小学2年生・3年生算数の中でも特につまずきの多い『時計(時こくと時間)』。
更に文章題になると、子供にとっての苦手意識は、ますます高まってしまいます。
そこで、小学2年生・3年生で習う『時計(時こくと時間)』の文章題の解き方や教え方のコツを詳しくお伝えします。
『時こく』と『時間』、2回に分けての更新になります。
今回は、第1弾『時こく』についてです。
我が家の小学2年生の息子は、読み書きが苦手です。
それゆえに、文章題では文字を見ただけで、解く前から難しいと感じて諦めてしまうことがあります。
そのような文章題が苦手な子供が、時計(時こくと時間)を解くコツとして、
- 時計の基礎がわかっているかの確認
- 時計の文章題にもパターンがあることの認識
- 時計の文章題をステップバイステップで読み解く練習
- 時計の文章題に慣れるための演習法
などについて、詳しくお伝えしていきます。
時計の復習~文章題の前にまずチェック!
小学2年生・小学3年生の時計(時こくと時間)の文章題を解くためには、時計の基礎を理解している必要があります。
次の項目をきちんと理解できているか、まずチェックしてみましょう!
チェックしてみよう!
- 時こくと時間のちがいはわかるかな?
- アナログの時計から時こくが読めるかな?
- 1日は24時間(午前12時間、午後12時間)
- 1時間は60分
- 1分は60秒(小学3年生)
一つでも分からない時は、焦らずに小学校の算数の教科書などを利用して、時計の復習からやってみましょう!
あせらなくても大丈夫!
時計の文しょう題を解くには、まず基礎(きそ)が一番大切だよ!
時刻を求める~ある時こくより前かな?後かな?
時こくを求める問題は、是非、数直線を使ってみてください!
解き方(教え方)
- ある時刻を数直線に書き込む。
- 求めたい時刻は1の時こくより、どのくらい離れてる?
そして、1の時刻より前なのか?後なのか?を考える。 - 1の時刻より前なら、離れている時間の分だけ数直線を左に移動して、時刻を書き込む。
1の時刻より後なら、離れている時間の分だけ数直線を右に移動して、時刻を書き込む。
では、ここからそれぞれの具体例を挙げてみます。
【その1】後の時こくを求める
ある時刻より後の時こくを求める時には、時計の針を進めます。
数直線で表すと、右に進みますよ!
実際に問題を解いて確認してみよう!
問題例(時こく・その1)~基礎からチャレンジまで2段階
基礎(後の時こく) ~まずはここから!
【問題1】
はるきさんは、午後5時40分から友だちとゲームをはじめ、30分後にゲームをやめて外へあそびに行きました。
はるきさんがゲームをやめた時こくは、午後何時何分ですか。
◆解き方(教え方)
1.ある時こくを数直線に書きこむ。
この問題で、わかっている時こくは午後5時40分だけですので、わかりやすいですね。
考えの起点となる時こくは、ゲームをはじめた時こくになります。
数直線を書いて、時こくを書きこみましょう!
2.もとめたい時こくはどこ?
もとめたい時こくは、ゲームを始めた時こくより30分『後(あと)』ですね。
時計の針(はり)を進める必要があります!
数直線にすると、時計が進む方向は右方向!
3.時こくをもとめよう!
コツ
①10分ずつ進めてみるとわかりやすいよ!
②時計の長い針(はり)が12を通ったら、時こくを書いておくとわかりやすいよ!
20分進むと、時計の長い針(はり)が12を通りますね。
まずは、20分進めて午後6時を数直線に書きこみましょう。
のこりの10分も進んでみましょう!
答えは、午後6時10分になります。
チャレンジ!(後の時こく) ~基礎問題ができたらやってみよう!
【問題2】
はるきさんは、午後5時40分からゲームをはじめましたが、ふと時計を見ると80分間もたっていたので、あわててゲームをやめました。
はるきさんがゲームをやめた時こくは、午後何時ですか。
◆解き方(教え方)
1.ある時こくを数直線に書きこむ。
ゲームをはじめた時こく、午後5時40分を数直線に書きこみましょう!
2.もとめたい時こくはどこ?
もとめたい時こくは、ゲームをはじめた時こくから80分たった『後(あと)』ですね。
時計の針(はり)を進める必要があります!
数直線にすると、時計が進む方向は右方向!
とっても大切なことは、80分が1時間20分であること!
おさらいしておきましょう!
1時間=60分
だから、
80分=60分+20分=1時間20分
3.時こくをもとめよう!
コツ
できるならば、まとめて時間を進めてみましょう!
※他にも、半日(12時間)や1日(24時間)などもまとめられますね!
※もちろん基礎(きそ)と同じように、10分ずつ進んでもOKです。
今回の問題では、1時間まとめて進むと早いですよ。
まず、1時間進んでみましょう!
そして、1時間後の午後6時40分を数直線に書きこみます。
のこりの20分も進めてみましょう!
