息子が小学4年生の時の担任の先生から、音読にお薦めの本として興味深い本を教えてもらいました。
齋藤孝先生の『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』という本です。
作文が大の苦手である息子の文章には、とにかく『楽しかった』『面白かった』などのお決まりの表現が多く、話す時は、『やばい』『うざい』を連発しています。
この本は、そんな息子と同じような状態のお子様にも、とてもお薦めの本と言えます。
なぜならば、使える語彙を増やすことで感情や状況を様々な言葉で表現できるようにし、伝える力を伸ばすことを目的とした本だからです。
とても驚いたことに、1時間の授業の中で一文字も作文が書けないことも多々あった息子が、最近では作文を書く際に、「”面白い”以外の表現は何があるだろう?」などと言うようになりました。
作文を書く時にも、非常に役に立つ本だと思いました。
この記事では、齋藤孝先生の『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』の特徴や、我が家での使い方などをお伝えしていきます。
『語彙力図鑑』の特徴
STEP1:感情基礎語 言い換え力アップ
小学生頃の子供がよく使っているような、例えば『やばい』などの感情を表す言葉を、別の語彙で言い換える方法を教えてくれます。
また、そもそも『やばい』という言葉は、どのように生まれたのかなどの豆知識もとても楽しいです。
STEP2:状況説明力を鍛える
イラストを実況解説風に説明している文章の中に、たくさんの語彙が登場します。実況解説風という点で、とてもリズムがよく読みやすい文章になっています。
それぞれの語彙の説明がページ下に掲載されているので、知らないものはどんどん覚えていくことができます。
STEP3:ポジティブ変換力でコミュニケーション力アップ!
子供はとてもストレートなので、時として意図せず相手を傷つけてしまうことがあるのではないでしょうか。
言葉とは不思議なもので、言い方一つで印象もまるで変わってしまいます。
ですから、どんな事柄でも、表現方法をポジティブに変換して円滑なコミュニケーションに役立てようというのが、STEP3の内容です。
実は、このSTEP3は大人の私にも、とても役に立ちました。
「こういうこといつも言っちゃうよね。」とか、「これはもっとこういう表現に変えたらいいんじゃない?」など、実際に起こった事柄に当てはめながら親子の会話を楽しむことができました!
STEP4:観察眼を磨く「目の付け所」探しトレーニング
名所や名作を観察対象にして、じっくり解説してくれるのがSTEP4です。
きっと知識と教養が深まるはず!
ちょうど数か月前に広島の宮島に行った息子が、『厳島神社を観察しよう!』というページを読んで言ったセリフはがこちらです。
あー賢くなっちゃった!
馴染みのない場所や事柄でも、インターネットを使って親子で色々調べて楽しんでいます。
STEP5:大人も知らない!? 文豪たちの日本語
文豪の小説から選んだ言葉がたくさん掲載されています。
恥ずかしながら私も普段全く使わない語彙がたくさんありました。結構難しい言葉も含まれています。
語彙の説明の他、実際の小説の文章も数行掲載されています。
音読したり、難しくて興味を持てない場合には親が読み聞かせをするだけでも効果があると思います。普段は小学生が手にしないような文豪の小説に触れるチャンスだと感じました。
『語彙力図鑑』我が家の使い方
音読
我が家では、音読の練習を兼ねて、語彙力図鑑を声に出して読んでいます。これは、昨年の小学校の担任の先生に薦められた方法です。
STEP1~5まで全て読んでいますが、特にお薦めは
◎STEP2の実況解説風の説明文
○STEP1の解説文
○STEP4の①~③の注目ポイント
です。
読み聞かせ⇒音読
難しい表現に興味を持てるお子様であれば、自分で読んで楽しめると思いますが、我が子にはそれは難しかったので、次のような使い方をしています。
親が語彙の説明文を読む
⇒
親が小説の文章を読み聞かせる
⇒
子供が小説の文章を音読する
『語彙力図鑑』感想・まとめ
さらっと読むのもありですが、一度読んだだけでは、使い慣れていない語彙を自分のものにすることは難しいと思います。
一度で覚えようとせず、まずは一回楽しく通読してみてください。
その後、半年~1年くらいかけて、何度も繰り返し音読するのが私のお薦めです。
1日1項目だけにすれば、毎日読むことも全く苦にならないレベルだと思います。
(1~2分程度だと思います。)
因みに、作文が大の苦手である我が子も、作文を書く際に言い換え言葉を少しずつ意識できるようになってきました。