全国47都道府県の城めぐりの記念証『御城印』の人気の秘密をお伝えします。
「お城なんて近くにないな」と思っている方も、「お城や歴史には興味がないな」と思っている方も、全く知らない地元の魅力に気が付くきっかけになるかもしれません。
何と言っても、「御城印」のある城や城跡は、現在700城以上あるそうです!あなたのお住まいの近くにも城跡があるかもしれません!
そして、私は十数年ぶりに神奈川県の小田原城に行ってきました。勿論「御城印」も購入。想像していたよりもずっと楽しく、親子で満喫することができました。驚く程、お城観光も進化していました!
日本100名城の1つでもある小田原城の情報も併せてお伝えします。
御城印とは
『御城印』とは城や城跡を訪れた記念に購入する「記念証」のことです。
神社やお寺をお参りした証である「御朱印」を参考に考案され、長野県の松本城がはじまりとされています。現在では、全国700城以上の城が御城印を発行しており、中には地元愛から個人で製作・販売している手作りの御城印もあります。
1つの城で複数のデザインがあったり、期間限定のデザインがあるなど、収集したくなる要素もたくさん!価格も300円程度とお手頃価格なのがありがたいですね。
『御城印』の人気の秘密をご紹介したいと思います。
どこにある?販売場所は?
基本的には記念の証なので現地に行かないと購入できません。ネットでの販売もあるようですが、可能であれば実際に足を運んでみてくださいね。
現時点では、個人製作も含めると全国47都道府県全てで御城印を手に入れることができます!
あなたの住んでいる地域に、”御城印を販売している城や城跡があるかどうか?”、”販売場所はどこなのか?”を調べるのに大変役立つサイトが、『全国御城印コレクション』です。こちらのサイトから、情報検索ができますよ!
『全国御城印コレクション』の運営元である『攻城団』では、情報を得るだけではなく無料会員登録をすることで、自分が訪問した城を投稿・記録したり、会員同士のコミュニティに参加することができるそうです。詳しくは『全国御城印コレクション』のサイトを確認してください。
デザイン☆いろいろ
御城印のデザインはとても豊富です。同じ城でも複数のデザインが存在したり、期間限定のものがあったり。
そして、城によっては金色やカラフルなもの、キャラクターや武将のイラスト入りのもの、時には手作り感満載の手書きのものも存在していて、ご当地色が豊富なんです!!
私が訪れた小田原城でも、期間限定デザインを含めて3種類が販売されていました。今回購入したのは期間限定デザインの御城印です。
御城印帳(保管用ケース)も魅力
御城印は和紙などでできている為、綺麗に保管するための御城印帳という保管用ケースが販売されている城もあります。例えば小田原城で現在販売されているのは、こんなデザインです。税込み2000円でした。
また、日本で唯一、城単独で世界遺産登録されている姫路城は、御城印帳もとても豪華です!
通常のデザインは、税込み3500円でこんな感じですが、
姫革細工カバー付は、なんと税込み16000円です。高価ですが、この美しさ!さすが世界遺産のお城ですね。
天守閣だけがお城じゃない
城というと、どうしても天守を思い浮かべてしまいますが、天守が修復されながら現存している城は、実は全国に12城しかないそうです。
現代に至る歴史の中で、廃城や移築や焼失を余儀なくされた城がたくさんあったということですね。
そして戦のために険しい山の上に立てられた山城は、元々天守がありません。自然を生かした構造のため、建物自体は簡素なものだったそうです。
【現存する12城】
- 姫路城(国宝・世界遺産)
- 松本城(長野県・国宝)
- 彦根城(滋賀県・国宝)
- 松江城(島根県・国宝)
- 犬山城(愛知県・国宝)
- 弘前城(青森県・重要文化財)
- 丸岡城(福井県・重要文化財)
- 備中松山城(岡山県・重要文化財)
- 高知城(高知県・重要文化財)
- 伊予松山城(愛媛県・重要文化財)
- 宇和島城(愛媛県・重要文化財)
- 丸亀城(香川県・重要文化財)
【再建された城】
上記12城以外で、大阪城(大阪府)や小田原城(神奈川県)など現在天守が存在する城。
【山城】
砥石城(長野県)や米山城(長野県)など戦のために山に築かれた城。
【城跡】
安土城(滋賀県)など天守は残っていないけれども、城の痕跡が残っている場所。
【確かに存在したが痕跡のない城】
新潟城(新潟県)のように城は確かに存在したけれども、場所が定かではない城。「幻の城」とは想像力を掻き立てられますよね。
このように、まだまだ様々の城が存在しています。
城同士の絆
岐阜県の郡上八幡城は、御城印の売り上げの一部を熊本地震で被災した熊本城へ寄付し、復興を支援しているそうです。2016年からの5年間に累計380万円を超えたそうですよ。
御城印は城と城の絆を育み、日本の伝統文化の保護に一役買っているという側面もあるんですね。郡上八幡城の他にも、岐阜城が熊本城の支援に賛同しています。
熊本城では復旧を機に、大天守には新たにエレベータが設置されバリアフリー化するそうです。完成が楽しみですね。
地元の魅力再発見!
