『コグトレ』は、医者でもある宮口幸治先生が考案した、認知機能を高めるトレーニングです。
主には学校や私生活において、学習面・生活面・対人関係などに苦手を持った子供達に向けたプログラムですが、特に『コグトレ・パズル』は、高齢者の脳トレや対人関係に不安を抱く大人など、誰がやっても楽しめるのでお薦めです。
この記事では、『都道府県がスイスイわかる!日本一周コグトレ・パズル』を詳しくご紹介していきます。
この本は、既に発売されていた『コグトレ・パズル』と、JTBパブリッシングの『るるぶ』がコラボした本で、遊び感覚で楽しく都道府県の学習をしながらコグトレにも取り組めるという特徴があります。
フルカラーで小学生でも楽しく取り組める上、パズルを解く感覚でどんどん進められるので、特に苦手分野のないお子様でも十分楽しめると感じました。
認知機能には、以下の5つの機能が含まれます。
この5つの認知機能をバランスよくトレーニングできるように構成されているのが『コグトレ・パズル』です。
読み書きなど苦手分野の多い小学3年生の我が子が、『都道府県がスイスイわかる!日本一周コグトレ・パズル』に取り組んだ感想や、難しく感じる時の取り組み方や改善してほしい点なども掲載しています。
『コグトレ』とは~もう少しだけ詳しく
『ケーキの切れない非行少年たち』というベストセラー本をご存じでしょうか?
著者で医者でもある宮口幸治先生が、非行少年と接する中で、彼らの認知機能を高める必要性を強く感じて考案したのが、実は『コグトレ』なのです。
『コグトレ』の関連本はたくさん出版されているのですが、初心者に特にお薦めなのが、『コグトレ・パズル』のシリーズです。
先に出版された『コグトレ・パズル』は、フルカラーではないのですが、一部カラー印刷でかわいい絵と大きな図が特徴です。未就学児からでも楽しめる本だと思います。
『コグトレ・パズル』については、こちらの関連記事も参考になさってください。
それに対して、『都道府県がスイスイわかる!日本一周コグトレ・パズル』は、ほぼ同程度の難易度ですが、中には少しだけレベルアップしたものも含まれているなと感じました。
フルカラー印刷なので楽しく都道府県の特徴を学べ、学習にも直結しています。主には小学生以上が対象だと思います。
例えば、3+7+5=15 程度の計算が解ければ問題ないので、小学1年生でも取り組めると思いますよ。
読みやすさへのこだわり
- 読みやすい字体(ユニバーサルデザインフォント)を使用
- 全漢字ふりがな付き
- フルカラー印刷
感想・効果など
特徴
- 各都道府県の基本データや名産品などがまとめられている。(上図①)
- 時々、以前解いた都道府県についてのクイズが出題され、記憶力を鍛えることができる。(上図②)
- 5つの認知機能をトレーニングする問題、全5分野20種類の中から、各都道府県毎に2種類ずつ出題される。
⇒47都道府県全てに取り組むと、20種類をまんべんなくカバーできる。
①から順に㊼までの都道府県を番号順に取り組むのが基本ですが、子供が好きなところから始めてもよいそうです。我が家では、子供がやりたい都道府県を選んで取り組んでいます。
終わったら、今日取り組んだ都道府県に色をつけていきます。
子供曰く、色塗りで日本地図が埋まっていくのが楽しいそうです。
ただし、やはり子供は、苦手な分野や興味のない都道府県を避けて通ろうとします・・・。そこは上手く調整してあげた方が良さそうです。
例えば、読み書きが苦手な我が子がは、『点つなぎ』系の問題にいつも苦戦します。
でも、実はこれこそが『コグトレ・パズル』の効果だと思います。
どういうことかと言うと・・・
我が子の苦手分野が見えてくる。
↓
私生活でのつまずきの原因が見えてくる。
↓
今後、我が子に必要な支援について考えることができる。
苦手が多い子供は、一生懸命やっていても、楽をしている、やる気がない、やることが雑などと評価されてしまうことが多いのです。
親の自分は理解しているつもりでも、『コグトレ・パズル』を一緒に取り組むことで、「こんなこともできなかったんだ。それじゃ普段の勉強も大変なわけだよね。」と改めて気付くことがあるんです。
これは、勉強ではなくて遊びなんだよ。
だから出来なくても大丈夫。楽しくやろうよ!
