吸水性・吸油性に優れた『びわこふきん』は、洗剤なしで食器を湯洗いすることもできる便利かつエコな家事アイテムです。しかも、乾きがとても早い!
ただし、使い方にはちょっとしたコツが必要です。
この記事では、『びわこふきん』の使い方やコツ、メンテナンス方法、メリット&デメリットなどを詳しく解説しています。
上手に使えば、
- 洗剤の使用量を減らせる。
- 脱プラに微力ながら貢献できる。
- 長く大切に使うことで物に愛着を持てる。
などの効果があります。
『びわこふきん』とは
「びわこふきん」とは、落綿で撚りの甘い柔らかい糸を紡ぐ「がら紡」という技術から生まれた、洗剤なしで食器洗いができるふきんです。
柔らかいがら紡糸を使っているので、次のような特徴があります。
- 吸水力がある
- 吸油力がある
- 乾きやすい
- ふきんに付いた汚れが落ちやすい
ふきんなので、好きな場所にかけておくことができて便利です。
乾きも早く、清潔です。
『びわこふきん』の使い方~基本編
食器の洗い方
「びわこふきん」をスポンジ代わりにして、洗剤を使用せずに湯洗いをするのが基本的な使い方です。
私は冬場以外は水洗いしていますが、湯洗いの方が油汚れが取れやすいので、初めての方は湯洗いからお試しください。
持ち方に決まりはありませんが、軽くまとめて持つと力が入りやすいと思います。
あとは、洗うものの形状に合わせて、すき間に入れたり、縁はふきんで挟み込んだり、やりやすい方法で洗ってみてください。
スポンジであれば、裏のザラザラした面(ナイロンたわし)を使いたくなるような「こびりつき」等の汚れも、重曹を使えば「びわこふきん」で落とせます。
- 水洗いをした後に水気をきった鍋に重曹を入れる。
- 固く絞ってから固く丸めたびわこふきんに、重曹をつけて汚れをこすり落とす。
- 最後は水で流す。
例えば、洗ってすぐに使いたい「まな板」や「鍋」などは、洗った直後にびわこふきんを絞って水気を拭いてしまうと台拭きとして活用できます。
実際、びわこふきんは丈夫でとても乾きやすいので、台拭きとしてもかなり優秀だと思いました。
万が一、食器洗いとしての使用に挫折しても、台拭きとして長く使えますよ!
【使い方のコツ】
- 汚れの少ないものから順に洗うと洗いやすい。油ものは最後に。
- 最低限、洗う前に汚れを水で流しておくと洗いやすい。
- 汚れの度合いによっては、予洗いをする方が結果的に時短になる。
⇒予洗いの方法については、本記事の中で詳しく解説。
挫折しないためには、無理をしないのが一番。
汚れに応じてスポンジと併用すると、始めやすいと思います。
【こんな時は無理せずにスポンジを!】
- 匂い移りしやすいものを洗う場合。
(例えば、長期間使わないプラスチック製品など。)
- 家族が感染症などにかかっている場合
- 肉や魚など生ものを扱った場合。
- ギトギトした油がついている場合。
など
※肉や魚などの生ものが付いたものを「びわこふきん」で洗う時は、我が家では熱湯をかけてから洗うようにしています。
※家族が体調不良の場合や油汚れがひどい時にも、我が家では熱湯をかけています。
びわこふきんのメンテナンス
「びわこふきん」の説明書には、
石けんをつけて煮沸か酸素系漂白剤で消毒。
と書いてあります。
我が家では、毎日煮沸や漂白をするのは大変なので、石けん洗いと熱湯消毒を日々のメンテナンスとしています。
石けんは・・・
毎日洗っています。
- 「びわこふきん」が汚れてきた時、例えば油っぽくなってきたな、着色してしまったなという時に石けんで洗っています。
- 一日の終わりには、なるべく石けんで洗うようにしています。
煮沸は・・・
殆んど煮沸はしていません。
- 煮沸する代わりに、一日の終わりに5分程熱湯につけています。
冷めるまで放置すると雑菌が繁殖する可能性があるので、5分ぐらい経過したら水洗いします。
- カビの予防のために、毎日行っています。
お湯がもったいない時には、大きめのお茶碗くらいの食器でもできると思います。5分間熱いと思える温度を保てる容器を使ってみてください。
私は「びわこふきん」を大切にしているので、お茶を飲む時に沸かしたお湯の残りなどで、気が向いた時にも消毒をしています。
酸素系漂白剤は・・・
めったに漂白しませんが、状況によって極稀に行います。
- カビそうな時(少し黒ずんできたかな?と感じた時)は、念のため漂白をしています。
- 油汚れが蓄積してしまった時には、漂白をしています。
- 多少の着色は気にしませんが、あまりに目立つ時には漂白をしています。
びわこふきんを汚さない工夫~我が家のアイデア
アイデア1:シリコンベラ
私は、百均のシリコンベラを食器洗い専用として使用しています。
シリコンベラで油ごと取るイメージです。
(集めたものは、可能であれば三角コーナーに。)
水に数分つけてからこする方法もあります。
この方法だと、ごはん粒や納豆などもよく落ちますよ!
