漢字が苦手な小学3年生の我が子は、同じ漢字を何度も間違えます。
書き取り練習も腕が疲れてしまい大の苦手です。
我が子と同じように、どうしても漢字を覚えられない子供達の為に、
- 成り立ちや字のイメージから、漢字の形を覚える。
- 使い方・使い分けを意味から考える。
など、漢字の覚え方の具体例をまとめました。
漢字辞典もフル活用しますので、漢字辞典を引く習慣づけにもなると思います。
この記事に掲載されている対象漢字は、我が子がなかなか覚えられない主に小学3年生の漢字です。
イラストを使うなど、できる限りわかりやすく、楽しくなるように工夫しました。
覚えられない漢字は子供一人一人異なると思いますので、この記事の具体例を参考にしながらオリジナルの覚え方を考えてみてください。
子供の観察~よく間違う漢字は?なぜ間違う?
漢字が本当に苦手な我が子は、20回教えても30回教えても翌日には忘れてしまうことがよくあります。もう覚えたと安心していた漢字でも、数日経つと忘れ振り出しに戻ってしまうこともよくあります。
そういう時、一番困るのは子供本人ですが、親もやっぱり心配になりますよね。
小学1年生の頃はとても心配しましたが、一つ一つ心配していたら親の身が持たないことに最近気が付きました。心配するよりも、どうしたら覚えられるか考える方が近道かもしれません。
私のように、この子は漢字が苦手なのだと受け入れると少し気が楽になるかもしれませんよ。
そして、中でも特に大切だと感じたことは、『苦手の中の苦手』を見つけることです。
子供をよくよく観察してみると、何度も繰り返せばゆっくりと覚えていける漢字もあるのです。
その一方で、何度教えても間違えてしまったり、せっかく覚えてもすぐに忘れてしまう漢字もありました。まさに「苦手の王様」みたいな漢字が存在するようです。
我が子の場合、どうしても覚えられない漢字は『記憶に留めておくための手がかりが頭の中にない』のではと感じました。だから覚えられないのでしょう。
だからこそ、子供をよくよく観察をして、「なぜ間違えるのだろう?」と考えてみることが大切だと思いました。
イラストも使いながら記憶の手がかりを一つずつ増やしてあげる覚え方は、時間がかかります。子供一人では辛い作業かもしれません。
それでも、ひたすら書き取りをするより効果があると感じています。
1つの漢字にじっくり向き合った時間が、エピソード記憶として新たな記憶の手がかりにもなると思います。せっかくなので、苦労した時間も親子で楽しんでみてくださいね。
それに、成り立ちなどを知ると大人も結構楽しめますよ!
辞典の準備~使いやすい辞典を選ぼう!
今回は『国語辞典』と『漢字辞典』を使用しました。
国語辞典は手持ちのものでよいと思います。わからない言葉があれば調べてください。
漢字辞典は、何度も引きますので使いやすさがとても重要でした。できるだけ小学生向きの引きやすい辞典を選んでみてください。
小学1、2年生の頃は、1学年分の漢字だけが掲載されたマンガ漢字辞典なども有効だと思います。
ただし、小学3年生頃になると似ている漢字も増えてきますので、小学校時代ずっと使える漢字辞典を一冊持っていた方がよいと思います。
とても使いやすくて是非お薦めしたい漢字辞典は、『小学生のための漢字をおぼえる辞典』(旺文社)です。
この漢字辞典は、その名の通り漢字をおぼえる辞典です。
オールカラーなのに、全く気が散らないのには理由があります。
- 学年別に色分けされている
- 1つの漢字にイラストが1つだけ
- 絵本作家・五味太郎さんの色使い
各ページは、このようになっています。
五味太郎さんをご存じでしょうか?
幼児期に『きんぎょがにげた』などの絵本で親しんだお子様もいると思います。
とてもユニークな方で私は大好きなのですが、五味さんは旺文社の漢字をおぼえる辞典のサイトに次のような言葉を寄せています。
字は生き物だと思う。
引用:旺文社・漢字をおぼえる辞典のサイトより
字は固定しない、動いてしまうもの。
その生き物・動くものを、五味太郎がこういう方法でつかまえた。
それをたのしんでほしい。
改めて1000個を超えるイラストを一つ一つ見てみると、五味さんがよくよく考えて書いたのだろうなと推測できました。
例えば『宣』は、私にはこのように見えました。
僕には全然そう見えないけど・・・。そもそも「うかんむり」はかみの毛じゃないし。
一人一人とらえ方が違うのが、また面白いところだと思いました。
あなたなりの方法で漢字をつかまえてみてください!