そのくらいの気持ちで取り組むのが、ちょうどよいと感じます。
そんなゆるい感じでも、結構都道府県のことを覚えてくれましたよ!
そして慣れていきたらこんな事とも言っていました。
本に書いてあった通りだね!
お母さんも知らないこと、結構あるね。
え?
確かに書いてありました・・・。
取り組み方について~難しい時の対処法も
子供って、すごく正直なんですよね。
楽しい時はやる気満々だけど、興味のない時はつまらなそうな顔をします・・・。
例えば、福島県の若松城のことが書いたページでは、若松城が初耳である上、鶴ヶ城とか会津若松城とか別名が出てきてやる気が全然出ない様子でした。
ただですら読み書きが苦手な息子は、
漢字ばっかりで読むだけで疲れるよ。知らないよこんな城・・・。
大阪城なら知ってるけどさ。
こんな状態でした。親が読んであげるのも一つの手だと思います。
たまたま、むかし手に入れたお菓子のおまけで、ちょうど若松城の写真があったので見せてみました。(インターネットで画像検索してもOK)
ほら、これだよ。
白と黒のしましまでかっこいいね!白い虎みたいでしょ?
ところで、白虎隊って知ってる?白い虎で白虎って読むんだよ。
ふーん。
でも白虎隊は名前しかしらないし、全然興味ないよ。
小学校高学年になったら、少し歴史もからめてリベンジしてみます。ともあれ、会話が増えるとそれだけ記憶にも残ると思いますので、色々関連付けて楽しんでみてください!
『コグトレ・パズル』を手にとる方は、きっと何らかの苦手分野を普段から抱えている方が多いと思います。ですから、恐らく5分野20種類の問題の中にいくつか苦手な種類の問題が出てくるのではないでしょうか。
我が子の場合には『点つなぎ』が苦手で、それが更に回転してしまった『くるくる星座』なんて、見ただけで拒絶反応です(笑)。
無理強いせず、マイペースに取り組める工夫も必要かなと感じます。
コグトレパズルの問題が難しい時の対処法をまとめてみます。
難しい時の対処法
- ヒントを出しながら一緒に取り組む。
- コピーをとってじっくり取り組む。
⇒何度も取り組める。
⇒回転問題は、紙ごと回転して理解を促す。
- 無理強いはしない。
⇒名所の写真など、本以外の情報と関連づける。
- フルカラーやマンガなど子供の興味を引く参考書を一冊用意しておく。
⇒興味のある事柄に関連付けて覚えた方が楽しく取り組める。
我が家で重宝している参考書(Amazon)>>
改善してほしい点~1つだけ
我が子は読み書きが苦手なので、『コグトレ・パズル』の問題だと、『点つなぎ』系の問題が一番の苦手分野なのです。
だから、我が子には、
- 見本を見ると手元がおそろかになる。
- どこまでつないだかすぐわからなくなるので、次の点に移るまで絶対に鉛筆の先端を紙から離さない。
- 小さい見本だと余計難しく感じる。
このような傾向があります。
そんな我が子にとって、『見本の位置』がとても重要だと気づかされました。
できれば、右利きでも左利きでも見やすい位置に大きく見本を表示してほしいと感じました。
まとめ
『都道府県がスイスイわかる!日本一周コグトレ・パズル』についてまとめてみます。
- 認知機能の訓練はすぐに効果がわかるものではないが、少なくとも子供の苦手分野を把握して対策を立てることができる。
- 日頃何らかの苦手分野を持っている子供は勿論、特に困っていない子供であっても、楽しいパズルとして遊ぶことで社会科の学習に活かせる内容である。
- 子供だけではなく、大人の認知機能トレーニングや都道府県の知識を学ぶ機会になる。
- 都道府県についての知識を遊び感覚で身につけることができる。
- 親子間で都道府県の会話が増える。
例)行きたい場所、名産品、過去に訪れた思い出話など。
まずは、一緒に楽しむことから始めてみてください。