば子供のうちにたくさん本を読んでほしいですよね。
その読書が、将来生きる道を変えるきっかけになるかもしれません。
 

 

今回お薦めする本の中から、子供達へのメッセージを1つご紹介します。
TVでも大活躍のさかなクンの言葉です。
 

外には楽しいことがたくさんあるのに、もったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。

引用:一魚一会 まいにち夢中な人生!(講談社)

 
子供の頃、夢中になった経験が、将来子供達の糧になることを願っています。
 

『さかなクン』の自叙伝~子供達へのメッセージも

◆さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~

今やTVの世界でも魚研究の分野でも大活躍の『さかなクン』。彼の幼少期から今に至るまでのエピソードが満載の本です。しかも、貴重な子供時代の写真や、さかなクンのイラストもたくさん掲載されています。

まさにサブタイトルの「毎日夢中な人生!」という言葉がぴったりのさかなクンですが、ただ好きなことだけやっていたら成功しましたという単純なお話ではありません。

理想と現実とのギャップ、夢に迷う時代、失敗もたくさん・・・。
 
それでも「毎日夢中な人生!」を歩んでこられたのは、さかなクンの並々ならぬ魚愛や周囲の方への感謝の気持ち、誰かのために懸命に生きようとする純粋さがあってこそだと思いました。

これから大人になっていく子供達へさかなクンからの温かいメッセージも込められた本だと感じます。

小学生の息子が読みながら実際に言った言葉です。
 

さかなクン、いい人!
さかなクンのお母さん、優しい!
さかなクンの魚の絵、かわいすぎ!

 
そして、もう一つの魅力が、さかなクンのお母様のとてもユニークで愛情深い子育てについて知ることができる点だと思います。
 

対象年齢:小学校・高学年くらいから
ページ数:276ページ(全ふりがな付き)

※ページ数は多めですが、1つのエピソードが1~2ページ程度で短いため、小学生でも楽しく読めると思います。

 

この本を原作とした『さかなのこ』という映画もありますよ!
 

【感想】

  • なぜ「ハコフグ」の帽子にしたのかというエピソードを読んで、さかなクンにぴったりの魚だと思った。 
     
  • 広い世界へ目を向けることや、夢中になれるものがあると心な支えになることなど、これから大人になっていく子供へのメッセージが込められた本だと感じた。
     
  • 「子供の好奇心の芽をどうやって育てるのか」という点において、親としても非常に参考になった。真似はできないまでも、子育てに悩んだ時に「さかなクンのお母様なら、こんな時どうするだろう」と考えてみると、何かしらの気付きが得られそうな気がする。
     
  • 今や人気者となったさかなクンが、今の姿になるまでには、常に周囲の方々の協力があったのだと思う。そしてそれは、周囲から愛されるだけの素直さ・感謝する心・信念・情熱・謙虚さをさかなクンが持っていたからなのだと感じ、親子共々ますますさかなクンのファンになった。

 

ノンフィクション~海の生き物の海獣に魅せられて

◆わたしはイルカのお医者さん ―海獣ドクター奮闘紀―

現在シャチがいる水族館は日本に2か所だけ。そのうちの一つ千葉県の鴨川シーワールドで実際に勤務した獣医さんの奮闘記です。

作者で獣医の勝俣悦子さんは、私が産まれるより前に鴨川シーワールドに入社している人生の大先輩ですが、学生時代、就職、手探りの新米獣医時代、海の生き物達との日々、結婚や出産に至るまで、一人の女性としての生き様が楽しく描かれています。とてもパワフルで情熱的な方でした!

自分の夢がわからず迷っている子供達にもお薦めです。

しかも、普段は目にできない水族館の知られざる裏側の仕事もたくさん知ることができますよ。
  

対象年齢:小学校・高学年くらいから
ページ数:193ページ(一部ふりがな付き)

※文字数が多めなので、普段読書に親しんでないお子様は、中学生になってから読むとよいかもしれません。特に動物に携わる仕事に興味のある方にお薦めの本です。

この本を読んでから水族館に行けば、また違った世界が見えてくると思います。

 

 

【感想】

  • 本当に好きなことは、例え不安があったとしても誰にも止められないのだろうと感じた。好きなことに出会うこと、出会ったら体当たりで熱中し続けること、失敗も未来の糧になって蓄積されていくこと、そんなことを子供達に感じてほしいなと思った。
     
  • 海の生き物、特にイルカなどの海獣は、人間とここまで心を通わせることができるものなのかと驚き、そして感動した。やはり同じ哺乳類として何か共通点がある気がする。
    「海獣たちってこんなにも豊かな感情を持っていたのだ」と知るきっかっけにもなる本だと思う。
     
  • 大学で学んだ獣医の知識はあくまでも基礎知識で、病気の治療から繁殖まで飼育を軌道にのせるには、実際の現場で試行錯誤しながら地道に経験を積んでいくしかないのだと頭が下がる思いだった。海の生き物への愛情や仕事への情熱が無ければとても勤まらない仕事だろうと思った。でもそれは、作者にとって苦悩ではなく人生そのもので喜びでもあるのだろうと思う。
     
  • 生と死はワンセットだから生き物の死に感傷的になるべきではないのかもしれない。でも、ここまで感情豊かな海獣達と濃密な時間を過ごしていると、別れはとても辛いものなのだろうと想像でき、生き物に携わる仕事の重みを感じた。

 

実話をもとにした小説

◆長浜高校水族館部!

愛媛県立長浜高等学校に実在する水族館部は、海の生き物を飼育したり、繁殖や研究をしたり、地元の方々に定期的に一般公開したりするとても珍しい部活です。
高校生達の日々の活動は、TVにも取り上げられたことがある程です。

この長浜高校・水族館部を「若おかみは小学生!」で有名な作者の令丈ヒロ子さんが綿密に取材を行い、実話をベースに高校生達の情熱を小説化した作品です。
 

対象年齢:小学校・高学年くらいから
ページ数:180ページ(ふりがな付き)

 

 

【感想】

  • コンテストに挑んで賞を受賞したり企業と共同で商品開発をする実話が、小説の中にも描かれており、高校生の情熱とさながら大学の研究室のような専門的な内容に非常に驚かされた。
    生徒自らが高い意識を持って目標に向かっている姿は、大人が読んでいても勇気づけられるものであった。
     
  • 研究が得意な人もいれば、広報的な役割の人もいる。部活に打ち込む人もいれば去る人もいる。そういう人間模様も描いていて小説としてもおもしろかった。
      
  • メダカのような一般的な淡水魚ですら健康に育てることが難しいと知っている私達親子にとって、海水魚を飼育するだけでもすごいことだと感じたし、その上研究や繁殖など高度な内容も自分達で考えて行っていることに感心した。
    苦難の中でも諦めず挑戦をしていく姿は、とてもすがすがしいと思った。
     
  • 顧問の先生を始め、地域の方々に支えられ、愛されている水族館部なのだと思った。

 

海の生き物が大好きな小学生の息子は、「僕、この高校行きたい!!」と興奮していました。
息子にも、こんな高校生活を送ってほしいなと感じる本でした。

 

【生き物好きにお薦めの本】獣医を目指す子供にも!~『珍獣ドクターのドタバタ診察日記』
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