【子ども読み聞かせレポート】子供への効果

【子ども読み聞かせレポート】子供への効果 ◆学習(小学~)

私が読み聞かせを始めたきっかけは、出産祝いに知人から三冊の本をいただいたことでした。

その知人の子育ての一番思い出が、お子さんとの読み聞かせだったそうです。そこで、お子さんが当時一番お気に入りだった絵本を三冊贈ってくれたのです。読み聞かせの年齢別お勧めガイド本も一冊も添えてありました。

私は子どもが二歳前後から、ガイド本を参考に本を選び、5年間ほぼ毎晩読み聞かせをしています。それは、何よりも自分が楽しかったからです。
 

読み聞かせに何を期待するのか?

読み聞かせは、何となく良いものだと多くの方が考えていると思います。読み聞かせの一体何が子どもにとって良いのでしょうか。

読み聞かせというと、「本好きになる」「読解力がつく」「成績が上がる」といった目に見える効果を期待しがちです。しかし、このようなものを期待してしまうと、成果が出なかった時に読み聞かせは意味がなかったと落胆してしまうことになりかねません。

私が強く感じたのは、そういう目に見えるものではなく、目に見えない効果があるのではないかということです。
 

脳に刻み込まれた言葉

赤ちゃんが言葉を覚えていく過程を思い浮かべるとわかりやすいと思います。言葉の習得には、まず耳から音を聞いて、それを繰り返すことで、子どもの脳の中に言葉が蓄積されていきます。

だから音の蓄積が言葉の出発点だと言えます。読み聞かせも言葉の蓄積です。もしそれが大好きな人の声であれば、尚更深く脳に刻みこまれ、心地よいものとして残ると思いませんか?

もし仮に、子どもが読書好きにならなかったとしても、言葉は語彙力となり、子どもの中に残り続け、いつの日か心の支えとなるはずです。蓄えられた言葉は子どもの財産と言えます。

豊富な言葉は豊かな思考を育み、それが広義において学力の土台になるのではないでしょうか。
 

親子の絆

添い寝で読み聞かせをする親子

 
親子の読み聞かせは、抱っこしたり、隣に座ったり、時には添い寝をして行うことが多いと思います。物理的な距離が近い分、親子の心が通いやすいというメリットがあります。我が家では眠る直前に布団の中で読み聞かせをしています。

そしてもっと大きなメリットは、物語を一緒に味わうことで、同じ世界感を共有することができる点だと思います。

どんなに怒られた日でも、母親が読み聞かせの時だけは、自分の為に時間を割いて一緒に楽しんでくれると子どもは信じています。我が家では、この時間が親子関係の修復にも役立っています。

親子の絆は、しつけをしていく上でも非常に重要だと思います。また信頼関係を築くことが、今後、学習方針や進路を決めていく上でも大切になってくるからです。
 

親の楽しみ

どんなに子どものためであっても、親が苦痛であれば続けられません。ですから、無理はしないことが大切です。

私の場合、読み聞かせは「癒し」でした。育児でへとへとになっても、日中ひどく子どもを叱っても、夜眠る前にリセットできました。「ああ、一日が終わる。そして癒しの時間が来た。」という感覚です。

親も楽しむというのが、続けるためのポイントだと思います。
 

子どもに夢中体験を

趣味でも遊びでも、時を忘れるくらい夢中になれたら、きっとその経験は大人になった時に役立つと思います。

言葉のつたない子どもが、最初から本に興味を持つ可能性は低い気がします。だから、本の楽しさをガイドしてくれる誰かが必要です。その役を読み聞かせが担っていると私は思います。

本の世界に、子どもを夢中にさせてあげたい。
夢中にさせることが最大の目的ですので、本の選定は子どもの好みを考慮します。また、読み聞かせの声の調子も子どもが一番喜ぶようにしています。我が子の場合、淡々と読むより感情を込めて読む方が断然惹きこまれます。
 

