この記事は、子供が前向きになる言葉を選んだ『ことわざ集』です。
子供を取り巻く環境は時代と共に変化し、何かと便利なことが増える一方で、子供達の不安も以前に比べて増している気がします。
将来に不安を抱くお子様もいるのではないでしょうか。
今、世の中には『言葉』と『情報』が溢れています。
何を信じ、どのように進めばよいのか、道に迷ってしまうこともあるかもしれません。
こんな時代だからこそ、古くから伝えられてきた知恵(言葉)に触れ、いにしえの人々が何を考えていたのかをお子様と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
ことわざの中に、今も昔も変わらぬ『人間の心』というものをきっと見つけられると思います。
お子様が、『ことわざ集』の中から何か一つでも希望を見つけ出せるよう、今すぐに実践できる内容から、出来たらすごいねという内容まで幅広く厳選し、できる限り子供にもわかりやすく解説しています。
半世紀以上、人生相談のラジオパーソナリティを務めてきた「加藤諦三さん」は、次のようにおっしゃっています。
「今、少なくともきちんと食べることができているのに、なぜこんなにお金が欲しいのか?」「なぜ学歴がないことにくよくよし、もっと学歴をつけたいと思うのか?」
加藤諦三著 テレフォン人生相談(日本放送)
そのように、自分を追い込むような価値観をどこで身につけてしまったのでしょうか。その源を探っていきましょう。それこそが、「自分探しの旅」です。
「ことわざ集」の中から、生きるヒントを見つける「自分探しの旅」に出てみましょう!
人生、こんなことに注意しておこう!
お母さんやお父さんに注意されると、何だか素直に聞き入れられない子供も、昔の人の言葉なら納得できるかもしれません。
まず、こんなことに注意してみましょう!
これも現実(げんじつ)と知ろう
隣の芝生は青い
【類義語】隣の花は赤い
他人のものは自分のものよりもよく見えるものだという意味で、隣の芝生が自分の家の芝生よりも青々して見えることに由来しています。
多くの人は、誰かをうらやましいと思って生きています。
それは裏を返すと、あなたも誰かから”うらやましいな、素敵だな”と思われている可能性があるということ。
完璧に見える人間でも、見えないところで苦労しているかもしれません。
嫉妬してしまうのが人間だけれども、実は自分も捨てたものではないと思った方が、楽に生きられると思います。
今すぐ できることもある!
トラブルは事前に避けるという生き方もあります。
君子危うきに近寄らず
立派な人は、むやみに危険に近寄らないという意味です。
李下に冠を正さず
疑いを招くような行動はしないという意味で、李の木の下で冠をかぶり直すと、李を盗んでいるように見えてしまうので、冠を直さない方がよいという中国の古典に由来しています。
むずかしいけど、できたらステキ!
大人でも難しいので、できるところから少しずつ試してみましょう。
物も言いようで角が立つ
同じことを言う場合でも、言葉の選び方によっては、相手の気分を害してしまうことがあるという意味です。
相手のことをよく考えてから発言してみましょう。
忘れがちなのは、家族や仲のよいお友達。
親しい人に対する発言にも、少しだけ気を付けてみてくださいね。
口は禍の門
【類義語】雉も鳴かずばうたれまい
余計な一言を発してしまうと、トラブルの元になるので気を付けようという意味です。
子供の場合には、素直に思ったことを言ってしまう傾向があり、何が余計な一言なのかすら理解できないことも多いと思います。
トラブルを避けるだけではなく、子供のうちに多少の失敗をしながら、少しずつに学んでいけたらよいですね。
急いては事を仕損じる
【類義語】急がば回れ
慌てて行うと余計に失敗してしまうので、焦らずゆっくりやりましょうという意味です。
嘘も方便
<反対語>嘘は泥棒の始まり
場合によっては嘘が必要な時もあるという意味です。
嘘はいけないものと教わっている子供にとっては、少し難しいと思います。
でも、次のことを知っておくとわかりやすいかもしれません。
その嘘は、誰のためにつく嘘ですか?
自分を守るためだけにつく嘘は、あまりよくありません。
でも、もし自分だけではなく相手や周りの人のためになる嘘であれば、それは必要な時もあります。
相手の立場に立って考えているかが、ポイントだと思います。
今は意味がわからなくても、頭の片隅に置いておきましょう。
人生、一歩ずつ進んでみよう!
次は、子供たちが日々の生活で、どのような行動をとればよいか考えてみます。
これも現実(げんじつ)と知ろう
まず、知っておきたい言葉はこれです。
類は友を呼ぶ
似たもの同士は自然と集まるという意味です。
性格の合う人、趣味の合う人、笑顔の人には笑顔の人・・・
そんな風に人が集まったら楽しそうですよね。
でも、もし自分が怠けてばかりいたら? もし誰かに意地悪をしていたら?
そう考えるとちょっと怖いです。
『今の自分の行いが未来の自分を決める』ことを覚えておきましょう。
今すぐ できることもある!