この漢字辞典が手放せないのには、もう一つ理由があります。
とにかく漢字が探しやすいです。
- 小学生で習う漢字のみなので探しやすい。
- 学年別に分かれているので探しやすい。
- 「さくいん」にも学年が書かれているので習った漢字か確認しやすい。
- 学年別の「さくいん」もあるので探しやすい。
6学年分の総合さくいんは、音訓・総画・部首別のさくいんがあり、どの漢字も何年生で習うか分かるように色分けされています。
また、学年別のさくいんでも総画で漢字を探すことができるので便利です。
そして、最後に『漢字を覚える手がかり』が掲載されています。
上図
①なりたち
漢字を覚える手がかりになります。
②つかいわけ
同じ読み方で意味が違う紛らわしい漢字があれば、確認できて便利です。
今回の記事では、資料作成に当たり、特に「なりたち」がとても役に立ちました。
慣用句やことわざが掲載されていいるのもポイントです。
小学3年生・漢字の覚え方~具体例
漢字辞典で成り立ちなどを調べながら、自分なりのアレンジを加えてイメージを膨らませましょう。
特にイラスト化すると子供の記憶に残りやすいと思います。
形が似ている漢字~部首など『部品』に注目しよう!
◆教・数・放
小学2年生で習った『教』という漢字を、小学3年生の息子は書けませんでした。
今回は、この漢字の右側の部首に着目していきます。
漢字辞典の部首別さくいんで調べてみると、実は『ぼくにょう』という部首があることに気が付きます。
この中で小学3年生までに習った漢字をピックアップすると、教・数・放・整の4つとなりますが、整を除いた3つの漢字の覚え方を考えてみることにします。
最初の疑問は、『ぼくにょう』自体に何か意味はあるのか?という点。
全学年の『ぼくにょう』のつく漢字の「なりたち」を調べてみると、概ね「手に棒を持つ」という意味に集約できました。
そこから派生して、「うつ」、「はなつ」、「無理にさせる」などの意味を持っているようです。
これを何とか利用して、子供が理解しやすいイメージに変換してみました!
自分で調べるという作業が、何よりも記憶に残ると思います。
教
数
放
◆線・緑
まず『緑』という漢字を漢字辞典で引いて成り立ちから調べてみます。
すると、右のつくりの部分『ロク』がすんだ水の色を示し、『糸』と『ロク』で緑色の糸を表す字だということがわかりました。
『ロク』の下の部分は部首としては『したみず』と呼ばれており、「水」が変形したような字になっています。子供にとっては「水」との区別が難しそうですね・・・。
そこで、あえて「水」という意味を無視して資料を作ってみました。
緑
次は『線』という漢字です。
漢字辞典で成り立ちを調べてみると、つくりである『泉』の部分がほそいという意味を表しているそうです。『糸』と『細い』で細い糸という意味らしいのですが・・・
「泉→ほそい」という連想は、なかなかできないかなと思いました。
そこで今度は『泉(いずみ)』という漢字も調べてみます。
すると、岩のすきまから水がわき出ている形を表していることがわかりました。
最終的に、『糸』と『わき水』のイメージで資料を作ることにしました。
線
◆族・旅
もともと、この部分は「はた」を表しているそうです。
これを利用して『族』と『旅』の違いを覚える資料を作ってみました。
まずは『族』からいきましょう。
漢字辞典で成り立ちを調べてみると、
はたの下に矢をあつめる → あつまる → みうち
となったことがわかりました。
ちょっと日本の歴史もからめて、こんな資料を作ってみました。
族
次は『旅』です。
成り立ちを漢字辞典で調べてみると、
はたを先頭に移動するへいたい → たび
となったそうです。
「へいたいさん」だと少しわかりにくいので、ツアーガイドさんに「はた」を持ってもらい、こんな資料にしてみました。
旅
はたの下に人が二人いるイメージです。
こうやって考えていくと、漢字が少しだけおもしろくなってきませんか?
◆陽・場 と こざとへん(陽・階・院)
まず、『こざとへん』の意味を知っていると役に立つと思いますので、ご紹介します。
もり上がった土のイメージから、山、土の階段、土の壁などの意味で使われています。
漢字辞典を使って、是非、他の漢字も調べてみてください。
それでは、こざとへんを使った『陽』という漢字と二年生で習った『場』という漢字の違いを覚える資料を作ってみたいと思います。
まず『陽』という漢字の成り立ちを調べてみると、山から日がのぼる意味を示していることがわかります。これをイラストします。
陽
これに対して、二年生で習った『場』という漢字の成り立ちを調べると、『土』が土地を表し、右のつくりがジョウという読みを表し、場所という意味を持った漢字だとわかります。
右のつくりの部分は読みだけを表していますが、子供にはわかりにくい気がします。ですから、右側は太陽の光にアレンジしてイラストを作ってみました。
場
読みが同じ漢字の使い分け~『意味』に注目しよう!
