子供に読み聞かせをするうちに自然と宇宙本に接する機会が増え、今までに読んだ本は、電子書籍や図書館で読んだ本を含めると20冊くらいになると思います。
子供に宇宙の本を選ぶ時、どんな基準で本を選びますか?
- 子供が自然科学に興味を持つようにしたい。
- 幅広い宇宙の知識を得て欲しい。
など、
親御さんの思いによって選ぶ本は変わってくると思います。
「宇宙」とは、知れば知るほど疑問が湧き理解するのがとてもとても難しいものですよね。
ですから、大人も頭を悩ませる壮大な物理学の世界を、子供に理解させようとするのではなく、
- おもしろい!
- 感動する!
- なぜ?不思議!
と子供の心を動かす本を選んでみてはいかがでしょうか。
まず、最初の一歩は宇宙に興味を持つこと。
そしてお子様が何に興味を示すかを見た上で、図鑑など更に詳しい知識本を揃えるのが私のお薦めです。宇宙について知ることの大きな意味を、少しでも皆様にお伝えできれば嬉しいです。
小学校 低学年~中学年がとにかく楽しく読む知識本
文字が読めるようになり、一人で読書ができるようになってきた小学生におすすめの本をご紹介します。
幼児や、字を覚えたての小学1年生には、気に入ったページを読み聞かせてあげることも十分可能です。
おすすめの本
お薦めの1冊は、シリーズ累計300万部を突破した高橋書店『宇宙のふしぎ なぜ?どうして?』です。
我が家にもシリーズ本が数冊あり、親も子も共にお気に入りです。
文章はふりがな付きで、全ページにわたり小学生が好きそうなイラストがたくさん出てきます。基本的には文章とイラストの構成ですが、漫画もたくさんありますよ!
すごいなぁと関心するのは、難しい内容をイラストやわかりやすい文章で、とても楽しく伝えていることです。子供が知っておきたい宇宙の知識について、かなり広範囲に網羅されていると思います。
大人の私が読んでも楽しいので、自信を持ってお薦めしたい宇宙の入門書です!
例えば、「宇宙のふしぎ」について、
「地球のふしぎ」について、
「太陽と惑星のふしぎ」について、
我が子一番のおすすめコーナーは太陽系オリンピック!
文字を読むのがとても苦手な息子が、いつの間にか一人で読んで、私より太陽系に詳しくなっていました!
「遠い星のふしぎ」について、
「宇宙の仕事のふしぎ」について、
とても幅広い知識を、子供が楽しく学べる1冊です。
小学校 高学年~中学生向け 天才物理学者作の傑作物語
物語を通して宇宙に興味を持つのもお薦めの方法です。子供向けのSF小説はたくさんあるのですが、せっかく読むのなら、「科学的事実」に基づいたSF小説を読んでみてはいかがでしょうか。
おすすめ本
是非おすすめしたい本は、岩崎書店の『宇宙への秘密の鍵』です。
一番の特徴は、科学的事実に基づいた小説である点です。
それもそのはず。アインシュタインに次ぐ天才物理学者スティーブン・ホーキングさんとその実の娘ルーシー・ホーキングさんが共同で書いた本なのです!!
ルーシーさんは、こう語っています。
私と父ならファンタジーよりも科学的事実に基づいた冒険物語を書けると思ったんです。
そして更に驚くべきは、小説として非常におもしろいのです!!
どのくらい面白いのかというと・・・
まだ一人で読めない小学校低学年の息子に、毎晩読み聞かせをせがまれたほどです。読み聞かせにかかる時間は1章あたり20分になることもあります。それが30章以上あるんですよ・・・・・・。2か月くらいかかりました。
それほど、続きが気になる壮大な冒険ストーリーなのです。
今は、全シリーズ読みたいと言い出した息子に、第二作を読み聞かせているところです。
決して理解できない難解な内容ではなく、小学1年生でも理解できます。300ページほどありますが、登場人物は少なく、子供にもわかりやすい表現で書かれていますので、例えばボリュームのある児童小説「ハリー・ポッター」と比べると、難易度は低いと思います。
たまに出てくる挿絵はこんな感じ。
美しい宇宙の写真も豊富です。
宇宙に関する科学コラムも多数掲載。
※ここは読み飛ばして、物語のストーリーだけを読むことも可能です。
この本には、科学を愛する人、科学を不要なものと考える人、科学を利用しようと考える人が登場します。果たして地球の未来のために、人類はどう生きるべきなのか?