例えば、ニュースを見て胸を痛めたとします。
自分一人では何もできないと思い、無力さを感じることがあるかもしれません。
でも、子供でも、一人でも、できることはあるのです。
隗より始めよ
大きなことをするには、まず身近なことからという意味と、まずは自分からやってみましょうという意味があります。
王から「優秀な人を国に招くためにはどうすればよいか。」と問われた郭隗という人物が、「まずは自分(隗)のような普通の人を採用すれば、いずれ国の評判が広がり、優秀な人も集まってくるでしょう。」と答えた中国の故事に由来しています。
一見むずかしそう・・・。
でも、大丈夫! 特別なことをしなくてもよいと思います。
身近にいる誰かしくしたり、お手伝いをすることから始めてみましょう。
ごみを一つ拾うことですら、誰かを幸せにするかもしれません。
もちろん勉強だって、いずれ誰かの役に立つ日がやってくるはずです。
少し時間はかかります。
でも、小さな心がけから全てが始まることも知っておきましょう。
気持ちは連鎖して輪のようにつながっていくものです。
次は、意外かもしれませんが、『生活のリズム』についてです。
「心と体」は、密接に関係しているので、心が乱れている時は、生活のリズムから取り戻してみるのも一つの手段です。
寝る子は育つ
よく寝る子は体も丈夫に育つという意味ですが、実は「心と睡眠」も密接に関係しています。
【脳と眠りについての関連記事】
腹が減っては戦はできぬ
おなかが減った状態ではよい考えは出てこないし、よい働きもできないという意味です。
食べることは、生きることです。そして食べ物はおなかだけでなく心も満たします。
食欲がない時は、好きなものを少しだけでもよいから食べて、生きる力を体に取り入れてくださいね。
むずかしいけど、できたらステキ!
悩みや不安を抱えている時、先の見通しがつかず霧の中にいるような気持ちになってしまうことを、四字熟語で『五里霧中』と言います。
こんな時は、目の前のことしか見えなくなってしまいます。
木を見て森を見ず
【類義語】鹿をおうものは山を見ず
小さなことに気をとられていると全体が見えなくなってしまうという意味です。
そんな時は、鳥になった気分で全体を見てみましょう。
例えば、悩みの原因は何なのか?
そしてそれは悩むに値することなのか?
今まで見えなかったことが見えたなら、きっと今までと違う世界が見えてくると思います。
しいけれど、チャレンジしてみてくださいね。
馬には乗ってみよ 人には添うてみよ
よい馬かどうかは乗ってみないとわからないし、人間もどういう人なのかを判断するには、実際に深く付き合ってみないとわからないという意味です。
実はあたえられている情報が必ずしも正しいとはかぎりません。
家庭により、国により、外見により、かたよった情報が入ってしまう可能性があります。
正しい判断ができるようになるまで、まずは自分の頭でいっぱい考え、色々な人の話をよく聞いて、自らの目で
人のふり見てわがふり直せ
他人のよいところ、悪いところを見て、自分の行いを反省しようという意味です。
苦手な人に会った時などに、この言葉を思い出してみてくださいね。
芸は身を助ける
何か一つでも得意なことがあると、万が一生活に困った時にも役に立つことがあるという意味です。
これは案外大切だなと、大人になるとわかってきます。
そうは言われても、自分には得意なことなんてないな・・・
そんな人も大丈夫。まずはたくさん遊んで、たくさん笑って好きなことを見つけましょう。
好きこそ物の上手なれ
好きなものは、熱中するので自然と上達してしまうという意味です。
文字を読むのが苦手な息子が、ゲームの攻略本を読み始めました。
大好きなマインクラフトについてもっと知るためです。
ゲーム攻略本が、文字の多い本を読むきっかけになるとは!?
好きという気持ち、とっても大事です。
人生、そんなに うまくはいかないもの・・・
努力曲線(学習曲線)というものをご存じでしょうか?
一生懸命にがんばっていても、成長する途中には必ず停滞期というものがあるらしいのです。
努力曲線については、こちらの記事を参考にしてください。
やはり、人生はそんなにうまくは いかないもの。
でも、そんな悩みを抱えている人は、実は昔からたくさんいます。
そして、人生は悪いことばかりでもありません。
心がちょっと沈んだ時におすすめの『ことわざ集』をご紹介します。
これも現実(げんじつ)と知ろう
始めから、「人生は山あり谷あり」と知っておくと、心が少し楽になると思います。
今も昔も、多くの人々が同じ思いを共有しています。
禍福はあざなえる縄のごとし
禍と幸福は、表と裏のような関係で、わらでなわれた縄のように幸せと不幸が交互にやってくる予測しがたいものであるという意味です。
同じような意味で、もう一つ有名なことわざがあります。
人間万事塞翁が馬
塞翁という老人が馬に逃げられてしまいます。すると、数か月後にはその馬が立派な馬をつれて戻ってきました。周囲がよろこんでいると、今度は老人の子が馬から落ちて怪我をしてしまいました。しかし、その怪我のおかげで老人の孫が争いに参加せずにすんだという中国の故事に由来しています。
とは言え、世の中は必ずしも平等ではなく、誰かの言葉や行動によってつらい思いをさせられてしまうこともありますね。
そんな時は、歴史から学べることがあります。
次の言葉も覚えてみてください。
おごる平家は久しからず
人を見下し自分だけが偉いと思い上がっている人は、長く栄えることはなく、いずれ必ず衰えるという意味です。
平家は、平清盛を中心として絶大な権力をふるった一族ですが、最後は源氏一族に滅ぼされてしまいました。
今すぐ できることもある!
