我が子は昆虫類が大好きで、NHKの『ダーウィンが来た!』などの生き物番組は、録画してくり返し見ています。
そこで、季節を問わず昆虫と触れ合える、東京の多摩動物公園の昆虫園に行くことにしました。実は多摩動物公園は、昆虫を見たり、触れ合ったり、学習するのに大変おすすめの場所なのです。子供が行くのは今回が2回目、私は恐らく10回程度来ていると思います。特に触れ合えるという点が博物館にはない魅力だと感じます。
動物だけじゃない!東京の多摩動物公園の魅力を独自の視点でお伝えします。
関東で昆虫館をお探しの方は、是非一度足を運んでみてください。
昆虫園のココがすごい!
我が子は虫が大好きですが、実は私は苦手です・・・・・・。そんな私でも子供の頃から多摩動物公園の昆虫園には何度も来ており、知らない方に多摩動物公園を紹介する時には必ず「昆虫園がすごいよ!」と伝えてしまいます。それ程幼少期からインパクトがあったのだろうと思います。
そんな多摩動物公園の昆虫園の魅力についてお伝えしたいと思います。
ここは外せない!蝶の楽園
空中から見ると蝶のように見える建屋に一歩入ると、冬でも花が絶えない蝶の為の温室ドームがあります。そして広い!まさに蝶の楽園そのものです!
中には、起伏のある構造や水辺、洞窟など歩いているだけでワクワクします。
恐らく皆さんが想像しているよりもはるかに多くの蝶がおり、どこを見ても蝶が舞い踊ったり、羽を休めたりしているのです。入るとすぐに子ども達の歓声が上がっていました!
是非実際に見てほしい場所です。
普段蝶を触れない私ですら、顔に触れるほどそばをアゲハ蝶が舞っていても、気にせず撮影に夢中でした。そして至る所に蝶のレストラン(人工蜜)があるので、撮影もしやすいです。
巨大なレンズ付きのカメラを持った方も多く見かけましたよ。
蝶の他にもナナフシやバッタ類がいるそうです。足元にも注意しましょう。蝶以外の生き物を見つけられたら更に楽しいかもしれませんね。
蝶のドームに続く展示も面白い!
昆虫好きさん、もしくは触れなくても見るだけなら楽しめるという方なら、ドームの外に続く展示の数々にも興味を惹かれると思います。
オオカマキリや現在は数の減ったホタル(時期によっては成虫も)の展示もありますし、変わりどころでは超ミニサイズのサソリ(節足動物)もいました。
中でも私が気になった展示をいくつか挙げてみます。
トノサマバッタの成長
トノサマバッタは、一番小さな1令幼虫から順に並べられていました。どのように成長していくのかじっくり観察ができますよ。
みんな大好きカブト虫
カブトムシは子供が大好きな昆虫の代表格ですよね。飼ったことがある方もいると思いますが、幼虫が地中でどのように過ごしているかまではなかなか観察できません。
こちらでは地中の幼虫の様子を展示していました。今回は幼虫しか見えませんでしたが、運が良ければ変態していく様子も観察できるかもしれません!
ピカピカのオオゴマダラ蛹(さなぎ)
写真では伝えきれないのですが、正に金色です。これはオオゴマダラという蝶の蛹で、図鑑で見て以来ずっと気になっていました。本物が見られて感動です!温室には成虫のオオゴマダラも舞っていますので、是非探してみてください。
他にこんなものも!
カイコが繭を今まさに作っている様子や、オケラが土を掻いて穴を掘る様子も観察できました!行動展示はなかなかに興味深いです。
昆虫好きにお薦めの関東・東京お出かけスポット↓
本館はレアなものに出会える可能性大
今回はコロナの影響で、残念ながらふれあいコーナーで昆虫と触れ合うことはできませんでした。一年前に来た時はナナフシを触ったり虫眼鏡だ観察することができました。その時の様子はこんな感じです。
今回は、来年の干支に因んで牛柄の虫が展示してありました!