上る・登る(のぼる)
『のぼる』という漢字、『上る』と『登る』の違いについて説明していきます。
小学生のための漢字をおぼえる辞典(旺文社)には次のように書かれています。
足をふんばってのぼる時は「登る」を、下から上へ向かうときは「上る」を使います。
引用:小学生のための漢字をおぼえる辞典(旺文社)
わかったような、わからないような・・・。
本来は、言葉を覚えていく中で自然と習得していく感覚的なものかもしれませんが、せっかくなのでイラストにして『上る』と『登る』の違いをまとめてみましょう。
まずは、『登る』から。
この『登』という漢字の成り立ちを調べてみると面白いことがわかりました。
豆の上の部分の5角は両足を踏ん張っている形からできたそうなのです。
漢字の形を覚える時は、『豆』という漢字が入っているので、ジャックと豆の木のイメージで覚えてみてはいかがでしょうか。
それに対して、『上る』は、少しイメージが違います。
私の中では、上方向へ向かう矢印のようなイメージです。
自分にぴったりのイメージを見つけて、オリジナルの資料を作ってみてくださいね!
☆★☆ おまけ ☆★☆
屋・家(や)
『や』という漢字、『屋』と『家』の違いについて説明していきます。
まず『屋(や)』を漢字辞典で調べると、二つの意味があります。
①たてもの
②お店
それぞれイラスト付きで使い方を覚えておくと記憶に残りやすいと思います。例えばこんな感じです。
次は『家(や)』を漢字辞典で調べてみます。
いくつか意味がありますが、「や」と読む場合の意味は、「住むたてもの」つまり「いえ」を表しています。
これをイラスト付きの資料にすると、例えばこんな感じです。
同じ漢字の色々な使い方~自分なりの覚え方を『工夫』してみよう!
漢字が苦手な息子は、抽象的なイメージで漢字の意味を想像することが苦手です。
だから、例えば『様子』はすんなり書けるのに、『も様』という言葉になると途端に書けなくなります。2つの言葉の関係性を全くつかめず、『も様』を覚えるだけで2週間くらいかかりました。
あまりにも覚えられないので、よくよく聞いてみたところ、彼なりに間違えてしまう理由があったようです。
- 1つの漢字にも色々な使い方があること
- 一見違う言葉も関連性を見つけられる場合があること
などを自分の頭で考えるのが苦手なお子様は、何か自分なりのオリジナルの覚え方を工夫してみるとよいかもしれません。
その際にお薦めなのは、記憶に残りやすいように、何か1つでもよいのでイラストを添えてあげることだと私は思います。
この記事では、『様』という漢字を例に、覚え方の例をご紹介したいと思います。
我が子の場合、漢字の形もよく間違えてしまうので、まずは「形」の覚え方からいきましょう。
漢字辞典で『様』という漢字の成り立ちを調べてみると、概ねこんなことが書いてありました。
「きへん」と「右のつくりの部分(よう)」で木の名前を表す字だった
→「右のつくりの部分(よう)」が、かたちを表す「象(しょう)」と言い方が似ていた
→だから、「かたち・ようす」を表すようになった
とあります。
よけいにわからない・・・。
成り立ちだけでは形を覚えられない漢字があるのも事実です。
そんな時は、自分なりの覚え方を考えてみましょう!
ダジャレでも語呂合わせでも何でもよいと思いますよ。
例えば、こんな感じですよ。
『羊』がわからない方は、こちらもどうぞ。
(もともと羊の頭の形からできた漢字です。)
さて、次に「使い方」に移ります。
名前に『様』をつけて敬う気持ちを表す使い方は、ほとんどのお子様が知っているのではないでしょうか。
王様・との様・かみ様・・・ などたくさんありますよね。
その他にも『様』にはありさま・かたちという意味があるのです。
ここで、事件が発生しました。
「ありさま」って何?全然わからない。
国語辞典で「ありさま」を引くと「ようす」と書かれ、今度は「ようす」をひくと「ありさま」と書かれている。完全に堂々巡りですね・・・。
イラストにしてまとめておきましょう。
『様子』という言葉を起点にすると色々な言葉を覚えられると思いますよ。
イラスト画像の取り扱いについて
本記事に掲載されているイラスト画像は、漢字の苦手な小学3年生の我が子のために作成した、当サイト『オリジナル資料』です。
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