午後6時40分から20分進みます。
分の部分を式で表すと40分+20分=60分で、長い針(はり)がちょうど12に来て午後7時になりますよ!
だから答えは、午後7時です。
【その2】前の時こくを求める
ある時刻より前の時刻を求める時は、時計の針を戻します。
数直線で表すと、左に進みます。
実際に問題を解いて確認してみよう!
問題例(時こく・その2)~基礎からチャレンジまで2段階
基礎 (前の時こく) ~まずはここから!
【問題1】
お母さんは、デパートに入ってから30分間買い物をして、午後5時10分に店を出ました。
お母さんがデパートに入った時こくは、午後何時何分ですか。
◆解き方(教え方)
1.ある時こくを数直線に書きこむ。
店を出た時こく、午後5時10分を数直線に書きこみましょう。
2.もとめたい時こくはどこ?
もとめたい時こくは、店を出た時こくより30分『前(まえ)』ですね。
時計の針(はり)をもどしましょう!
数直線にすると、時計がもどる方向は左方向!
3.時こくをもとめよう!
コツ
①10分ずつ戻してみるとわかりやすいよ!
②時計の長い針(はり)が12を通ったら、時こくを書いておくとわかりやすいよ!
まず10分もどると、ちょうど長い針(はり)が12を通りますね。
午後5時を数直線に書きこみましょう。
のこりの20分も もどってみましょう!
午後5時から20分もどるので、午後4時台になりますね。
分の部分を式で表すと、60分−20分=40分となります。
だから答えは、午後4時40分です。
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チャレンジ!(前の時こく) ~基礎問題ができたらやってみよう!
【問題2】
お母さんは、 買い物の帰りにぐうぜんお友だちと会ったので、80分間立ち話をしました。
午前11時50分に話すのをやめて、急いで家に向かいました。
お母さんが友だちと話しを始めた時こくは、午前何時何分ですか。
◆解き方(教え方)
1.ある時こくを数直線に書きこむ。
話すのをやめた時こく、午前11時50分を数直線に書きこみましょう。
2.もとめたい時こくはどこ?
もとめたい時こくは、話すのをやめた時こくより80分『前(まえ)』ですね。
時計の針(はり)をもどしましょう!
数直線にすると、時計がもどる方向は左方向!
とっても大切なことは、80分が1時間20分であること!
おさらいしておきましょう!
1時間=60分
だから、
80分=60分+20分=1時間20分
3.時こくをもとめよう!
コツ
できるならば、まとめて時間をもどしてみましょう!
※他にも、半日(12時間)や1日(24時間)などもまとめられますね!
※もちろん基礎(きそ)と同じように、10分ずつ進んでもOKです。
今回の問題では、1時間まとめてもどると早いですよ。
まず、1時間もどってみましょう!
午前10時50分を数直線に書きこみます。
のこりの20分も もどってみましょう!
午前10時50分から20分もどります。
分の部分を式で表すと50分-20分=30分です。
だから答えは、午前10時30分になります。
慣れるための演習~簡単&おすすめのドリル
算数文章題の難しさは、同じ考え方で解ける問題を、言葉を次々に変えて本質をわかりにくくしている点にあると思います。
文章題が苦手な子供は、きっと我が子と同じように、問題を読む前から「何だか難しそうだな。」と感じてしまうのではないでしょうか。まるで魔法にかかったように。
時こくの問題も、まずはパターンを知ることから始め、「これなら出来るかもしれない!」と苦手意識を克服することが第一歩だと思います。
そして、自信が少しついてきたら、やはり演習問題をこなした方が理解が深まります。
この記事では、時計(時こくと時間)の文章題演習におすすめのドリルを、子供の理解度に合わせて2冊ご紹介します。
◆簡単な問題で自信と基礎力を
一冊目は、こちら。
小学3年生時こくと時間 (くもんのにがてたいじドリル 算数 3) 【くもん出版】
このドリルには、問題・解答の両方にきめ細やかな解説があります。
数直線による解説も随所にありますよ。
1回に取り組む量も少ないため、子供への負担も小さいと思います。
個人的には、時計の問題が苦手な子供であれば、この一冊でも十分だと感じました。
簡単な問題で自信をつけたい、基礎をしっかりと身につけたい子供におすすめのドリルです。
◆繰り返し演習でしっかり基礎固めと応用力を
二冊目は、こちら。
時こくと時間 (算数の壁をすらすら攻略!) 【くもん出版】
このドリルは、まず各単元ごとにカラーでとてもわかりやすい『まとめページ』があり、その後に関連する演習問題が出てくる構成になっています。
そのため、問題や解答中には、子供の理解の手がかりになる絵などの情報は少ないです。
その分、豊富な問題量で反復練習をできるのが特徴です。
同じ単元の問題でも文章を変えて色々な角度から出題されています。
個人の感想としては、時計の問題が苦手な子供ならば、簡単なドリルで自信をつけた後に取り組んでも良いかなと感じました。
基礎固めから応用力まで身につけたい子供におすすめのドリルです。