笑う門には福来る
いつも明るく朗らかな家には、自然と幸福がやってくるものだという意味です。
簡単そうに見えて、実はむずかしいですよね。
つらい時ほど笑えないですから・・・
無理して笑わなくてもよいと思います。心に嘘をついたり蓋をするのが一番苦しいことです。
でも、笑顔は笑顔を引きよせるということ、笑顔が運を引きよせるということを頭の片隅に置いておいてください。
つらい時はつらいと本音を言いましょう。楽しい時はいっぱい笑いましょう。
むずかしいけど、できたらステキ!
待つことは、意外とむずかしいことです。
でも、あるがままの自分で流れに身をゆだねることができたなら、結果が出る前に未来のことをあれこれ悩む必要がなくなります。
明日は明日の風がふく
未来のことをくよくよ考えても仕方がないという意味です。
そして、じーっと待ちます。
待てば海路の日和あり
物事がうまくいかなくても、あせらず良い日が来るのをじっと待っている方がよいという意味です。
海が荒れて船が出せなくても、じっと待っていればいつか必ずおだやかな海にもどり、船出できる日も来ることに由来しています。
失敗をおそれずに色々な経験をできるのは、子供の特権かもしれません。
若い時の苦労は買ってでもせよ
若いころの苦労は、後に自分のためになるから、しておいた方がよいという意味です。
きっと、子供にとっては信じられない言葉ですよね。
この言葉の意味は、大人になってからわかるようになるはずです。
今は、昔の人の言葉を疑いながらもちょっとだけ信じて、がんばってみましょう。
平和(へいわ)について~親子(おやこ)で話そう!
小学生の息子に、「平和になるためには、どんな ことわざ が必要かな?」と聞いてみました。
息子の答えは、
井の中の蛙大海を知らず かな?
深いような、深くないような・・・
でも、我が家のトイレにはってある世界地図をながめながら、ふと思いました。
- 国によって、民族によって、個人によって様々な考え方がある。
- それぞれに歴史的な背景がある。
- 地球は人間だけのものではなく、他の多くの生物のすみかでもある。
- どちらの立場から見るかによって、正義と悪が入れ替わることもある。
一番こわいのは、自分が絶対に正しいと決めつけてしまうことなのかもしれません。
先入観をもたず、人の言葉に耳をかたむける素直な心が大切だと感じました。
★おまけ(親子の平和 ことわざ集)★
- 子を持って知る親の恩
- 売り言葉に買い言葉
- 親しき仲にも礼儀あり
- かわいさ余って憎さ百倍
- 短気は損気
- 忠言耳に逆らう
- 子は親の鏡
- 子はかすがい
心って何だろう?~今、なやんでいる あなたへ
役に立たない人はいません。
失敗ですら誰かの教訓として活かされ、苦しんだ経験は同じ苦しみをもつ誰かを救う術となります。
本当は、あなたの力を未来で誰かが待っていると思います。
起きてしまったことは変えられない。
変えられるのは、その事実をどうとらえるかという視点です。
変えられるのならば、できる限りプラスの方向へ自分を導きたいですよね。
私は、少々複雑な家庭環境で育ちました。長い年月、過去にとらわれて生きてきました。
親が他界して初めて、その過ちに気がつきました。心がとらわれたままでは苦しみしか訪れませんでした。
今でも、心について考え続けています。
結局、答えは自分で見つけるしかないのだと思います。
本当になりたい自分とは、どんな自分なのか。
今あなたに命の危険が迫っていますか?
生きるのがつらいですか?
もしもそうならば、『ことわざ集』では役に立たないかもしれません。
適切な場所、信頼できる人を探し、救いを求めてほしいです。
命あっての物種
です。そして、こんな言葉も忘れないでください。
逃げるが勝ち
逃げてもいいのです。元気になったらまた戻ってくればいいだけです。
実は「自分探し」とは、死ぬほど苦しい仕事なのです。
加藤諦三著 テレフォン人生相談(日本放送)
苦しいからこそ、それを乗りこえた先には、今まで見たことのない全く違う景色が広がっているはずなのです。
あなたが苦しんだ経験は、同じ苦しみをもつ誰かを救う力があります。
だから、あなたは必要な人間だと私は思います。
あなたが生きる道は、今のあなたが、自分自身の手で選ぶことができます。