私の住んでいる地域でも、御城印を販売している城が複数ありました。
更に驚いたことには、実家のすぐそばの神社でも販売していることが発覚しました!?その昔城があったなんて聞いたことも無かったので本当にビックリです。
例えば、長野県の砥石城や米山城は複数の山城からなる複合城郭です。険しい山の上にある山城で、あの武田信玄も攻め落とせなかった城としても有名なのですが、今ではトレッキングや登山道として楽しむことができるそうです。
その後真田家が城主となっていますので、登山ついでに子どもの自由研究にもできそうですよね。
御城印 まとめ
御城印は、
「地元にも城がないか?」「旅先には城がないか?」などと、その土地に興味を持つきっかけを与えてくれるものかもしれません。
知れば誰かに話したくなる!⇒もっと調べたくなる!⇒何だか楽しくなる!
そんな風に、子どもにとっても、過去と現在の繋がりを感じるきっかけとなれば嬉しいなと感じました。勉強と思わずに楽しくですよね。
「あの武将が好きだから。」「大河ドラマを観たから。」「近くに美味しいグルメがあるから。」「忍者が好きだから。」などなど・・・・・・。理由は何でもOKな気がします。
気になる場所があれば、是非足を運んでみてください!
日本100名城の1つ『小田原城』の魅力
神奈川県の小田原城は、小田原北条氏が本拠地とした城で、あの上杉謙信も攻め落とせなかった難攻不落の異名を持つ堅城です。特に城の周り約9kmを土塁や堀で囲った「総構え」が有名です。
その後の小田原合戦では、豊臣秀吉の圧倒的な力の前に遂に降伏した北条氏。秀吉が天下統一を果たすことになる、歴史的に重要な場所です。日本100名城の一つにも選ばれています。
この小田原城に、子どもを連れて行ってみました。思っていたよりも、ずっと楽しかったんです!(実はそんなに期待していませんでした。)
小田原駅から徒歩10分のアクセスの良さ!車でお越しの際は、近隣の有料駐車場にとめる必要があります。5月末の土曜日に訪れた時は、駐車場にかなり余裕がありました。
詳細な情報は、小田原城公式サイトの交通アクセスより確認してみてくださいね。
それでは、子どもも大人も楽しめる小田原城の魅力をご紹介したいと思います。
その一 花暦~花見だけでも一見の価値あり!
私が5月末に訪れた時には、あじさいが八分咲き、はなしょうぶが満開でした!花を熱心に撮影している方もたくさんいましたよ。本当に綺麗なんです!
【年間イベント】
- 小田原梅まつり(2月〜3月上旬)
- 小田原かまぼこ桜まつり(3月下旬)
- 小田原桜まつり(3月下旬〜4月上旬)
- 小田原北條五代祭り(毎年5月3日)
- 小田原城あじさい花菖蒲まつり(6月上旬〜6月下旬)
- 小田原ちょうちん夏まつり(7月下旬)
- 小田原城菊花展(11月3日〜中旬)
- 小田原市農業まつり
その二 NINJA館(忍者館)~息子イチオシ!
小田原北条氏を陰で支えた風魔忍者について、楽しみながら学ぶことができます。と言うか、さながらテーマパークのよう!お城観光もここまで来たかと驚いてしまいました。
子どもや外国からの観光客にも是非体験してもらいたいです。
パネルの展示だけではなく、シアターでショートムービーを観たり、壁歩きや池渡りをしたりと忍者気分を体感しながら学ぶことができます。
まだまだありますよ。からくり屋敷に手裏剣ゲーム。手裏剣ゲームは息子のイチオシだそうです。
入場制限をしているせいかもしれませんが、各コーナーに一人の係員の方が待機していて、丁寧な解説をしてくれました!まさにテーマパーク気分。
所要時間は20分~30分くらいかな?と思います。
その三 SAMURAI館(侍館)~侍気分に!
