2021年5月、アメリカ東部で17年に一度しか現れない周期ゼミの羽化が始まりました。
いつも親子で読んでいる読売KODOMO新聞によると、首都ワシントンとその周辺15州にかけて、6月末までに最大で数兆匹の羽化が予想されているそうです!!何とも凄い数!
17年間土の中で幼虫時代を過ごし、一斉に外に出て子孫を残すという不思議な生態の謎や、その謎を解き明かした日本人についてご紹介します。
現地では
1~2か月の間に数兆匹が羽化する(成虫になる)とは、一体どのくらい凄いのか想像もできませんよね。
木がセミで埋め尽くされ、歩く人にバチバチ当たってしまうくらいだそうです。そんな話を聞くと、現地の人はさぞ困っているだろうなと感じてしまうのですが、実は鳴き声を楽しむ野外コンサートが予定されていたり、セミ柄やセミ型の関連グッズも販売されるほどだそうです。
さすがアメリカ人!楽しんでいますね。
周期の謎を解明したのは、なんと日本人!
17年ゼミは4種類が知られていますが、なぜこんな長い周期なのか?なぜ17年という中途半端な数字なのかは長年の謎でした。
それを解き明かしたのは、実は「吉村仁さん」という日本の生物学者なのです。
吉村さんは、修士論文で落第してしまっても生物学者を諦めずに渡米して、この世紀の大発見をしています。吉村さんの夢に向かう情熱や自分を信じる心は、子育てをしている親としてとても参考になりました。
興味のある方は、吉村さんの記事も是非ご覧ください。
周期と数学の関係
実は17年ゼミの周期は、「素数」と関係しています。それゆえ素数ゼミとも呼ばれています。
素数とは、1とその数以外では割り切れない数のことを言います。
2、3、5、7、11、13、17、19・・・ と続きます。
次の図のように素数をずっとずっと長く並べてみると、17年の周期は他の周期と重なりにくいことがわかってきます。
周期が他のセミと重ならないということは、同種の17年ゼミ同士で子孫を残せるというメリットがあるのです。進化の過程で獲得した生き残りをかけた素晴らしい戦略ですよね。
※アメリカには13年周期で発生する13年ゼミもいます。
17年ゼミの詳しい話は、吉村仁さんが書いた『素数ゼミの謎』に詳しく書かれています。小学校の高学年向けだと思いますが、挿絵もきれいで読みやすいです。読書好きの子であれば4年生くらいから読めるかもしれません。説明文を読む練習にもなる本だと思いますよ。
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おまけのお話
最後に、ちょっと驚くおまけのお話です。
アメリカでは、17年ゼミの形を模したお菓子ではなく、本物の17年ゼミにチョコをかけるなどして食べることもあるそうです!?
どんな味なのか?
吉村仁さん曰く、エビみたいな味だそうです・・・・・・。
食料不足として注目が集まる昆虫食。勇気のある方は、いつか是非!?