アイデア2:重曹でこする
重曹は油汚れと相性がよいので、重曹でこすり落とす方法もあります。
汚れが乾燥しすぎたり、逆に水分が多すぎるとあまり効果が出ません。重曹が半分湿っているくらいが目安の量です。
(汚れが乾燥している場合には、数分水につけてから水をきっておきます。また、水分が多い場合には事前に捨てておきましょう。)
カレーなど少しとろみのある料理の方が重曹が汚れをよく吸着してくれる気がします。
逆に揚げ物の鍋など油が直接大量についているものにはあまり効果を感じませんでした。
どんな料理の時に重曹と相性がよいか試してみてください。
我が家では、重曹をジャムなどの空き瓶に入れて使っています。
重曹は湿気を吸うと固まりやすくなるので、普段はふたを閉めておきましょう。
私は、食器洗いの時だけふたを開けて流しの脇におき、汚れに応じて重曹を使用しています。
※油の吸着だけが目的の場合には、小麦粉でも代用できます。
アイデア3:捨ててしまう容器の洗浄
缶詰の缶など、捨てる前に洗っておく必要があるものは、私は新聞紙やチラシで洗っています。
新聞紙は見開き1ページを16等分にしてストックしてあります。
オイル漬けの缶詰などは、重曹による拭き取りでも落ちないことがあります。
そういうものは、重曹で大まかに油汚れをとった後、液体洗剤を2滴程垂らして、軽く湿らせた新聞紙でこすってから水洗いしています。
新聞紙をスポンジ代わりにするイメージです。
捨てるものなので、多少べたついていても、ある程度においが取れていればよしとしています。
新聞紙で拭き取って水洗いするだけ、もしくは重曹でこすり洗いをしてから水洗いすれば十分なものもあります。
アイデア4:生ものの扱い
生ものを扱った後、私は基本的に熱湯をかけています。
特に木のまな板は汚れが蓄積しやすいので、生の肉や魚を切る時には、牛乳パックを使うようにしています。
アイデア5:水筒を洗う時
水筒の中をキレイにする方法は、下記の関連記事も参考にしてみてください。
汚れが取れない時の対処法~ひと手間で結果的に楽になる
【油汚れの場合】
無理せずにスポンジを使って洗ってもよいのですが、この記事では別の方法をご紹介します。
私の場合、シリコンベラで汚れを取り除いてから洗っても、まだべたつく汚れにはこの方法を使っています。
「びわこふきん」を1~2か月使っていると、メニューによってどの程度の汚れなら洗剤なしで落ちるのかがわかってくると思います。
水洗いで汚れを落とし、水気をきる。
熱湯をかけてから行うとより効果的
↓
液体洗剤を2~3滴。
少し泡立つ程度の量が目安。
↓
ティッシュなどの紙を軽く湿らせてクルクルと洗う。
殆んど泡立たない時は、液体洗剤を数滴追加。
↓
あとは、「びわこふきん」で湯洗い(水洗い)。
※上記の手順を、汚れの度合いに応じて1~2回行っています。
フライパンならティッシュ1枚程度。
皿なら、ティッシュ1枚で数枚洗えます。
私は、もったいないのでこんな紙も使っています。
【他にも使える紙のあれこれ】
- 街頭でもらうポケットティッシュ
- ファーストフードの持ち帰りで大量に入っている紙ナプキン
- 食事中にちょっと口を拭いただけの紙ナプキンやお手拭き等の再利用
など
※新聞紙などはインクが落ちることがあるので、できればインクのついていない紙を使用してください。
例えば、目薬を拭いただけのティッシュなど、再利用できそうなものは紙コップに入れてとっておき、洗い物の時に使用しています。
それでも、まだべたつく時は・・・
私は、濡れたびわこふきんに直接ふきん用の固形石鹸をつけて洗っています。
