月食とは、太陽ー地球ー月とがこの順序でほぼ一直線上に並ぶ時(満月の頃)に起こり、地球の影により月が欠ける現象です。
この記事では、
- 月食の仕組み
- 皆既月食について
- 月食はいつ見られるか?
などを、図解しながらわかりやすく詳しく説明していきます。
月食の仕組み
満月は約1ヶ月おきに起こりますが、満月の時にいつも月食になるわけではありません。
それは地球の公転軌道面に対して月の公転軌道面が約5.1°傾いているためです。この傾きを保ったまま地球は太陽の周りを回っています。
この傾きがあるために、図1Aの位置では月が地球の影に隠れません。ところが地球が図1Bの位置に移動した時には、満月時に地球と月の公転軌道面がほぼ一致し、月が地球の影(本影)に隠れて部分月食や皆既月食が起こります。
Bの状態を上から見ると次の図2のようになります。
本影に満月の一部分が入ると部分月食、全てが完全に入ると皆既月食と呼ばれます。(図3参照)
【B皆既月食の経過】
1:部分食はじめ
2:皆既食はじめ
3:食最大
4:皆既食おわり
5:部分食おわり
尚、地球の影は本影の他に、薄い半影という部分もあります。半影に月が入っても肉眼ではよくわからないので、半影月食の説明は今回は省略します。
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※大きく見えるというよりも、明るくくっきり見える感じです。
皆既月食について
本影の中に満月が完全に隠れた状態が皆既月食です。
この写真は、前項の図3の皆既月食時の夜空の写真です。
食最大 ⇒ 部分食 ⇒ 部分食が徐々に小さくなる
様子を表しています。
この写真にあるように、実は皆既月食は真っ黒にはならず「赤銅(しゃくどう)色」という赤黒い色をしています。
これは大気の中に入った太陽光のうち、波長の短い青い光は水蒸気などの分子に当たると散乱しやすく、波長の長い赤い光は散乱しにくいという性質があるためです。
夕日や朝日がなぜ赤いのか?
空がなぜ青いのか? と同じ原理です。
また大気がレンズのような役目を果たし、赤い光が屈折して本影の中に入るので、月が赤く見えます。(前項図2参照)
月食はいつ見られる?
【2021年~2030年の月食の日程】
2021年05月26日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2021年11月19日 | 部分月食 | 日本〇(月の殆どが欠ける) |
2022年05月16日 | 皆既月食 | 日本✖ |
2022年11月08日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2023年10月29日 | 部分月食 | 日本〇 |
2024年09月18日 | 部分月食 | 日本✖ |
2025年03月14日 | 皆既月食 | 日本一部〇(部分月食) |
2025年09月08日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2026年03月03日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2026年08月28日 | 部分月食 | 日本✖ |
2028年01月12日 | 部分月食 | 日本✖ |
2028年07月07日 | 部分月食 | 日本〇 |
2029年01月01日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2029年06月26日 | 皆既月食 | 日本✖ |
2029年12月21日 | 皆既月食 | 日本〇 |
2030年06月16日 | 部分月食 | 日本〇 |
月食中は月が隠れて夜空が暗くなるので、この機会に星観察も楽しんでみてください。まずは、1等星や惑星など明るい星から探すのがお薦めです。
肉眼で見える惑星や1等星の位置の調べる時は、国立天文台の「今日のほしぞら」というサイトを利用すると便利ですよ!
地域や時間、その他の条件を選択して再描画ボタンを押せば、惑星や1等星の位置を簡単に確認できます。
★過去の写真★~2022年11月8日の食最大画像
★過去の写真★ ~2021年11月19日の食最大画像