幼児期の我が子の様子

我が子は幼児期、とても手がかかりました。落着きがなく、動きが激しく、集団生活にもなかなかなじめなかったのです。幼稚園に呼び出されたり、療育にも通いました。

そんな子どもの驚きの行動が、読み聞かせだけは大人しく集中して聞いてくれたことです。その時間が、当時の私にとってどれだけの救いになったことか。

幼稚園でも、「普段はどこかにいなくなって好き勝手にやっていますが、絵本の時間になると必ず来て一番前で聞いています。」と先生から言われました。

もともと、好きだったのかもしれません。けれど、更に好きにするために読み聞かせがとても役に立ったと感じています。
 

小学校低学年の我が子の様子

現在の我が子の様子をお伝えしたいと思います。

文字の習得が遅く 音読は苦手 そんな時こそ読み聞かせ

親としては、文字の習得や音読が得意であってほしいところです。

けれども、我が子は何においてもゆっくりなのです。ですから、ここはじっくり見守っていこうと考えています。字を習得して読むということは案外複雑なプロセスなのだろうと思います。幼児期に療育に通ったことがありますので、尚更そう感じます。

目の運動、手の運動、さらに脳で処理して口に出すとなると、恐らくまだ各々が上手く連動していないのだと思います。

こんな時こそ、耳からのインプットだと私は思っています。
 

音読は苦手でも好きだから読みたい

図書館で本を借りる子ども

 
音読は苦手ですが、本は大好きだそうです。

学校の図書館でも喜んで本を借りてきます。家で静かだなと思うと、一人で読んでいることが多いです。よく読んでいるのは、学習まんがか一度読み聞かせをした本です。

我が家では、まんがはNGなどということはせず、図書室や家にある本であれば好きなものを読ませるようにしています。親として、子どもの成長をそっと見守っていきたいです。
 

ハラハラ・ドキドキ 続きが気になる親子の時間

今子どもが好きな本はどんな本か聞いてみました。すると「ハラハラ・ドキドキするもの」「だけど最後は敵にやられたりせず無事に終わるもの」との回答がありました。

1章ずつ何日かに分けて短い小説を読むのですが、できれば10分くらいで終わりにして、きちんと睡眠を確保してほしいのです。でも、親の私も先が気になってしまい・・・・・・。

結局「もう1章読んじゃう?」が繰り返されて、30分経ってしまうこともしばしば。ドキドキのシーンでは布団を被って「あ~だめだめ」などと言っています。こういう姿を見てしまうと、ついつい読んであげたくなってしまいます。
 

日常会話の中に本の話題が増える

何気ない会話の中に、本の登場人物のセリフのまねっこや、読みかけの本のストーリー展開を予測し合うなど、本に関する話題が増えてきました。

二人だけにしかわからない話題を楽しむように、お父さんには内緒だよなどと言いながらニコニコ話してくれる時もあります。

本の世界を共有できていると、日常会話の楽しさが広がります。
 

一人で読むより少しレベルを上げる

言葉の習得には耳からのインプットからという話は、前述した通りです。せっかく親が読んであげるのであれば、子どもが一人で読むよりは少しレベルの高い内容のものを選ぶようにしています。

初めは一冊10分以内の短い童話から。そして今のお気に入りはGakkenの「10歳までに読みたい世界名作」シリーズを1週間に1~2冊のペースで読んでいます。

借りるだけではなく、お気に入りを数冊購入して手元に置いておくと、自力での読書につながっていくと思っています。
 

本の世界も子どもにとって体験の場

冒険のイメージ 地図と地球儀と方位磁石

 
子どもに多くの体験をさせたいと、皆さん考えていることでしょう。自然体験をさせたり、習い事をさせたり。

一見すると、本を読むことは体験ではないように感じますが、本の世界も立派な体験だと私は思います。そして何よりとても手軽でお金もそれ程かかりません。読み聞かせをすることで、子どもが一人で読むよりもはるかに多くの本の世界を体験させてあげることが可能です。

子どもが幼稚園時代に定期購読していた福音館書店「こどものとも」に、児童文学作家の石井桃子さんのこんな言葉が掲載されていたと思います。
 

大人になってから 老人になってから あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です

 
この言葉が忘れられず、私の子育ての指針になっています。
子ども時代の過ごし方を、今一度じっくり考えてみようと思います。