甲冑や刀など、侍気分を味わえるSAMURAI館。建物の目の前にある天然記念物の巨松(クロマツ)も見どころの一つ。
館内では、解説の大画面ムービーもありました。建物に入ってすぐ右手が売店となっており、お土産も購入できます。
売店奥には、甲冑着付け体験(甲冑・打掛・忍者衣装の貸出)のコーナーがあります。私が訪れた時は体験している方がいましたが、現在は体験は休止しているようです。
体験を希望の方は、事前に公式サイトを確認してみてください。
その四 天守閣~近代的な資料館&絶景!
天守閣内部では、小田原城の現在に至るまでの歴史を存分に学ぶことができます。
2016年に大規模リニューアルをしていることもあり、中はとにかく近代的できれいです。
順路の最後にはお土産も購入できるショップがありますよ!
小2でまだ歴史に詳しくない息子でも、小田原合戦の大画面ムービーを神妙な顔つきで観ていました。
大人は、見ようと思えばいくらでも見ていられる資料の豊富さですが、子どもはあっさりとしたのもで、どんどん階段を上って行ってしまいました。じっくり見たい方は、大人だけで行ったほうがよいかもしれません。
最上階の展望デッキは勿論360°の絶景!
武将もこんな風に景色を見ていたのかなと、しばしタイムスリップ気分を味わいました。
息子はと言えば、もう小2なのに眼下のこども遊園地にくぎ付けでした・・・・・・。
その五 御城印・武将印・100名城スタンプ~場所の情報
- 御城印・御城印帳販売
1F階段踊り場で販売していました。 - ロッカー・プリクラ(プリムービー)の場所
1F階段踊り場にありました。 - 日本100名城スタンプ捺印
チケット受付で捺印できます。公式スタンプ帳はショップでも販売されていますが、無ければ手持ちの紙にも捺印してもらえますよ。 - 武将印・日本100名城の公式スタンプ帳販売
順路の最後にある1Fショップ内で購入できます。
その六 本丸~いろいろあります!
- 手裏剣体験を行っていました。
- 本丸茶屋(お食事&甘味)と本丸売店があります。
本丸売店は、せんべいやアイスや飲み物などの軽食と、ちょっとしたお土産が売っていました。記念品を買うなら天守閣内のショップの方が充実していておすすめです。
- おさるさんかいます。
十数年前に訪れた時には象や他の動物もいましたが、今は猿のみでした。
今回はベンチやテーブルの周辺に飲食禁止の札が貼ってありました。昼食をとるなら本丸茶屋か駅周辺の飲食店へ行った方がよさそうです。
その七 こども遊園地~やっぱり大好き!
小2になってもやっぱり、こういう感じは大好きみたいです。
すぐ脇に天守閣があるので、「ここはどこだろう?」と不思議な気分に。ほのぼのした遊園地です。
- 豆汽車
2歳以上(小学生未満は保護者同伴) - バッテリーカー
2歳~9歳 - 自動遊具
中学生以上利用不可
券売機で乗り物券を購入してから乗車します。
その八 二の丸~特別公開日は特におすすめ!
二の丸にある銅門は、土日祝日は特別公開(10:00~15:00)で中に入ることができるようです。
無料なので、特別公開日に行った際は是非中に入ってみてください。結構広くて驚きました。
中にいる5人は誰でしょう?
真顔で「おじさん達なにやってるの?」と息子くん。(人間ではなくリアルな人形です。)
小田原城 まとめ
小田原城は明治に廃城し、昭和に天守閣が復興しています。加えて2016年に大規模リニューアルを行っているため、とても設備が整っているんです。
現存する12城のように、年季の入った木材や上る程に急になる階段など当時の面影を色濃く残す城ではないかもしれません。その分、歴史が好きな方もそうでない方も楽しみながら歴史を学べる素晴らしい場所だと思いました。
市内数か所をめぐるスタンプラリーも行われていましたので、小田原観光とセットにしても楽しそうですね。
天守のない山城も、石垣だけの城跡も、どの城にもその城にしかない魅力があるのではないでしょうか。日本の大切な宝ですよね。
機会があれば、是非お城めぐりをしてみてください。