Cognitive(コグニティブ:認知)とTraining(トレーニング)の頭文字を合わせた『コグトレ』という認知機能向上を目的としたトレーニングがあります。
この記事では、家で簡単に取り組む方法として、『コグトレ・パズル』という本をご紹介します。
この本は、子供から認知機能を鍛えたい高齢者まで、『コグトレ』が初めての方でも取り組みやすいのが特徴です。
今回は、第1作目の『コグトレ・パズル』を既に終了した方に向けて、第2作目と第3作目の『コグトレ・パズル』の特徴や感想などを掲載しています。
第1作目から取り組みたい方は、下記の関連記事も参考になさってください。
【関連記事】~コグトレ・パズル第1作目の感想など
コグトレとは
コグトレとは、児童精神科医である宮口幸司さんが、社会や学校で困っている人(主に子供)に向けて考案した認知機能向上を目的とした支援プログラムです。
このコグトレでトレーニングしていく認知機能とは、
- 注意
- 記憶
- 言語理解
- 知覚
- 推論・判断
の5つで、学習の土台にもなっています。
コグトレ関連の本はたくさんありますが、この5つの認知機能をバランスよくトレーニングするために、「数える」・「覚える」・「写す」・「見つける」・「想像する」という5つのカテゴリーで構成される『コグトレ・パズル』という本が、イラストも多く、小さなお子様から高齢者まで初めての方でも取り組みやすいと思います。
『コグトレ・パズル』第1作目の詳細に関しましては、以下の関連記事も参考になさってください。
【関連記事】~コグトレ・パズル第1作目の感想など
\ 第1作目から取り組む方はこちら /
本記事では、『コグトレ・パズル』の続きとなる、第2作目と第3作目の特徴を主にご紹介していきます。
2冊目以降のコグトレ・パズル~前作との比較も!
第1作目の『コグトレ・パズル』を終えた後に、「楽しかったな」「もっと取り組みたいな」と思った時に、現時点でもう2冊、後続の『コグトレ・パズル』があります。
- コグトレ・パズル~なぞときアドベンチャー編(水色表紙)
- コグトレ・パズル~親子で一緒に学ぼう!(ピンク色表紙)
◆構成について
構成は前作(黄色表紙)と殆んど同じで、「数える」・「覚える」・「写す」・「見つける」・「想像する」の5つのカテゴリーから成っています。
◆出題数について
全出題数は、
①1作目:全84問
②2作目:全84問
③3作目:全106問
と第3作が一番多くなっています。
カテゴリー別の出題数は次のグラフをご覧ください。
このように、出題数だけ見ると②と③のどちらを選べばよいのかわかりにくいので、それぞれの特徴について、次章以降詳しく説明していきたいと思います。
コグトレ・パズル~なぞときアドベンチャー編
第2作(水色表紙)は、こんな人におすすめ!
- 飽きずに楽しく取り組みたい人
◆特徴~なぞときアドベンチャー編
冒険ストーリーのなぞを解きながら、1問1問進めていくので、「次はどんな展開になるのかな?」とワクワクしながら、より遊び感覚で取り組めると思います。
登場キャラクターも増えますよ!
1作目が楽しくてもっとやりたいと思った人も、1作目に少し飽きてしまった人も、どちらも楽しめる内容だと思いました。
難易度としては、1作目と殆んど変わらないと思います。
コグトレパズル~親子でいっしょに学ぼう!編
第3作(ピンク色表紙)は、こんな人におすすめ!
- より多くの問題に取り組みたい人
- 「聞く力」もトレーニングしたい人
◆特徴~親子でいっしょに学ぼう!
問題数がとても多いです。
また、『コグトレ・パズル』シリーズ初の『聞く力』をトレーニングする問題が収録されていました。(全8問)
えー、こんな難しいのできないよ。やりたくない!
と言っていた息子ですが、3問目くらいから音声に慣れてきて取り組めるようになり、最後は楽しんでいました。
もし音声データではなく親が読み上げていたら、やる気が出ずに取り組めなかったかもしれません。この問題だけでも、買って良かったとなと思いました。
登場人物も増えて、主人公の家族が登場しますよ!
コグトレ・パズルを3冊全て取り組んだ感想
3冊とも難易度はそれ程変わらないと思います。
イラストがたくさんあって、とても簡単そうに見えますが、簡単にできるものから大人でも集中力が必要な問題まで、色々な問題があります。
お子様が楽しめる範囲で、お好みの『コグトレ・パズル』を選べば良いのではないでしょうか。
「コグトレをたくさん解いたから、直ちに認知機能が上がるのか?」と聞かれたら、正直なところわかりません。
書写が極度に苦手な小学4年生の息子は、3冊のコグトレ・パズルに取り組んでも、うまくは描けない図形があります。
長い目で見るということも大切かもしれません。
しかし、やればやる程、子供の得意分野と苦手分野が見えてきます。これが、結構ポイントだと私は思っています。
我が家では特に苦手分野を中心に、しばらく日にちを開けて再度挑戦しています。
慣れもあるとは思いますが、回数を重ねる程、少しずつできるようにはなっています。どこでつまずいているのかを、大人がよく観察してヒントなどを与えるのも有効だと感じました。
くり返し行う問題は、コピーが必須です。
例えば、息子は「記号さがし」という問題が苦手です。もう一度やろうと思い、1ページ消しゴムで消しただけで、消しゴムのカスがものすごい量になってしまいました・・・。(下図)
結局、「記号さがし」の問題だけで、20枚コピーをとってくり返しトレーニングをしています。
面倒ですが、できるだけ最初からコピーをとってから取り組むことをお薦めします。
◆まとめ
- 直接書き込まず、コピーをしてから取り組む方がよい。
- 苦手分野は、なぜ苦手なのかを観察してアドバイスをしてみる。
- どうしてもできないものは無理強いしない。あるいは、ある程度できたらOKとし、長い目で見る。
- 親も一緒に楽しむ姿勢を見せる。
- 勉強ではなく、遊びの一環だと思ってもらうようにする。
何より楽しむことが一番だと思いました。焦らずに少しずつ取り組むのにちょうどよい本です。
取り組んでみればわかりますが、頭を使う遊びという感じなので、安心して取り組んでくださいね。