もう一点見られなかったのが、グローワームの展示です。私も映像でしか見たことがなく、是非本物を見たいと思っていたため残念です。グローワームとは、オーストラリアの洞窟などに生息するヒカリキノコバエの幼虫で、ある目的で発光しています。遠目で見るとクリスマスイルミネーションみたいなんですよ。でもその目的は・・・・・・。
このレアなグローワームを見ることができたら、とても貴重な体験になるのではないでしょうか。
水生昆虫
絶滅危惧種のタガメもいました!タガメが見られる昆虫館はいくつかありますが、どこでも見られるわけではないので、とてもレアと言えるのではないでしょうか。
我が子はタガメの水槽から10分くらい離れませんでした・・・・・・。
ゲンゴロウもいましたよ!
生態学習
小学4年生くらいになると、理科の授業でも昆虫の生態について学び始めます。特に昆虫の体のつくりや育ち方に興味を持ってきた子供達にお薦めの場所です。
但し、虫を見るのも苦手という方には厳しい場所かもしれません。苦手な方は飛ばしてお読みください。
◆体の動きに関して
本来であれば、押しボタンで動く仕組みがわかるようになっていますが、コロナのせいか押しボタンは押せませんでした。でも、動かなくてもとても勉強になりますよ。
◆体の内部構造に関して
昆虫の体の内部構造についても学ぶことができます。脳に関する話もありました。
◆行動に関して
ハキリアリというアリをご存じでしょうか?器用に葉を切り出して巣穴に運びます。その葉の利用方法がとても意外でユニークなのです。私はその生態を知っていましたが、映像でしか見たことがなかったので、「これがあのハキリアリか!?」ととても興奮してしまいました。
とは言え、物凄い数なので反応は二分すると思います。「気持ち悪い!」か「すごい!」のどちらかに・・・・・・。どう感じるかは見た人次第と言えます。
巣穴に運んで、工場のように何かを作っているんです。その過程を見られるのはかなり貴重だと私は思います。
巨大昆虫
子供が大好きなヘラクレスオオカブトから
苦手な人は倒れてしまいそうなくらいド迫力の(子供の手のひらサイズ)巨大な虫たちまで。
擬態して隠れている器用な虫たちも、大きめです。こちらは最大10cm程に成長するオオコノハムシです。見つけられますか?
標本
数は多くはありませんが、博物館のように標本もバッチリありますよ。
きれいな構造色の昆虫から
一見何かさっぱりわかりませんが実は・・・・・・。という変わり種まで。
是非実際に行ってみて、お気に入りを見つけてみてください。
もちろん動物だって負けてない!
子供は昆虫好きだけど親は苦手ですとか、兄弟の片方は昆虫好きだけどもう片方は苦手といった場合がありますよね。でも、大丈夫!!動物もたくさんいます。
多摩動物公園の面積は上野動物園の4倍程度あり、丘陵地という地形を生かした自然を満喫できる場所なので、生き生きとした動物本来の姿を楽しむことができると思います。そして展示方法の要所に工夫が感じられました。
またハイキング気分で歩くととても気持ち良いです。とても広大なので疲れたらシャトルバスも利用してくださいね。
どれもこれもおすすめですが、一部おすすめを紹介します。
\ 飼育に関連する本 /
動物園の人気者コアラ
私が子供の頃から多摩動物公園の顔だったコアラは、日本で出会える施設が少ないので是非見てほしいです。
ただし殆ど寝ています。でも寝顔もチャーミングで、まるでぬいぐるみのよう。
この日は13:30~ぱくぱくタイムと称するお食事時間があったようです。起きているコアラに出会いたい時は、食事時間を確認してから行くのもいいかもしれませんね。
ココでしか見られないタスマニアデビル
絶滅危惧種のタスマニアデビルが見られるのは、ここ多摩動物公園だけのようです。なぜ絶滅に瀕しているのか?と言ったことも是非お子様と共に学んでみてください。
日中はおとなしいらしいのですが、この日は一匹だけ元気な子がいました。かなり長い時間ぐるぐる敷地を走り回っており、シャッターチャンスもありません。子供が大爆笑していました。
オラウータンのスカイウォーク
スカイウォークとはオラウータンがかなり広い範囲をケーブルを伝い自由に移動できる展示場の事です。私が子どもの頃には無かったので大変驚きました。これはスケールが大きい!
