「なぜ鳥は電線にとまっても感電しないの?」という子供の素朴な疑問。聞かれるたびに答えに困って、また同じ質問されてしまうということはありませんか?私はこれを数回繰り返しました。
そこで鳥が電線にとまっても感電しない理由を調べてみました。子供にもわかりやすいように、電子の話などは省略してあります。
電気の流れを水の流れに例えて考える
電気の流れは水の流れに例えるとわかりやすいです。水が高い所から低い所は流れるように、電気も電位(電気の位置つまり高さのようなもの)の高い所から低い所へと流れます。この電位の落差を電位差または電圧と呼びます。
電位差(電圧)とは電気を押し出す力のようなものだと言えます。
電線の中の電気の流れ
発電所から家までつながった電線は、何か所かの変電所や変圧器を設けることで、段階的に電位を下げています。その落差つまり電位差(電圧)を利用して、電線の中を電気が流れています。
ですので、場所によって電線の電位差(電圧)は異なり、概ね高所に張られた電線は高圧線で低い位置に張られた電線は低圧線となっています。
また、低圧線は電線を保護する被覆材が巻かれていることが多いのですが、高圧線はむき出しになっているそうです。被覆材がある電線ではそもそも鳥の足に電気は伝わりません。これも一つの答えですね。
しかしながら、被覆材の無い高圧線は感電の危険性もゼロではないので、これから先の説明は被覆なしの電線について書いていきます。
電線に鳥がとまっても感電しない場合
例えば6600Vの高圧線に鳥がとまっている場合、鳥の左右の足で電位差(電圧)はほとんどありません。
また経路がいくつかあった場合、電気は通りやすい方(抵抗の少ない方)を流れようとする性質もあります。
これらの理由より、電気は鳥の体を通らず、もともとの経路である電線上をそのまま流れていくことになります。
電線に鳥がとまって感電する場合
もし6600Vの電線に鳥がとまっていて、体のどこか一部が自分がのとまっている電線以外のものに触れてしまうと感電してしまいます。例えば体の一部が電柱に触れた場合について説明してみます。
電線上の足は6600Vであるのに対して、電柱に触れた部分は0Vですので、電位差(電圧)がうまれます。電位差(電圧)とは電気を押し出す力のようなものなので、鳥の体を電気が流れてしまうことになります。
これが感電してしまう理由です。
まとめ
まとめ
・そもそも電気が伝わらない表面を保護された電線もある
・電気は電位の高い方から低い方へ水のように流れているとイメージする
・1本の電線上にとまっていても体の一部が他のものに触れてしまうと感電する
中学生以降に電気の仕組みを習い始めたら、電子のことやオームの法則など、もう少し詳しく電気について調べてみてください。