(私は石けんをふきんで数回なでる感じでつけています。)
水ですすぐと石鹸がすぐに落ちてしまうので、石鹸をつけた場合には、数枚こすり洗いした後に、まとめて湯洗いしています(※)。
※備考
びわこふきんは泡切れがとても良いので、ふきん自体に少量の石けんがついていても湯洗いですぐにとれます。逆に言うと、泡立ちは悪いので泡立てようとしない方がよいと思います。
液体洗剤を「びわこふきん」につけてもすぐに吸収されてしまい泡立ちにくいので、私はふきん用の固形石鹸を使っています。手を洗ったり「びわこふきん」にちょっとだけつける時に便利です。
【焦げ・こびりつきの場合】
焦げやこびりつきを落とす方法は、下記の関連記事も参考にしてみてください。
我が家の使い方の例
「びわこふきん」を1~2か月程使っていると、自分なりの使い方が見えてくると思います。
時間や手間がかかりすぎると生活にマッチしないので、自分が心地よいと思うルーティーンを探してみてください。
例えば、我が家の場合、朝ごはんの片づけはフライパンなども含めて毎回びわこふきんを使っており、洗剤もほぼ使用せずに済んでいます。
【我が家の朝ごはんの例】
- パンかご飯
- 卵料理
- サラダ
- 牛乳・紅茶などの飲み物
- ヨーグルトとフルーツ
昼や夜はメニューにより異なりますが、スポンジは殆ど使わず、ふき取り、少量の洗剤、重曹などを組み合わせながら「びわこふきん」で洗っています。
軽いメニューの時だけ、週末だけ、気が向いた時だけなど、無理せず使ってみるのがお薦めです。
『びわこふきん』を使っている理由
私の息子は海の生き物が大好きなので、よく一緒に海や川に遊びに行ったり、水族館めぐりに行きます。その中で、海の生き物達との共存について息子と話す機会が増えてきました。
「一体、自分は何から始めればよいのかわからないけれど、何もしないよりは何かしてみよう。」そう考えたのが、「びわこふきん」を使い始めたきっかけです。
正直、自分に合った使い方を見つけるのには時間がかかりました。
(夫はスポンジ以外は使いたくないそうで、私だけが使っています。)
便利さとエコをどちらも実現することは、簡単ではないと感じます。
自然への影響は極々わずかかもしれませんが、両者のバランスを上手く取りながら、自分にできることをこれからも少しずつ探していこうと思います。
まとめ~メリット・デメリット
【メリット】
- 洗剤の使用量を減らせる。
- 手荒れになりにくい。
- 力が入りやすい。汚れを絡めとりやすい。
(例えば、ご飯粒、納豆、箸についた汚れなども取りやすい。) - 薄くて乾きやすい。
- ふきんをしっかり洗えて衛生的。
- 長持ちする。
- 台拭きとしても優秀。
【デメリット】
- 吸油性はあるが、スポンジと洗剤で洗うほどの洗浄力はない。
→予洗いなどの工夫も必要。 - 目が粗いので野菜片やご飯粒がひっかかる時がある。
→水の中で泳がせるように振り落とせばすぐ落ちる。 - 物を長く大切に使う意識が芽生える。
- 長く使うためには、メンテナンスも必要。
→台所ふきんを消毒する程度のメンテナンスでOK。メンテナンスにより愛着もわく。
食器洗いで一番厄介なのが、油汚れだと思います。
我が家の場合、べたつきが最後まで取れないのは、大概プラスチック製品と鍋です。
例えば、プラスチックの保存容器をガラス容器に替えてみるとか、鍋を腐食に強いステンレス製に替えてみるというのも、エコを考える上で有効な手段だと思いました。
時間も大切な財産ですので、時間と心の余裕を見ながら、ご自身にあったエコ家事の方法を模索してみてください!