ただし、冬はオラウータンがあまり活発に動かなくなるので、今年は12月7日から休止だそうです。暖かくなり再開されたら元気に移動する様子が再び見られると思います。
(休止時期の詳細は公式HPでご確認ください。)
今回はケーブルを伝ってホームに戻ってきた一匹が、最後に「上空からおしっこをする」というまさかのおもしろ場面を目撃することができました!
サバンナを感じさせる広いアフリカゾウのエリア
広いスペースでのびのびと動く姿がとても印象的でした。悠然とお食事中です。
再オープンが待ち遠しいライオンバス
再オープンに向けての整備工事も最終段階のようです。再開がとても楽しみです。
私が幼い頃は多摩動物公園に来ると必ずライオンバスに乗っていました。当時のアラビア風の建物は無くなり、近代的な建物ときれいに整備された道路がほぼ出来上がっていました。
ライオンの展示は休止されていましたが、橋の下の飼育舎からは地響きのような低いライオンの声が聞こえました。かなり離れた場所からも聞こえ、スピーカーで流しているのかと勘違いした程の迫力です。多くのお客さんが橋に集まってライオンを見下ろしていました。
やっぱり大人気レッサーパンダ
大きな望遠レンズを付けたカメラを持った人がたくさん!中にはかわいい小学生まで。やはりかわいいレッサーパンダは大人気でした。
王者の風格オオワシ
数種類のワシ類がいるフライングゲージは、わしが滑空することもできそうな広さで動物までの距離も近く感じる構造です。中央の滝の上で王者の風格で水浴びをしているイヌワシに心を奪われました。
まだまだ魅力がいっぱい・・・・・・
多摩動物公園での魅力の一つに、小さなオリの中ではなくなるべく生息地に近い環境で展示していいるという点が挙げられると思います。広大な敷地と豊かな自然があるからこその特徴ではないでしょうか。
例えば、こんな傾斜に住めるの?というような急こう配の斜面に何やら鹿のようなものが見えました。もはや山の斜面そのもの・・・・・・。
地味ですが、なぜか印象に残り帰宅後調べてしまいました。シャモアという山岳地帯にすむウシ科の生き物だそうです。生息地に近い環境を再現するからこそイキイキとした本来の姿が見られるのだと思います。
他にもバードゲージの中を歩くことができるウォークイン・バードゲージやモグラの地中での動きがよくわかるよう展示方法に工夫をこらしたモグラの家もおすすめです。
「モグラの生態の毒舌解説」もSNSで話題ですよ!
※今回は残念ながらモグラの家は休止中でした。
他にもこんな楽しみあります!
こんなかわいい、わたあめ!
きっとインスタ映えしますよね。
我が子が見つけた発見はこちら!
お土産も楽しみの一つです。
動物に興味のあるお子様はウォッチングセンターの展示もおすすめです。資料だけではなく模型やはく製もあります。
今回はコロナで感染対策を気にしながらの訪問になりました。
外出もままならない今だからこそ、改めて動物園とは何だろうと考えさせられました。
幼い頃は動物がかわいいくて楽しいというだけの感想しかなかったのですが、今回の訪問で絶滅危惧種の保護や、人間と動物との関わりを学ぶ立派な教育施設だと気付かされました。動物や昆虫と触れ合う事が、お子様と環境保全について考えるきっかけになるかもしれません。
私にとっては幼い頃から馴染みのある動物園ですが、展示の仕方も昔より工夫が凝らされ、より魅力的になっていると感じました。この園の動物や昆虫たちがこれからもイキイキと過ごせることを心から願っています。