子供にも親にも、地球の未来について考えるきっかけを与えてくれる本でもあります。
宇宙の謎や科学について自然と学ぶことができ、壮大な物語の世界にものめり込める1冊です。
一歩先へ
『宇宙への秘密の鍵』はシリーズ化されており、全部で6巻あります。
例えば、続編の『宇宙に秘められた謎』では、予想だにしない結末に、思わず「えー何それ!ビックリ!」と叫んでしまった私です。
興味のある方は、是非何冊か読んでみてくださいね。
また、読めるお子様は、本の中に多数掲載されている宇宙に関する「科学コラム」なども読んでみてほしいです。きっとどんどん疑問が生まれ、好奇心が刺激されると思いますよ。
小学生から大人まで~宇宙を知ることはミクロ世界への入り口
「宇宙」と「ミクロ」という2つの言葉は、あまり関係性がないように感じるかもしれません。
でも、宇宙の果てを見てみたら、「なんとミクロの世界につながっていたんだ!」という発見ができる本があります。
小峰書店の『量子力学ツアー 宇宙の果てへ』という本です。
素敵な絵とストーリーのある大型絵本なので、小学生くらいからどなたでも読めると思います。実際に小学生の息子も喜んで読み、「続きの本はないの?」と言っていました。
しかし、絵本だからすぐ読み終わるかというとその様なことはなく、とても興味深い内容がギュッと詰まっています。
例えば、「空が青いのはなぜ?」、「1日はなぜ24時間なの?」から、「太陽系のこと」、「銀河系のこと」、「宇宙の成り立ちのこと」などなどストーリーの合間に宇宙についてたくさん教えてくれます。
これ以外にも、この本で著者が一番言いたかったことがあると思います。
それは、サブタイトルにもある「量子力学」についてです。
量子とは、原子やそれ以上小さな物質やエネルギーのことで、私達が知っているニュートンの力学などは通用せず、「量子力学」という不思議な物理法則に従っています。
宇宙という壮大な世界も、実は「ミクロの世界」とつながっていた!
これがこの本が教えてくれることです。
サブタイトルに「量子力学ツアー」とあるので、この本を読めば「量子力学」について理解できるかというとそれは少し違うと思います。
この本は、宇宙と量子力学の不思議に触れるきっかけを与えてくれる本だと思いました。
ですから、この本を読んだ後に「宇宙の図鑑」を読んでみるのが、私のお薦めです。
我が家には『学研の図鑑LIVE宇宙』がありますが、今まであまり興味の無かった
- 宇宙の成り立ち
- 宇宙の未来
- 宇宙を構成する物質
などにとても興味がわきました。
そして、この本を読む以前よりも図鑑の内容を理解できるようになりました。
宇宙を深く知っていくと、実はミクロな物理法則に従っていることにも気付かされる1冊です。
子供も大人も~『はやぶさ』感動の実話
宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)が開発した『はやぶさ』は、小惑星(イトカワ)からサンプルを持ち帰るという世界発の偉業を達成しました。
後継機である『はやぶさ2』も小惑星(リュウグウ)からサンプルを持ち帰り、今まさサンプル解析を行っています。
この世界に誇るべき技術の素晴らしさは勿論のこと、それを達成するまでの挫折や、幾多の困難を乗り越えてミッションを成し遂げる人々の姿が、子供の心にも深く響くのではないでしょうか。
大人の方にもお薦めです。
おすすめ本
おすすめの1冊は、講談社の『おかえりなさい はやぶさ 2592日の宇宙航海記』です。
ページ数は33ページと短めですが、「はやぶさ」の構造、宇宙での出来ごと、大きなトラブル、そして最後の運命まで、詳しく解説されています。
親子で一緒に読む本としても、とてもお薦めです。
ふりがな付きで文字数も多すぎず、美しい3Dイラスト付きで分かりやすく書かれています。ビジュアルとしては図鑑のような感じだと思います。
時には、普段私達が目にすることのできない写真も。
皆さんもご存じの通り、「はやぶさ」は当初の計画とは異なる運命をたどります。
「はやぶさ」が最後に撮影した写真が掲載されているのですが、その写真を見て思わず涙が出てしまいました。
また、「はやぶさ」を知ることは、「はやぶさ2」を知る上でとても役に立ちます。
探査機「はやぶさ」と、それに携わった方々を知る、感動の1冊です。
一歩先へ
「はやぶさ」の技術や志を受け継ぎ、更にそれを超えるミッションに挑んだ「はやぶさ2」。
採取したサンプルの解析が進み、今後ニュースにも度々登場することでしょう。子供向けの書籍も発売されるかもしれません。
「はやぶさ2」の前人未踏のミッションとはどのようなものなのか?
それを知りたい方は、「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャー津田雄一さんが書いた宝島社の『はやぶさ2の宇宙大航海記』を読んでみるのもおすすめです。ただしこちらは大人向けの書籍だと思います。
親御さんが読んで、子供に色々話して聞かせてもよいと思います。
- 津田さん自身の足跡
- はやぶさとはやぶさ2の違い
- はやぶさのリベンジと前人未踏の挑戦
- 今後の予定
など、プロジェクトマネージャーだからこそ描ける秘話やドラマが多数掲載されていて、心躍らせながら読ませてもらいました。
未来のために~宇宙への扉を開けるのは・・・
今回は、子供が自然と興味を持つことができる宇宙の本を、4冊厳選してお伝えしました。
私は、かつて宇宙開発には懐疑的でした。
しかし、子供と共に宇宙の本を読む中で、宇宙へ好奇心を広げることは人類の未来にも繋がってくるのではないかと感じるようになりました。
私の中の宇宙感は、子供の誕生により大きく変わったのかもしれません。
子供が将来、宇宙に携わる職業に就く可能性は低いかもしれません。けれど、地球の未来について考え、行動できる大人になってくれることを願っています。
『宇宙への扉の鍵』を子供に手渡すのは、大人のあなたかもしれません。
子育てという、貴重で短い時間をどうか楽しんでください。
★最後に我が子のエピソードを一つ。
子:死んだら人はどうなるの?
母:みんな宇宙のかけらでできているから、宇宙に帰るんじゃない?
子:じゃあ、その時は宇宙を飛んで宇宙の端っこを見てみたいな!
子供の好奇心と想像の翼が、いつまでもなくならないことを願っています☆彡