植物に含まれるアントシアニンという紫色の色素を利用して、科学実験でお馴染みの『リトマス紙』を手作りし、色々な溶液の液性を調べる科学実験をご紹介します。
身近にあるものを利用して、自由研究にしてみるのもお薦めです。
リトマス紙の作り方
準備するもの
【リトマス紙作りに必要なもの】
- 色素の素になる紫色の植物
例)朝顔・ブルーベリー・紫キャベツなど
- 色素を抽出するための道具
使う植物によって異なるので、次章の抽出方法を参照
- コーヒーフィルター
今回は百均のものを使用
色素(アントシアニン)の抽出方法のあれこれ
この記事では、
- ブラックベリー(またはブルーベリーなどの果実)
- 朝顔
- 紫キャベツ
を例として、色素抽出方法をご紹介します。
◆ブラック-ベリー(またはブルーベリーなどの果実)
果実はスプーンの背などでつぶします。
あとは、少量の水を加えて上澄み液を使えばOKです。
もし、果汁(果肉)を使うのが勿体ないなと感じたら次のようにしてみてください。
【果汁(果肉)を実験に使うのは勿体ないと感じたら・・・】
ザルで種や皮を少しこして、果汁(果肉)は食べてください。ザルに残った種や皮に少量の水を加えて、上澄み液を科学実験に使いましょう。
◆朝顔
朝咲いてしぼんだ花をビニール袋に入れ、少量の水を加えます。水がこぼれないように注意しながら、朝顔の花をビニールの上からよくもんで色素を抽出しましょう。
◆紫キャベツ
2~3cmに切った後、冷凍庫で一度凍らせましょう。ビニールに適量の水と冷凍した紫キャベツを入れて、ビニールの上からよくもんで色素を抽出しましょう。
※火にかけて水煮することにより、抽出することもできます。
紙に吸わせる方法
今回は百均で買ったコーヒーフィルターを細長く切って使いました。
あとは、お皿の上で乾燥させましょう。
科学実験の様子
アントシアニン(色素)の性質
植物に含まれるアントシアニンという紫色の色素は、ポリフェノールの一種で、有害な光から植物が身を守るために作られるものだそうです。
このアントシアニンは、酸性だと赤系に、アルカリ性だと青系に変化する性質があります。
今回は、アントシアニンのこの性質を利用して、身近にあるものの水素イオン濃度pH(ペーハー)を調べていきます。
科学実験の方法
今回実験してみるものは、
- 土
- お酢
- 重曹
です。
土は、少量の水を混ぜて泥水にした後、ペットボトルを切って漏斗にしたものとコーヒーフィルターでろ過しました。
重曹水は、お湯に重曹を溶かしました。
水(水道水)は比較用として用意しました。
作ったリトマス紙を、それぞれの溶液にチョンとつけます。結果は次の通りです。
①②:ほとんど変化なし ⇒酸性
③:ピンク色に変化 ⇒酸性
④:青紫色に変化 ⇒アルカリ性
土は、庭のアジサイの根元から採取したものです。
買った当初は青かった花も、数年たった今では青でも赤でもない微妙な色のアジサイになっていました。
土が中性に近いことが原因だったのかなと、今回の実験を通して感じました。
尚、酸性の場合、リトマス紙が乾くと色の変化がわかりにかったので、溶液に浸してすぐに判定した方が良いと思います。
自由研究のヒント
◆自由研究ヒント①~アントシアニンを含む植物を探そう!
アントシアニンを含む植物は、野菜や果物など、意外と身近に存在しています。紫色を手がかりにして探し、色素を抽出できれば、お酢や重曹を入れることで簡単に確認ができます。是非自由研究としても楽しんでみてください。
◆自由研究ヒント②~色々なもののpH調べよう!
例えば、今回の実験をしている時に次のようなことがありました。
湿ったリトマス紙を新聞紙の上で乾かしていたら、色が変わってきたよ!
新聞紙のインクに反応しているようです。
他にも色々な溶液の水素イオン濃度pH(ペーハー)を調べてみるのも自由研究になると思いますよ!
例えば、濡れた固形石鹸にリトマス紙をつけただけでこんな感じになりますよ!